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2017年3月 1日 (水)

『朝の小鳥』スタジオ収録-あきる野の里山

  本日は、文化放送にて『朝の小鳥』のスタジオでした。早いもので、もう4月の放送のための収録です。気分は春爛漫、春真っ盛りというつもりで、音とシナリオを構成しました。
 取材場所は、東京の郊外に広がるあきる野市の里山です。ガビチョウがうるさいくらい鳴いているので、それを避けて録音するテクニックのいる環境でした。
 夕方、暗くなってから飛んでいったオシドリの声がとても印象的でしたので、オシドリが1回目です。夜になるとシュレーゲルアオガエルが、とてもにぎやかに鳴き始めます。おかげで、夜の鳥の録音はかなり制限されました。しかし、比較的近くでフクロウが鳴いてくれたのは、ラッキーでした。
 最近、フクロウ類は人工音が多くなると獲物を見つける能力が落ちるという研究発表がありました。ようするに、交通騒音が音でネズミなどの動きを察知して捕らえるフクロウ類の狩りに及ぼすというのですから、とても興味深い話です。
 ただ今回の里山では、カエルの鳴き声がかなりうるさい中で、フクロウが鳴き合っていました。フクロウ類で言えば、トラフズクも田んぼの真ん中にある集落の神社にいて、カエルの合唱のなか、子育てをしていました。これだけカエルがいるのだから、カエルを食べれば良いと思ったのですが、落ちているペリットはネズミの毛や骨ばかり。やはり、カエルの騒音のなか、ネズミを捕らえていたことになります。これ以外でも、虫の声がにぎやかところ、流れの音のあるところなどでもフクロウ類がいたことがあります。
 もちろん、車の音とカエルの鳴き声では、音質も音量も異なります。それでも、ネズミが立てる「カサッ」という程度の音が聞こえなくなるという意味では、違いがないように思えますがいかがでしょうか。じつは、夜の森の自然音は、とてもにぎやかなのです。
 せっかくの面白い目の付け所の研究に水を差すつもりはありません。今後、この問題へのアプローチの参考になればと思っての一言です。
 さて、4月の放送内容です。
 4月 2日  オシドリ
 4月 9日  メジロ
 4月16日 ヒヨドリ
 4月23日 コジュケイ
 4月30日 フクロウ

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コメント

まつ様
野鳥の聴力についても興味深いですね。
私は先日河川敷でトラフズクの死体を取得しまして、正規手続きを経て剥製にしました。それでトラフズクの耳の穴を見たら、顔盤の羽毛がきれいに並んで鼓膜の端まで到達していて、すごい構造だと感じました。
顔盤が集音パラボラのような役目で音をキャッチしていると言われていますが、やっとその仕組みが理解できました。
ところでフクロウですが、どこかでフクロウがカエルをくわえている写真を見たなぁ・・・?と思って、探しましたら。山と渓谷社の高野伸二さん著のカラー写真ポケット図鑑のフクロウの写真がカエルをくわえていました。田んぼ地帯ではフクロウも多少はカエルを食べるのだろうと思われます。
カエルはけっこういるのだからコノハズクやオオコノハズクも、もっといてもおかしくないと思います。
樹洞の不足のほうが深刻なのでしょうか?。


S木♂様
 そういえば、我孫子の鳥博でライブ中継をやっていたフクロウもカエルを持ってくることがあると言ってました。ゼロではないようですね。
 アオバズクも田んぼのなかにある農家の防風林などで巣作りするのですから、カエルを食べてもおかしくないです。カエルの声を避けて録音するのに苦労したことを思い出しました。
 そうなるとあのカエルの大合唱のなかでの耳をたよりの狩りは難しいことになりますね。

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