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2017年9月

2017年9月30日 (土)

ヒヨドリがハイになっている-六義園

連載は一時、中断です。調べたら確認したいことがたくさんあって、まとめきれません。それにしても、たった80年前のことを調べようと思ったら、なんとたいへんなことか。
 さて本日、六義園のクスノキのなかでヒヨドリがさかんに鳴き続けていました。まるで、おしゃべりをしているみたいです。
 PCM-D100で録音、2,000Hz以下の音域の軽減、ノイズリダクションをかけています。



  なんだか、ハイになっている感じです。数羽が、これから渡りをするためにテンションを上げて鳴き合っている感じがします。いつもにぎやかなヒヨドリですが、一調子高く鳴き声の間が短く聞こえます。
 黒田長久さんの本に、ヒヨドリが渡りを前にしてハイになるようなことが書かれていたと思うのですが、見つけられませんでした。『鳥類生態学』(出版科学総合研究所・1982)だと思って探しましたが記述がありませんでした。どうも、最近こういうことが多くなりました。記憶していたことを、確認しようとするとなかなか出てこないので困ります。
 同じように、記憶を確認するのに手間取っている連載の再開には、もうしばらくかかります。

2017年9月29日 (金)

日本で最初の野鳥録音・その1

 『中西悟堂-フクロウと雷』(平凡社・2017)を読んだS木♂さんから「日本で初めて開かれた須走探鳥会のことが書かれていましたが、名前はいま思い出せませんが、誰か(猪川珹でした)がコノハズクの声をレコードに録音して持参したと書かれていましたね。私は日本最初の野鳥録音は蒲谷兄弟による御岳山のコノハズクだと認識していましたが、それより前にも録音があったのか?と思い、かつ録音されたのが同じくコノハズクだったのが不思議でした。」とのメールをいただきました。
 須走探鳥会とは、昭和9(1934)年6月2、3日に行われたもので、北原白秋、金田一京助など当時の文人画人が参加、いわば日本野鳥の会の創立を記念して行われた探鳥会です。初日は天気が悪く、薄着の柳田などはカゼを引きそう。そのため早めに宿に戻り、そこでコノハズクのレコードを聞いたことになります。実は、うかつにもこのくだりを読み飛ばしていました。私は、『定本野鳥記第1巻 野鳥と共に』(春秋社・1962)でも読んでいるはずなのですが、このエピソードに気が付きませんでした。まずは、S木♂さんに感謝です。
 蒲谷鶴彦さんと芳比古さんが、自作のテープレコーダでの最初の録音は御岳山、戦後の昭和26(1951)年7月19日です。このとき、録音したのもコノハズクの声です。また、日本で最初の野鳥のレコードは、1954-5年に発売された『野鳥の声1-3』(ビクターレコード)だと思っていました。このレコードは、日本野鳥の会収録となっていますが、ほとんどが蒲谷さんの音源で構成されています。
 いずれにしても、それをさかのぼること20年前にコノハズクのレコードがあったのでしょうか。
 こういう謎解き、楽しいですね(つづく)。

2017年9月23日 (土)

ツツドリ来訪-六義園

 午前9時の開園を待って、六義園に入りました。開門前にも関わらず、双眼鏡や望遠レンズを持った人が数名待っています。もちろん、常連さんもいます。やはり、この季節は夏鳥たちの渡り狙いのバードウォッチャーやカメラマンがやってきます。
 入っていきなり、ツツドリを見つけました。順路の上を横切る電線にとまっていました。とっとと行ってしまったカメラマンは、頭の上にいるツツドリに気が付かないで素通りでした。顔見知りの方たちに教えてあげて、皆で見ることができました。私たちが集まっているので、何事かと出てきた事務所の方たちもツツドリを見ることができました。

Oriental_cuckoo170923

 六義園で渡りの季節に見つかっているホトトギスの仲間は、圧倒的にツツドリが多いのです。春も秋も出会いが多いのは、ツツドリです。今年の秋は赤色型が最初に見られ、それ以降も断続的に出現し、今日はノーマルタイプでしたから複数のツツドリが六義園を通っていることになります。

