『野鳥の声がずっと流れるCD』のご紹介
日本野鳥の会には『鳴き声ガイド日本の野鳥』を発売して以来、「野鳥の声だけのCDはないのか?」という問い合わせが、けっこうあるそうです。それならば、作ろうとI田さんが企画して制作に関わらせてもらいました。
I田さんからは「野鳥の鳴き声で癒やされるCDにしたい」との課題をいただきました。それは簡単、テンポのゆっくりしたさえずりで構成すれば、癒やされるのではと考えました。まずは、オオルリとクロツグミは、はずせないと思いました。そして、エゾムシクイ、カッコウ、コガラ、ゴジュウカラなど、ゆっくりとさえずる種類を早春から初夏に並べて試作品の初号を納品しました。その感想はNG。そのひとつ、T岡さんからの「カッコウなど、遠くで鳴かせることができないか」という指摘には、なるほどと思いました。要するに、それぞれの鳥の鳴き声が同じレベルで並んでいても、あまり癒やされないのです。くだんのカッコウは、遠くで鳴いていると、ほのぼのとした印象があります。しかし、近くで鳴きクリアな音源を入れてしまったのですから、癒やされない音となってしまったのです。
この遠くで鳴くカッコウのようなバックの音が、癒やし効果の大きなウエイトを占めることもわかっていたのですが、なかなか思うような編集ができません。ひとつに私の音源は、アップで鳴いている鳥の声がファイルのタイトルになっています。ですから、図鑑を作るときは鳥の名前で検索するすれば、必要なファイルを見つけられ対応することができます。しかし、コーラスとか遠くで鳴く鳥についてはタイトルになっていないので、探し出すのがたいへんなのです。季節と場所で当たりをつけて聞き、探すしかありません。そのため、音源探しにとても時間がかかりました。
ということで、次の試作品を納品。このあたりでは、3号になっています。今度の課題は、バックの音が小さいです。家にあるYAMAHAのスピーカーMSP5でメインと音とバックの音はベストの状態に調整してあります。しかし、小さく聞こえるというのです。ようするに、大きなスピーカー、イヤーフォン、PCに付いているスピーカーなど聞き方によって、まったく違って聞こえることになります。このあたりが、音楽と違って環境音の難しいところだと思います。こちらとしては、ミニコンポくらいで聞いて欲しいところなのですが、スマホに落として通勤電車のなかでイヤーフォンで聞くという状況も多いと思うと、ぎりぎりのバランスを考えなくてはなりませんでした。
ということで最後、このあたりは5号くらいになります。それぞれのトラックで、バックとのバランスを変えたものを3タイプずつ作り、選んでもらうことにしました。いずれも、大きめのものが選ばれ、やっと完成。その苦労は、報われた癒やされるCDになったと思います。
こう書くと苦労話ばかりになってしまいますが、毎日鳥の声に囲まれての仕事、とても楽しく進めさせてもらいました。いずれにしても、I田さんはじめ日本野鳥の会職員の方々のご協力、ありがとうございました。
現在、日本野鳥の会のショッピングサイトでお求めいただけます。下記URLでポチって、野鳥のさえずりで癒やされていただければと思います。
http://www.birdshop.jp/fs/wildbird/visual1/gd3663
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