Audition CC 使用リポート-その5
全体にかぶったノイズや鳥の鳴き声の音域にかかってしまったノイズを軽減することができるのが、ノイズリダクションという機能です。Auditionでは、バージョンを重ねるごとにノイズリダクションの機能が向上していったと思います。3.0も、それまでのバージョンに比べれば効果はまずますでした。それでも、私はなっとくできずノイズ取り専用のソフトのiZotopeを使用していました。このソフトは、編集機能では3.0にかないませんが、De-noiseというコマンドは秀悦で、今まで捨てていたような音源を生き返られることができました。そのため、3.0で音源を下ごしらえして、iZotopeでノイズを取り、また3.0で仕上げるという作業をすることがよくあります。iZotopeは、初期バージョンは7万円を超え、現在使用しているRX-5が4万円台です。アップグレードを続けてきましたのでiZotopeには10万円以上つぎ込んで来たことになりますが、それだけの価値を生み出してくれるソフトだと思っています。
ノイズリダクションの機能の善し悪しは、ノイズと残したい音、私の場合は鳥の声を区別して軽減してくれるかどうかにかかっています。以前もお話しましたように、鳥の鳴き声は響きがあります。いわば余韻があります。この余韻の音量は、低いのでバックのノイズに埋もれてしまっています。iZotopeではどういう仕組みかわかりませんが、この余韻とノイズを区別して残してくれるのです。
さて、CCのノイズリダクションもかなり良いです。わかりやすい例を示します。カッコウの鳴き声です。まずは、元音源のカッコウのスペクトル表示です。モノラルに変換しFFTフィルターで300Hz以下のノイズを軽減、鳴き声の部分をクローズアップしています。
この下ごしらえした音源を、エフェクト→ノイズリダクション/リストア→ヒスノズ除去をしてみました。設定は、ノイズフロアが12.7db、削減度17.7dbです。
余韻がより明瞭になっているのがわかると思います。「カッコウ」の「カッ」の余韻は「コウ」が始まってもまだ響いていて、さらに「コウ」の後にはっきりと余韻があることがわかります。ちなみに、この「コウ」の余韻は、0.31秒もあります。バックのノイズが薄くなり余韻のコントラストがはっきり見え、残っています。ノイズがなくなって「カッコ」と余韻もなくなっていないことがわかると思います。
元の音源を見てもらうと、余韻はバックのノイズの濃さと同じ、ということはノイズと判断して取られてしまう可能性のある音量なのです。プレビューを聞きながら、設定をいろいろ変えノイズが弱くなり鳥の声が立ち、さらに不自然にならないところを探します。また、Auditionのノイズリダクションには、このほかにもコマンドがあります。お好み、使いやすさでお試しいただければと思います。(つづく)
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