2017年9月22日 (金)

イカルの幼鳥の鳴き声-日光

 イカルの地鳴きは「キョ、キョ」と聞こえ、キツツキ類の声によく似ていると表現されます。しかし、これ以外にも短く「ピルピル」を連続する声も聞くことがあります。ただ、イカルは比較して警戒心が強いこと、良く茂った木の中にいることが多いこと、そして群れでいるので鳴いている個体を特定してリップシンクロを確認するのが難しいにが困りものです。
 この季節、今年生まれの幼鳥は頭が黒くありませんので区別できます。以前、幼鳥が鳴いているのを確認したことがあります。特有の声で「キョ、キョ」と異なりました。
 話は前後しますが、前々回(9月10日)に日光に行ったときに、イカルの幼鳥が鳴いているのを録音することができました。PCM-D100で録音、1,500Hz以下の低音のカット、ノイズリダクションをかけています。



 録音したのは大谷川の川音がうるさいため、かなり加工していますのでご了承ください。いつもの「キョ、キョ」とはが異なり「ピョ」ないし「ビョ」という感じに聞こえます。スペクトルで比較すると、1,000Hzほど低いところに声の中心があり、それが違って聞こえると思います。ただ、幼鳥の鳴き声は成長段階で変わっていきますので、これ以外の声で鳴いている場合もあると思います。
 いずれにしても、この季節限定の録音となります。
 

2017年9月19日 (火)

アオアシシギに会いに-葛西臨海公園

 台風一過の好天気に誘われて、久しぶりに葛西臨海公園にアオアシシギに会いに行きました。

Greenshank170919

 鳥類園にたどりつくと、上空を飛んでいく中型の鳥がいます。頭上を過ぎたところで気が付いたので、後ろ姿です。最初は、チョウゲンボウかと思いましたが、尾がそれほど長くなく、翼の先がそれほど尖っていません。頭に浮かんだのはヨタカです。渡りの途中、昼間飛んでいるのを見たことがありますから可能性はあると思いました。ちなみに、このあとチョウゲンボウが飛びましたが、尾の長さが違ったことは間違いありませんでした。
 ウォッチングセンターでアオアシシギを見ていると、目の前に藪に褐色の鳥がいました。藪から藪に移動していくために写真を撮ることはもちろん、なかなか特徴が掴めません。大きさはスズメより大きくオオヨシキリより小さい、背中は少し赤みのある褐色、腹は白にちかい淡色、嘴に黄色味あり、過眼線がある、足は黒くない。印象としては、のっぺりした顔で面長に見えました。
 最初はオオヨシキリかと思いましたが、顔の印象が異なります。シマセンニュウはもっと小さいしと、消去法でエゾセンニュウの名前が残りました。ただ、エゾセンニュウの渡りのコースは日本海側にあると言われており、太平洋側にいても良いのかなと言った疑問が残りました。
 秋の葛西と言えば、アオアシシギの声です。ウォッチングセンターの周辺では少なくとも4羽、多ければ6羽いたと思います。しかし、およそ1時間、待ちましたが聞こえたのは一声のみ。けっこう鳴かない鳥なのです。
 好天のなか、いろいろ出会いのあった葛西でした。

2017年9月18日 (月)

9月のタイマー録音2-日光

 9月の森で早朝の録音をしたことはありません。どうせ鳥は鳴いていないだろうと、早起きをしないためです。今回、タイマー録音を仕掛けて、けっこうさえずっている鳥もいるし、さかんに地鳴きをしている鳥もいて、生で聞いてみたいと思いました。
 今回、不思議に思ったのは地鳴き系の声の多くが高い音で鳴いていることです。そもそも、地鳴きの音域はさえずりの音域の中に入っているのがほとんどなので、いろいろあって良いはずなのです。高いというのは、ヤブサメのさえずりの音域である8,000Hz前後、あるいはそれ以上ということになります。
 タイマー録音の一部のスペクトル表示を下記にアップします。録音時間の3時間のうち、鳥の声がパターンと表れている部分を残した23分30秒をモノラルに変換しています。横軸が時間、縦がHzで、0~10,000Hzです。

