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2017年8月 3日 (木)

トラツグミの一声鳴き

 1ヶ月前の日光、ニッコウキスゲが満開のキスゲ平を記事にしたことがあります。この時のことです。まだ、梅雨のさなかでしたのでキスゲ平は、空は厚い雲に覆われ、今にも霧がまいてきそうな天候でした。
 このとき、近くの木立の中からトラツグミのさえずりが聞こえて来ました。トラツグミは、夜に鳴く鳥のイメージがありますが、昼間も鳴くことがあります。霧や曇りのときには、ときどき鳴きます。一度だけですが、晴天のなかウグイスの声をバックに鳴いていたことがありました。
 少し距離はありますが、トラツグミのような音域の狭い鳥は加工しやすく、遠くても増幅することが可能です。これ幸いと録音機を取り出し、ポーズをはずし録音開始。しかし、もう鳴き声は聞こえませんでした。なんと、一声「ヒュー」と鳴いただけで終わり。しばらく、じっと待っていましたが、数分経っても鳴き声は聞こえず、この一声だけでした。普通、トラツグミは鳴き始めれば、鳴き続ける鳥です。長いと数10分間、鳴いてくれます。遠かったので私の動作によって警戒し鳴きやんだとは思えず、トラツグミが一声だけで鳴くことがあることがわかりました。
 というのは、過去のタイマー録音にはこのトラツグミらしい「ヒュー」が一声だけ入っているということがあるのです。とくに六義園の越冬期の録音で何度かあります。ただ、「ヒュー」と1音だけなので、ひょっとしたら人工音、あるは何かのノイズかもしれないと思って消してしまったり、あるいは膨大な音源の山のなかに埋もれてしまっています。
 かろうじて探し出しのが、これです。YAMAHA W24でタイマー録音、トラツグミの音域のボリュームを増幅、ノイズリダクションをかけています。

「scaly_thrush161016_0500.mp3」をダウンロード

 少し遠くで鳴いているためボリュームをアップして加工していますので、多少音が替わって聞こえますが、トラツグミでよろしいでしょう。録音は2016年10月16日午前5時52分、ハシブトガラスのネグラ立ちが一段落して、ヒヨドリがにぎやかに鳴き始める頃です。当日の日の出時間は5時48分、ほぼ日の出の時刻に一声鳴いたことになります。
 さえずってみたものの何かのジャマが入って鳴きやんだものなのか、それとも地鳴きの1パターンなのでしょうか。トラツグミの地鳴きは、『鳴き声ガイド日本の野鳥』に収録したTさんの警戒の声がある程度です。警戒の声は、さえずりとはまったく異なる音域、鳴き方です。私自身、トラツグミの地鳴きは、この警戒の声も含めて聞いたことがありません。
 夜活動することが多いトラツグミだけに、まだまだわからないことが多いですね。

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コメント

 日光地方はすでに大雨で、警報もでています。

 私もトラツグミの越冬期の鳴き声を確認したことがあります。

 オオコノハズクの秋の木魚鳴きが本当にあるのかということで、晩秋にタイマー録音をしていた2014年11月29日の18時過ぎに、高音の「ヒュー」と低音の「ヒュー」の連続した2声のみを記録しました。

 秋にさえずりを確認している鳥は、他にもカラ類、ミソサザイ、アオバト、オオコノハズクなど結構います。いずれもごく短期間のことが多く、聞き逃している種類が多いのかもしれません。

大雨、お見舞い申し上げます。日光は、過去の大雨で崩れているとことは崩れているので、これ以上大きな災害にならないと良いですね。
トラツグミの季節外れの1声、あるいは2声鳴きけっこうあるのですね。夜の録音で、これからも捕らえられると思います。楽しみです。

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