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2017年3月21日 (火)

雌は、さえずりをどのように聞いているのか

 野鳥のさえずりの中には、とても早口で鳴くものがいます。たとえばミソサザイのさえずりは、あっというまに一節が終わり次の節へと移っていきます。音が上がったのか下がったのか、聞き分けるのが難しいほどです。また、アカゲラのドラミングは2秒間に30回叩いているので一つの音に聞こえてきます。
 いつも疑問に思っているのですが、野鳥たちも私たちと同じように、これらの音を聞いているのかです。もしかすると、野鳥たちは私たちとは違って聞いているのではないかと思っています。たとえば、ミソサザイの雌は雄のさえずりを聞いて、この雄は抑揚が激しくて上手いとか思っていないか。アカゲラの雌は、この雄のドラミングのテンポは速くてかっこう良いと聞き分けているかもしれません。そうした微妙な違いを聞き分けるためには、ゆっくりとしたテンポにして聞くとよくわかります。要するに、野鳥たちは私たちとは違った時間の感覚で音を聞いてる可能性があります。
 Sound Forge Pro 11は、音源を加工するコマンドがあります。Audition 3.0でもほぼ同じような機能があるのですが、メニューの奥深くにあったりして今ひとつ使いにくいのです。このSound Forge Pro 11で再生時間に変化をつけて、雌たちがどのように聞いているのか、加工してみました。メニューのプロセス→時間→タイムストレッチというコマンドに行き、「オリジナルとの比較」の%の数字を調整しながら音を聞き変化を確認しながら調整できます。このとき、エコーがかからないモードを選ぶようにするとより自然に加工できます。調整できたらOKをクリックして、別のファイル名を付けて保存するだけです。
 なお、昔よくテープを遅く回すことでテンポをかえられましたが、そうすると音が低くなってしまいました。早くすると高くなって『かえってきた酔っ払い』になりました。音楽ソフトでは、音の高さを変えないで加工することができます。
 まず、ミソサザイのさえずりです。元のさえずりの長さは5.26秒です。それをおよそ4倍でスロー再生することで20秒に伸ばしてみました。4倍の根拠は、とくにありませんが、このぐらい遅くすると抑揚がよくわかります。
 まず、オリジナルのミソサザイのさえずりです。



 つぎに、4倍に引き延ばしたさえずりです。



 いかがでしょうか。ただ小刻みに聞こえた声が、上がったり下がったりしている抑揚の変化の連続であることがよくわかると思います。私たちには、雄のさえずりで個体識別はしづらいですが雌はこうして聞き分けることによって、よりさえずりの複雑な雄を選んでいるのかもしれません。
 つぎに、アカゲラのドラミングです。1.7秒の間に27回叩いています。それだけに、ひとつの音に聞こえ、音の強弱などはわかりません。



 この音を2倍にしてみます。これも、根拠はありません。このくらいにすると、叩く音のひとつひとつがわかるということで2倍でです。



 ドラミングの音が、だんだん強くなってピークを迎え、そして弱くなるけれど早く叩いていることがわかると思います。一本調子だと思っていたドラミングですが、微妙な変化があるのがわかります。こうした違いから雄の個体識別ができ、雌は魅力的なドラミングを聞き分けているのかもしれません。
 いろいろな野鳥の声をスローにして聞き解析してみると、思わぬ発見があるかもしれません。

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