2017_09_18_21_56_20_73

 ご覧のように7,000~8,000Hzにパターンがはっきり表れています。多くが、エナガ、シジュウカラ、ヒガラなどのカラ類です。ときどき、7,000Hz以上の高いパターンはヤブサメのさえずりで、地鳴きも入っているかもしれません。また、5,000~9,000Hzに縦に長いパターンは、コガラの「ニィー、ニィー」とシジュウカラの「ジュクジュク」です。
 逆に6,000Hz以下にパターンは少なく、かすかにあるのがハシブトガラスです。左のほうに比較的濃く見えるパターンは、ゴジュウカラです。
 たとえば、同じ場所で初夏に録音したコーラスには、低いツツドリやカッコウ、中ぐらいのルリビタキやキビタキ、高いエゾムシクイと、幅広い音域に鳴き声がありました。それに比べるとこのいシーズンは高い声で鳴く鳥が多いということになります。
 今回はたまたまなのでしょうが、これではせっかく早起きして生で聞いても、私には聞こえないかもしれません。

2017年9月16日 (土)

9月のタイマー録音1-日光

 今年の夏7月~9月は、日光に一週間おきくらいに通いました。天気予報を見ては、好天を見計らっての来訪です。しかし、とうとうタイマー録音を仕掛けることは、今回までできませんでした。だいたい仕掛けに行く夕方に雨が降っていたり、天気予報で夜から朝にかけて雨だったりしてチャンスを逸しました。予報がはずれて雨が降らないこともあり、くやしい思いもしました。いずれにしても雨が降るのがわかっていて録音機をむざむざ濡らすわけにはいきません。同じように、今年は調査や研究をされている方は、さぞ天候に泣かされたことと思います。
 今回、雨の予報はなく久しぶりに霧降高原にてタイマー録音を仕掛けました。いつものようにYAMAHA W24をプラスチックのケースに入れての2ヶ所に設置しました。タイマー設定は、宇都宮の日の出時刻が5時20分なので1時間前の4時30分から3時間、7時30分までとしました。
 考えてみると、タイマー録音をはじめた初期の頃に9月に霧降高原で仕掛けた以外、9月の山の中での録音はしたことがありませんでした。どんな声が入るのか、楽しみです。
 まずは、録音が始まった4時30分から1時間は、風があって凄いノイズです。幸いなことに鳥が鳴き始めた頃に風はやみ静になりました。
 まずは、メボソムシクイのさえずり。繁殖期とはあまり変わりませんでした。メボソムシクイは、もっとも遅くまでさえずっている鳥ですが9月中旬でも鳴いていることがわかりました。



  同じくゴジュウカラの鳴き声です。これをさえずりとするかは議論のあるところです。繁殖期にもよく聞く声にも警戒の声にも聞こえます。



 このほか、ヤブサメのさえずりもありました。ただ、例によって当ブログにアップするのはmp3ファイルのみ。そのため、高音で鳴く鳥の声をアップすることができませんので、ご了承ください。このほか、ヒガラもさえずっていました。
 今回、9月になっても種類によって繁殖期と同じような鳴き方をしていることがわかりました。この季節、私が日の出前後の自然のなかに身を置くことをしなかったために知らなかっただけのことですが、タイマー録音でまた知見を広げることができました。

2017年9月15日 (金)

ガビチョウが山を登っている-日光

 今週の日光行きでの発見。霧降高原のキスゲ平園地に、ガビチョウがいました。
 遊歩道でウグイスが笹鳴きをしていましたので、録音をしているとドウダンツツジの茂みのなかを大きな鳥が移動していきました。アカハラより大きくカケスより小さい鳥で、尾が長め。この場所で思い当たる鳥はいませんので、笹鳴きの録音をあきらめて、双眼鏡で確認するとガビチョウでした。
 しばらく観察をしていますと、1羽ではなく数羽いることがわかり最終的には3羽がいました。写真を撮って、あとで見ると2羽が写っておりそのうちの1羽の過眼線が短く見えます。どうも幼鳥のようです。

