六義園でコノハズクか?
あいかわらず、アトリの大群が迎えてくれる六義園です。
一回りしていると、羽毛が散っているのを見つけました。ダウン系の多い羽毛なので、カモ類がやられたのかと思い、被害者を特定しようと見つかる限りの羽毛を拾いました。1枚だけ羽軸がしっかりとした羽毛があって、この羽毛のパターンはカモらしくありません。家に帰って、さっそく図鑑でチェックしてみました。
『日本の野鳥 羽根図鑑』(1995・笹川昭雄) と『原寸大写真図鑑 羽』(2004・高田勝、叶内拓哉)を見た結果、後者の188ページに載っているリュウキュウコノハズクの小翼羽と胸の羽毛とそっくりでした。本の上に載せて、写真を撮ってみました。サイズ、模様ともよく似ています。ちなみに、撮影のために影がある右が拾った羽毛です。
東京にリュウキュウコノハズクがいるわけはないので、コノハズクの可能性が高いのではと思いました。2冊ともコノハズクのページを見ましたが、これほどは似ていませんでした。以前、小型フクロウ類の標本を見たとき、身体の色から大きさまで個体差が大きいことに驚いたものです。コノハズクのうちのリュウキュウコノハズク似の個体であったのではないかと思います。実は、コノハズクは夏鳥とされていますが、越冬記録も散見しています。留鳥のオオコノハズクとされている可能性もあり、意外と渡らないのかもしれません。いずれにしても、基本1本の羽からですので、種の特定は難しいものがあります。また、カゴヌケの可能性もあるとの指摘もありますので、記録は参考記録です。
小翼羽が落ち体毛がけっこうな量で散っていましたので、おそらく致命的なダメージを負ったものと思います。このところ、六義園ではアトリ狙いのツミがよく見られています。オオタカもいるときがあります。ハシブトガラスもいますので、犯人の特定は難しいですが、羽毛の散り方から木の上部で捕らえられ食べられたことから、猛禽かカラス類が犯人でしょう。
いずれにしても新年早々、都会の公園でコノハズクが越冬しているかもしれない記録を得ることができました。「こいつは春から縁起がいいや」といった気分です。
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