トラツグミの3段階鳴き
近くの公園のトラツグミが昼間も鳴いていると、M上♂♀さんからの情報。さっそく行ってみると、手招きするM上♀さん。急ぎ足で駆けつけてると、トラツグミが鳴いていました。
録音を開始、4分ほどのファイルとなりました。家に帰ってブログ用に編集していて気が付きました。なんと、このトラツグミは三段階の音を出しているのです。
PCM-D100で録音。トラツグミの部分の音域をボリュームアップ。1,400Hz以下の低音ノイズの軽減、全体にノイズリダクションをかけています。
「scaly_thrush180331_001e.mp3」をダウンロード
音の高さと音量の違いは、下記の通りです。
低い音 1,400~1,800Hz およそ14db
中ぐらいの音 2,700~3,100Hz およそ21db
高い音 5,300~5,700Hz およそ30db
となります。高い音は、多少の上下がありますが、いちばん多いパターンの数値です。いずれの音の高さ幅は、約400Hzとほぼ同じです。低い音と中ぐらいの音の差は1,300Hz、中と高では2,600Hzとほぼ倍の違いがあります。また音量は、高い音ほど少なく私にとっては聞こえづらい音となっていました。
トラツグミは、1音を続けて鳴くか、2音を交互に出して鳴くというのが、図鑑通りの鳴き方です。相鳴鳥という異名があるので、雌雄が鳴き合っている、あるいは縄張りが隣接する雄同士が競って鳴いているなどの説もあります。そもそも1羽なのかそれとも2羽なのか議論のあるところです。たとえば、1羽が2音を出している動画があると思えば、高低の音がかぶっていることもあるという矛盾する情報があって、なんとも難題です。
しかし、3音で鳴くという記述、あるいは音源に出会ったことはなく、私自身録音はもとより聞くのは初めてです。
また、鳴き方には規則性があるようでないような感じでした。アップした音源では、中・低・高・低・高・低・高・低・中・中・低・高・低・・・という順序です。私には高い音が聞こえませんでしたので現場では「ずいぶん間が、まちまちだなあ」と思っていました。間があると思っていたところには、高い音があったことになります。ですから高低の音が聞こえる方向に違いがあったかは不明、ただし波形で左右のチャンネルの違いを見るとほぼ同じで同じ方向から聞こえていたことになります。
高い音は、音量が低いので遠くで鳴くと聞こえないでしょう。録音していても、入らないかもしれません。本日は、鳥との距離はおそらく20m前後、近いがために録音できたのかもしれません。
いずれにしても、これからトラツグミの声が聞こえたら3音鳴きがあるのか、ご注意いただければと思います。
M上さん、ありがとうございました。
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いつもおもしろい話題をありがとうございます。
トラツグミの声が3声あるということで、ついこの前(2018.03.24)録音した音声ファイルの声紋を見てみました。なるほど、1.6KHz,3.7KHz,5.1KHzあたりに分かれています。音声データを上のURLに置きました。声紋は、http://bit.ly/2pY9AY7
です。
当地(神奈川県大磯町)ではトラツグミは冬鳥ですが、鳴いた個体は渡りの最中かもしれません。
翌週(2018.04.01)、茨城の常陸太田でもトラツグミの声を聞きました。この中にも2分の声の中に一回5.1KHzの声がありました。
なかなかおもしろい。この時期だけのものでしょうかね。
投稿: 大坂英樹 | 2018年4月 3日 (火) 23時07分
大坂英樹様
コメント、ありがとうございます。
私自身、初めての体験でしたのでこれは大発見と思っていたら、けっこう皆さん、体験されているのですね。
S木♂さんの「野原から」でも、すでにブログにアップされていました。http://blog.livedoor.jp/gnohara/archives/8927787.html
こちらも4月の録音で、大坂さんのおっしゃる通り、さえずり始め特有の鳴き方もしれませんね。
投稿: まつ | 2018年4月 4日 (水) 07時53分