Hwamei170914

 あとの2羽は成鳥でしたから親子、どうやらここで繁殖した可能性があります。
  キスゲ平は、標高1,400mほど。だいたい、戦場ヶ原と同じ高さとなります。以前、記事にした大谷川の河原は標高500mほどですから、今年になって1,000m近く山を登ったことになります。鬼怒川から支流の大谷川沿いに日光に入り、鳴沢沿いに小倉山、そしていっきに霧降高原に入りました。この勢力の拡大のしかたというか、エネルギーにはある意味感心させられます。
  さえずりです。ガビチョウは秋も冬もさえずりますが、子連れでもさえずるのははじめて知りました。PCM-D100で録音、ボリュームはそのまま、2,000Hz以下のノイズを軽減、ノイズリダクションをかけています。



 最初の一節は、ソウシチョウの地鳴きの物まねのようで、ほかの部分でもこの節で鳴いていました。
 これで、来年からガビチョウの声のない早朝のコーラスが録れなくなるかもしれないと思うと、がっかりです。

2017年9月12日 (火)

イカル、秋のさえずり-日光

 思うように録音ができない鳥のひとつが、イカルです。まず、あまり鳴かない鳥です。なわばり分散が顕著でないために、さえずりを頻繁にしないし短い、さえずりポイントが決まってないので待っての録音ができないこともあります。さらには、警戒心が比較的強いため、近くで録音できないということも加えて、難題の鳥の一つです。
 とくに録音を始めた頃のDATのレコーダーでは、操作をしているうちに鳴きやんでしまうことが何度もありました。操作の早いメモリ録音機になって、イメージに近い録音が録れるようになりました。
 また、録音していてイカルは秋にさかんにさえずることを知りました。これをさえずりと言っていいかは議論のあるところです。なにしろ、群れのなかで複数羽がさえずることがあるのですから、さえずりの意味のテリトリー宣言や求愛があるのか考えさせられてしまいます。また、春の鳴き方と違いがあるのかなど、課題も多い鳥です。
 先日の日光は、ひさしぶりの晴れ。西の男体山から東の霧降高原まで、雲のかかっていない日光連山は、今シーズン初めてかもしれません。大谷川の河原で、イカルによく会いました。2羽や数羽の群れが、河畔林や河原を飛び交っています。日光では、どちらかというと別荘地からその周辺の森の鳥で、開けた河原で見るのはちょっと新鮮です。
 聞こえて来たのは、イカルのさえずり。節は短く春に聞くものとは、かなり違います。
PCM-D100で録音、-2,500Hz以下のノイズの軽減、ノイズリダクションをかけています。



 秋のさえずりと春の違いのサンプルが録れて、ネタができたと喜んでいました。しかし、帰り道、またイカルがさえずっていました。ところが、今度は春の鳴き方と同じです。
PCM-D100で録音、2,500Hz以下のノイズの軽減、ノイズリダクションをかけています。



音の高さや音質はよく似ています。だいたい2,000から3,800Hzの間に音があり、倍音がありません。節は、尻下がりで高い部分は3,800から3,000Hzに下がっています。
 違いは、最初の鳴き声は3音、それも1音目はとても短いので2音に聞こえると思います。長さは0.87秒です。次のものは7音で、いずれも明瞭で抑揚を持って尻下がりになっています。1.56秒です。音の多さ、長さともほぼ倍となります。
 短いさえずりのほうは姿は見えませんでしたが、長いほうは成鳥であることは確認できました。幼鳥、成鳥の違いなのか、それとも状況の違いなのでしょうか。いずれにしても、秋に春と同じように鳴くイカルがいるわけで、春と秋の違いがあるかどうかもわからなくなりました。

2017年9月11日 (月)

