ムササビの鳴き声
10年くらい前までは、不明の鳴き声の問い合わせNo.1はガビチョウでした。大きな声で目立つし録音しやすく、CDやネットにも情報が少なかったためでしょう。このところ、おたずねで多いのが、鳥の声ではなくムササビです。ひとつに、繁殖調査でパナソニックのXS-455が全国で100台以上稼働していることがありますが、それだけ夜の録音をしている方が増えたことは喜ばしいことです。
日が沈み暗い森のなかで活動するムササビは、相手の姿が見えないので鳥とおなじように鳴き声でコミュニケーションをとっています。そのため、聞く機会も多いのですが、いかんせん暗くなってからのため姿が見えず、謎の声となってしまいます。そのため、ここではムササビの鳴き声のパターンのいくつかを紹介しておきますので、ご参考にしてください。
いちばん、よく聞く声は「グルル・・・」という声です。日が沈み、最初に活動を開始するときによく鳴きます。存在の確認の声だと思います。
「musasabi-1-140427_009e.mp3」をダウンロード
警戒と思われる「キュルキュル」と聞こえる声です。強弱、連続の頻度など、違いがありますが、警戒の度合いによるものでしょう。
「musasabi-2-120519_1818.mp3」をダウンロード
これは、なにか機械音のように聞こえましたが、ムササビです。最初の「グルル」が、変化したものでしょう。存在の確認で良いかと思います。
「musasabi-3-100424_1.mp3」をダウンロード
このほか、こんな声も出します。長いので後ろのほうはカットしていますが、警戒の「キョキョ」が入っているので、ムササビとしました。ケンカそれとも求愛、想像はいくらでもできます。
「musasabi-4-140406_0400.mp3」をダウンロード
夜の静寂のなか、ムササビの鳴き声は遠くで鳴いても良く聞こえます。録音も比較的しやすい鳴き声です。生息の確認、生態の解明、いくらでも課題のある魅力的な生きものだと思います。
参考文献
安藤元一、倉持有希 2008 ムササビの音声コミュニケーション 東京農大農学集報 53(2),176-183 [下記URLで読めます]
https://nodai.repo.nii.ac.jp/?action=repository_uri&item_id=332&file_id=19&file_no=1
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家の近くで鳴いているのはおそらくムササビなのですがこの中のどの鳴き方でもありません
よかったら鳴き声を撮ったものがあるので1度聞いてみてほしいです。
投稿: ムササビ | 2020年5月 4日 (月) 21時27分