暗視スコープ・エクイノクスZ6R-ファーストインプレ
夜の鳥は、謎だらけです。夜間のバードウォッチングに行けば、必ず発見があるし謎が生まれます。何度、声の主の姿を確認したい、彼らの姿を見てみたいと思ったことでしょう。
ところで、世の中にはナイトスコープとか暗視スコープという製品があります。ネットで探せば、1万円台から数10万円するものまでピンキリです。おそらく、値段相応のものだと思いますが、安いからと言って買っても使えなくては意味がありません。それに、多くが1倍なので、少しは倍率が欲しいところです。
前回の我孫子のジャパンバードフェスティバルで、阪神交易さんがナイトスコープを出品していました。型落ちした6倍の性能のある暗視スコープを割引して販売していました。お話をうかがうと、どうせならば画像と動画を保存できる新機種のほうが良いとのこと。試してみたいと言っていたら、今回の大阪自然史フェスティバルでお借りすることができました。
機種は、BushnellのエクイノクスZ6R。下記のURLで機能と仕様が紹介されています。
http://www.hanshinco.com/anshi-digital.html
まずは、準備。この機種は、単3電池4本が必要です。確認すると入っていました。また、この機種の最大の特徴は画像と動画を保存できることです。保存先のマイクロSDカードを入れます。手持ちの2Gをとりあえず挿入しました。カタログによれば、2Gで静止画6,500枚、動画30分を記録することができるとありますので十分です。
ときあたかも、六義園はライトアップ中です。夜の六義園に入ることができますので、さっそく試しに行きました。日没後の六義園はかなりの混雑、ライトアップ中ですから池の周りは真っ暗ではありません。そのため、池にカモが浮かんでいるはわかりますが、種類までわかりません。エクイノクスZ6Rで覗くと、くちばしの先が白く見え、次列風切り羽の白い部分も見えるので、カルガモと確認できます。
暗い中、カモを見つけて6倍の視野の中に入れるのは、ちょっと苦労します。いつもの癖で、肉眼で見つけて視野に捕らえるということをしてしまいます。しかし、風景をなめるようにスコープで探すと、肉眼では見つけられない暗い場所にカルガモがいるのを見つけることができました。
この間、画像を保存しましたが、手ぶれのため、見ているようなきれいな画像には撮れませんでした。実際は、これよりはっきりと見えています。
さらに、暗いところを探しました。かすかにベンチがあるのが、わかる場所です。私はベンチがあるのを知っていますが、知らなければ見えない暗さです。私と位置とベンチとは25mほど離れています。ベンチの縁は明るすぎて反射していますが、下まで見えます。この撮影は杭の上に置いて保存した画像です。落ちている木の葉1枚1枚がわかると思います。
なお、エクイノクスZ6Rは光を増幅させるだけではなく、暗い場合は赤外線を当てて見ることができます。今回のように街の明かりがあるような場合は、赤外線なしで十分です。前掲のベンチは、赤外線の強さが3段階あるうちのLowです。それでも、ベンチが反射しています。試しに赤外線がどこまで届いているか発光しているライトを手で隠すことでチェックしてみたところ、Highで5,60mは間違いなく届いているように見えました。
電池の重さを含めて750gとなります。およそ双眼鏡1台分の重さですが、ブレを軽減させてゆっくりと鳥を探すということになると、6倍といえども三脚が必要だと思いました。また、ピント合わせは胴鏡の前、そのほかのスイッチの操作がありますので、なおさら固定して見たいと思いました。ただ、六義園はライトアップ中は三脚禁止です。そのため、次に三脚を使ってベランダから六義園の森を覗いてみました。
およそ30m先にあるエノキの梢の6倍画像です。ハト大の鳥がとまっていれば、十分識別ができそうです。赤外線は照射していません。
同じ部分をデジタルズームで3倍。本来の6倍×デジタルズームの3倍で18倍の画像です。スズメ大の鳥でも識別できそうです。
私たちが双眼鏡で鳥を捕らえるのは、まず肉眼で見つけて、そっと双眼鏡を目に当てて捕らえます。夜は暗いため、この肉眼で見つけるという作業ができません。最初からスコープに捕らえなくてはならないことになります。そのため、明るいスコープの視野と夜の闇を交互に行き来するので、瞳孔が閉じたり開いたりしなくてはならず、目が疲れることはしかたないですが、注意が必要でしょう。
なお、昼間は6倍の単眼鏡として使うことができて、その場合はカラーで見えて、画像と動画ともカラーで保存できます。
ファーストインブレですのですので、まずはここまで。これから、機会を見て夜の生き物たちの観察にどれだけ有効であるか、報告ができたらと思っています。
便宜を図っていただきました阪神交易の竹内さんに、お礼申しあげます。
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