ウグイスの初地鳴き-日光

 日光、大谷川の河原にはちょっとした河畔林があります。藪が生い茂り、その中からウグイスの”笹鳴き”が聞こえて来ました。今シーズン初めての地鳴きです。
 PCM-D100で録音。1,500Hz以下の低音ノイズの軽減、ノイズリダクションをかけています。



 ウグイスとの距離は2mほど。大谷川の流れの音があるなかでの録音ですから、これが限界かなといったところです。
 笹鳴きの録音は9月8日、9日も同じところで鳴いていました。8月25日頃までは、このあたりでさえずりが聞こえていましたので、同じウグイスがさえずりから地鳴きに鳴き方を変えたと思います。その間、2週間といったところでしょうか。
 日光でのもっとも早い地鳴きの記録は、8月16日。ただ、姿が見えないので幼鳥の可能性もあります。おおむね、地鳴きがさかんに聞かれるのは10月になってからで、9月は早めの記録の印象です。
 春になると良く初囀、初鳴きの記録を競います。地鳴きの初鳴きも記録すべきかなと思いました。

2017年9月10日 (日)

アオゲラの課題-日光

 もうさえずる鳥もいませんので、録音の成果をまったく期待しないで日光に行って来ました。ところが、いろいろな出会いや発見がありました。
 まず、JR日光駅の近くの国道には、沿道最後の杉並木があります。そこから、アオゲラの声が聞こえてきました。PCM-D100で録音、1,500Hz以下のノイズの軽減、アオゲラの音域のボリュームアップ、ノイズリダクションをかけています。



 アオゲラとの距離は、5,60m離れています。国道沿いですから、自動車が通っています。また、エンジン式の草刈機の音も近くでします。最悪のコンディションでの録音ですから、かなり加工しています。音源は8分ほどありますが、その前後でも鳴いていたので15分くらい鳴き続けていました。だんだん声が小さくなりましたので移動はしていると思いますが、その距離は数10mの範囲です。
 この鳴き声は「アオゲラの雄、繁殖期の声」として認識していました。この声は、3~4月の早春の頃に聞くことが多く、最初は声の主がわからず不明としていました。アオゲラの雄が、この声で鳴いているのを見て確認した次第です。この頃は、ドラミングのさかんに行われますので、ドラミングは縄張り宣言、この鳴き声は雌へのアピールと違いがあるのではないかと勝手に推測しています。
 ですから、秋に鳴くとは思っていませんでした。多くの鳥が、秋にもさえずります。ですから、秋にアオゲラが春と同じような声で鳴いても不思議ではないことになります。日光では、アオゲラはどちらかというと少ない鳥です。そのため、観察はもちろん録音する機会は多くはありません。秋の声も雄が出しているのかなどの確認は、これからのこと。新しい課題となりました。

2017年9月 7日 (木)

『朝の小鳥』スタジオ収録-2ヶ月分

 昨日は、文化放送にて『朝の小鳥』のスタジオ収録でした。
 めでたい都合とめでたくない都合が重なって、2ヶ月分の収録です。10月は日曜日が5回あるので、シナリオと音源は9回分。文化放送の5分バージョンと地方局の4分バージョンを合わせて18回分の収録となりました。
 私が担当になって2ヶ月分の収録は初めてで、ちょっと緊張いたしました。蒲谷鶴彦先生の時代には、先生の海外取材などでときどきありました。また現在、他の番組でも出演者の都合で集中して収録することはあるようで、放送局としては特別なことではないようです。いずれにしても、早めに始まって遅めに終わり、いつもの倍の時間がかかっただけで無事に収録が終わりました。
 10月の放送内容は、東京都足立区にある舎人公園の野鳥たちです。とにかく広い公園なので、行けば1万歩を越える歩数が稼げます。現在、もっとも鳥の影の濃いバードサンクチュアリは工事中なのがちょっと残念。ただ、なかほどにある池の周りを歩くだけでも、いろいろ発見のある公園です。
 11月は、秋からの冬にさえずる野鳥たちです。さえずりと言えば、春のイメージです。しかし、録音をはじめて秋から冬にさえずる鳥が意外と多いことに気が付きました。サンプル数が増えれば、秋と春のさえずりの比較などしたら面白いと思っています。まずは、どんな鳥たちが秋にさえずるのか、ご紹介です。

