『朝の小鳥』スタジオ収録-8月は富士山五合目の鳥たち
本日は、浜松町にある文化放送にて『朝の小鳥』のスタジオ収録でした。担当のS藤さんが栄転されたために、スタッフ新旧がそろいました。そのため、総勢6名が狭いスタジオに集まり、和気藹々の収録となりました。
本日、関東などでは梅雨が明けたとか。これ以上の暑さが続くのかと思うとぞっとします。そのため、8月は少しでも涼しさを感じていただこうと富士山五合目にある奥庭山荘付近で録音した野鳥たちの鳴き声です。標高2,400mの朝晩は寒いくらいの場所です。少しでも涼しさを音から感じてもらえれば幸いです。
文化放送に入る時に気になっていたのですが、エントランスに古い録音機が展示されていました。収録後に、確認するとなんとM-4ではありませんか。
解説板によると、このM-4はソニーの前身の東京通信工業の製品の1号機だそうです。この録音機はある意味、野鳥録音に革命をもたらした機器です。というのは、それまでは100ボルトの電源がなくては稼働しなかったものが、ゼンマイが動力のために野外にどこにでも持って行けるようになったのです。1954年、この革命的な恩恵にあずかったのは野鳥録音では蒲谷鶴彦先生だけであったのですが、軽井沢はもとより北海道など全国各地に取材に行ける行けるようになり、当時の貴重な録音がこのM-4によって残されています。また、初期の文化放送『朝の小鳥』でもM-4で録音された音源が流されたはずです。
『野鳥大鑑』の「鳥声録音50年の歩み」によれば「忘れもしない14万円。当時、大卒の初任給が1万2,000円だから、現在の価格だと200万円以上というたいへん高価な機械である」と書いています。ただ、故障が多かったのでバックアップにもう1台用意しての取材だったのですから、当時の野鳥録音はお金がかかりました。
しかし、電源コードのしばりから解き放された蒲谷先生が、自由に飛ぶ鳥のように録音をすることができるようなったようすが目に浮かぶようです。
2017年8月の放送内容
8月 6日 ルリビタキ
13日 ビンズイ
20日 ヨタカ
27日 ホシガラス幼鳥
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