Audition CC 使用リポート-その1
野鳥録音の楽しみは自然のなかで野鳥たちと接し、その魅力を堪能できることあります。ただ、録りぱなし、あるいは録音したそのままの音を人に聞かせるには難があります。風の音が「ポコポコ」入っていたり、録音した人の衣擦れの音が「がさごそ」したり、「ゴーッ」というノイズのなかにかすかに鳥の声が聞こえる音を聞かされるのは困ります。人に聞いてもらえる音にするためには、編集加工を行うための編集ソフトが必要となります。
このソフトが、なかなか難題です。今やIC録音機が1万円台で買える時代になったのですが、市場の狭さのせいか音楽関係の編集ソフトはとても高いのです。もちろん、無料のものもありますが、必要な機能がそろったものは有料となります。
私は、ITと日光の自然の先生であるe村さんから、教えてもらったCool Editを長い間使っていました。今、調べたらWindows 95対応ですから、もう20年以上前になります。記憶ですが、シェアウエアで5,000円くらいだったと思います。このソフトの良いのは、波形とスペクトルの表示ができて、波形で音の強さを判断しスペクトルでノイズの様子を見て除去できることです。
ところが、Cool EditがAdobeに買収され、Auditionと名前を変えて発売されました。値段も数万円となりましたが、3.0では日本語対応となり機能も充実してまずまずのソフトとなりました。私は、をちょうど立教大学で非常勤講師をしていましたので、Audition 3.0のアカデミック版を2008年に購入、2万円ほどした記憶があります。その後、10年近く使い続けてきたことになりますから、かなり安い買い物です。
Adobeは、最近AdobeIDの所有者には、古いソフトを自由に使えるように解放しました。そのなかに、Audition 3.0も入っており録音仲間には紹介してきました。なにしろ、アカデミック版でも2万円したソフトが無料で使えるのですから、ありがたいものです。
私は、Audition 3.0の対応が基本Window7なので、去年わざわざWindow7が入っているマシンを探して買ったほどです。ところが、今年になって、Auditionで編集していると、絆創膏など囲みツールを使うと、終了してしまう症状がでるようになりました。続いて、ハイレゾをやってみようとタスカムのHi-res Editorをインストールしてからおかしくなりました。「オーディオデバイスがみつかりません」と表示され、まったく起動しなくなってしまったのです。もとから、現在の音源ボードとの相性がイマイチだったのですが、まったく起動しなくなったのははじめです。
そのため、アカデミック版を取り出し再インストールしてみると、認証ができません。いろいろ調べてみたら「無料開放しているので、そちらをダウンロードして添付のシリアルナンバーを使ってインストールしろ」ということになっていました。もちろん、サポートも終了していますから、問い合わせることもできません。この他、音源ボードのドライバーを入れ替えたり、最後は音源ボードをはずしたりしてみましたが、症状はかわりません。
ということで、解放されているシステムをダウンロードしてインストールすると、1度は起動をするものの終了させてもう一度起動させようとすると、次には起動してくれません。そのため、使うときはインストールしなおして起動させるというなんともめんどくさいことになっていましました。
ある意味、5年周期でハードもソフトも買い換えるコンピュータの世界ですから10年も使い続けることができたAudition 3.0はありがたい存在です。とはいえ、使うたびにインストールするのはたいへんなので、最新版のAuditionCCを導入しました。(つづく)
Audition 3.0のスペクトル表示の画面。40,000Hzの高音域にコウモリの鳴き声が入っているのが、わかります。
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