2017年10月  舎人公園の野鳥たち
10月 1日 ヒヨドリ
     8日 クイナ
   15日 カワセミ
   22日 ジョウビタキ
   29日 コガモ

2017年11月 冬にさえずる鳥
11月 5日 セグロセキレイ
    12日 ヒバリ
    19日 ホオジロ
    26日  シジュウカラ

2017年9月 3日 (日)

待望の『六義園の庭暮らし-柳沢信鴻「宴遊日記」の世界』

 以前より楽しみにしていた『六義園の庭暮らし-柳沢信鴻「宴遊日記」の世界』をさっそく入手、読了しました。

Rikugien170903

 わがフィールドの六義園については、資料や書籍があまりありません。おかげで、ちょっと調べたり確認しようと思うと苦労します。江戸時代に記録され1977年に活字本として発行されていた「宴遊日記」の存在自体を知ったのも、21世紀になってからのことです。
 「宴遊日記」は、柳沢信鴻(のぶとき)の個人的な記録です。信鴻は、六義園を造園した柳沢吉保の孫、津山藩の大名でしたが、50才で隠居し六義園で暮らします。その間の1773年(安永2年)から1792年(寛政4年)まで、69才で亡くなるまでの記録の一部です。基本、個人の備忘録なので「誰から○○をもらった」「○○を上げた」という記述が目に付きます。それと、歌舞伎の好きな殿様なので、その日の演目から出演者、感想までを記録しています。そのため、三一書房の『日本庶民文化資料集成』の13巻「芸能記録(2)」に収録されていました。もし、自然系や『甲子夜話』のように日記という分野に入っていたらもっと早く見つけることができたと思うのですが、芸能資料までは手を伸ばしきれませんでした。
 いずれにしても、江戸の20年間の天候から天変地異まで、記録されている膨大な資料となります。研究者のなかには、この日記の中から信鴻の女性関係だけを引き出して、一冊の本を書いているほどです。
 著者の小野佐知子さんは、『江戸の花見』(1992年・築地書館)で初めて知りました。それまで江戸のことを調べたいと思っていたのですが、とっかかりが掴めないで困っていました。『江戸の花見』から『東都歳時記』や『江戸名所花暦』などの資料があることがわかりました。今思えばメジャーな資料なのですが、そんなことも最初はわからなかったのです。おかげで、霧に覆われていた資料探しが、いっきに晴れた感じがしたものです。
 それだけに、出版情報を得てから手にするまで楽しみにしていました。
 内容は、期待通り。江戸時代の六義園の風景から信鴻の生活のようすまで、よくわかります。本日、この本を読んでから初めて六義園を歩いてみました。ここで、信鴻がハツタケを採ったかも、このあたりのマツの手入れをしたはず、ここでトキが巣作りしていた、クリの実をたくさん採っていたからクリの木が多い武蔵野の雑木林のような風景だっただろうなあなどと思いを巡らすことができました。
 この本を読んで六義園を歩けば、気分はお殿様です。

『六義園の庭暮らし-柳沢信鴻「宴遊日記」の世界』
小野佐和子・著
252ページ
平凡社
アマゾンのURL。
https://www.amazon.co.jp/%E5%85%AD%E7%BE%A9%E5%9C%92%E3%81%AE%E5%BA%AD%E6%9A%AE%E3%82%89%E3%81%97-%E6%9F%B3%E6%B2%A2%E4%BF%A1%E9%B4%BB-%E5%AE%B4%E9%81%8A%E6%97%A5%E8%A8%98-%E3%81%AE%E4%B8%96%E7%95%8C-%E5%B0%8F%E9%87%8E-%E4%BD%90%E5%92%8C%E5%AD%90/dp/4582544592/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1504431513&sr=8-1&keywords=%E5%85%AD%E7%BE%A9%E5%9C%92

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