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2018年3月

2018年3月31日 (土)

トラツグミの3段階鳴き

Scaly_thrush180331

 近くの公園のトラツグミが昼間も鳴いていると、M上♂♀さんからの情報。さっそく行ってみると、手招きするM上♀さん。急ぎ足で駆けつけてると、トラツグミが鳴いていました。
 録音を開始、4分ほどのファイルとなりました。家に帰ってブログ用に編集していて気が付きました。なんと、このトラツグミは三段階の音を出しているのです。
 PCM-D100で録音。トラツグミの部分の音域をボリュームアップ。1,400Hz以下の低音ノイズの軽減、全体にノイズリダクションをかけています。

「scaly_thrush180331_001e.mp3」をダウンロード

 音の高さと音量の違いは、下記の通りです。
 低い音 1,400~1,800Hz  およそ14db
 中ぐらいの音  2,700~3,100Hz  およそ21db
 高い音 5,300~5,700Hz  およそ30db
 となります。高い音は、多少の上下がありますが、いちばん多いパターンの数値です。いずれの音の高さ幅は、約400Hzとほぼ同じです。低い音と中ぐらいの音の差は1,300Hz、中と高では2,600Hzとほぼ倍の違いがあります。また音量は、高い音ほど少なく私にとっては聞こえづらい音となっていました。
 トラツグミは、1音を続けて鳴くか、2音を交互に出して鳴くというのが、図鑑通りの鳴き方です。相鳴鳥という異名があるので、雌雄が鳴き合っている、あるいは縄張りが隣接する雄同士が競って鳴いているなどの説もあります。そもそも1羽なのかそれとも2羽なのか議論のあるところです。たとえば、1羽が2音を出している動画があると思えば、高低の音がかぶっていることもあるという矛盾する情報があって、なんとも難題です。
 しかし、3音で鳴くという記述、あるいは音源に出会ったことはなく、私自身録音はもとより聞くのは初めてです。
  また、鳴き方には規則性があるようでないような感じでした。アップした音源では、中・低・高・低・高・低・高・低・中・中・低・高・低・・・という順序です。私には高い音が聞こえませんでしたので現場では「ずいぶん間が、まちまちだなあ」と思っていました。間があると思っていたところには、高い音があったことになります。ですから高低の音が聞こえる方向に違いがあったかは不明、ただし波形で左右のチャンネルの違いを見るとほぼ同じで同じ方向から聞こえていたことになります。
 高い音は、音量が低いので遠くで鳴くと聞こえないでしょう。録音していても、入らないかもしれません。本日は、鳥との距離はおそらく20m前後、近いがために録音できたのかもしれません。
 いずれにしても、これからトラツグミの声が聞こえたら3音鳴きがあるのか、ご注意いただければと思います。
 M上さん、ありがとうございました。
 

2018年3月30日 (金)

カイツブリのよく聞くの声はデュエット

 先日の芝川では、岸辺に録音機をしばらく置いて環境音を録音しました。そのなかに、カイツブリの鳴き声がよく入っていました。音源を聞いてみると、静なものと賑やかに鳴いている2つの鳴き方があることに気が付きました。
 まずは、聞くことの多い賑やかな鳴き声です。YAMAHA W24で録音、1,000Hz以下のノイズの軽減、ノイズリダクションをかけています。

「little_grebeduet170327_1040.mp3」をダウンロード

 次に静かめな鳴き方です。あまり聞いたことがありません。録音と編集の条件は、同じです。

「little_grebesolo.mp3」をダウンロード

 今まで、何度もカイツブリの鳴き声を聞いていたのですが、この違いに気が付きませんでした。
 これを声紋で見てみます。
 最初は、賑やかな鳴き方の声紋です。見やすいようにモノラルに変換しています。縦軸は、およそ下が900Hz、上が5,500Hz、横軸は7.8秒ほどです。

Little_grebeduet

 よく見ると、尖った山型のパターンが複雑に重なり合っていることがわかります。モンゴルのホーミーのように一度に違う音を出すことができる鳥もいますが、2羽が鳴き合っているデュエットしていると考えて良いでしょう。観察しているとこのような声が聞こえるときは、2羽が並んでいることからもデュエットでよろしいかと思います。
  次に、静かめに鳴いている時の声紋です。表示設定は上掲と同じです。

Little_grebesoro

 尖った山型が重なっていません。
 聞き慣れたカイツブリの鳴き声は、デュエットでした。カイツブリの雌雄は、わかりにくいので判断が難しいですが、雌雄が鳴き合っていると考えて良いでしょう。おそらく雄が鳴くとそれに重ねるようにすぐに雌が鳴いて、デュエットを構成しているのでしょう。
 このタイミング良く声を重ねることで雌雄の結びつきの確認、あるいはを絆を強くする効果があるのでしょう。さらに、2羽で鳴くことで大きな音になり、より広くなわばりを主張する効果があると想像しています。
  

2018年3月27日 (火)

ヒクイナが鳴いた-芝川第一調節池

 やはり暖かくなると、録音に出かけたくなります。本日は、埼玉県の芝川第一調節池に行きました。空が広い環境にいるだけでも気持ち良いです。日向を歩いていると暑いくらいの天気でした。
 島のカワウのコロニーでは、雛がかえったようで賑やかです。アオサギの巣作りも見えます。キンクロハジロの群れは、泳ぎ回っています。皆、春を迎えて忙しそうでした。
 ヨシ原からヒクイナの鳴き声が聞こえてきました。ちょうど、先週『朝の小鳥』の音源作りで兵庫県のヒクイナの声を編集したばかりです。鳴き声は、気が付いてからすぐに録音して6分20秒のファイル、7分ほど鳴き続けていました。
  PCM-D100で録音。ヒクイナの声の部分のボリュームをアップ、1,500Hz以下のノイズの軽減、ノイズリダクションをかけ、環境音をミキシングしています。

「ruddybreasted_crake180327mix.mp3」をダウンロード

  兵庫県でヒクイナの声を録音して実感したのは、なかなかテンポが速くならないということ。CDによく入っている「キュルルルル」は、あまり鳴かないのです。たとえば、兵庫では、約20分の録音で「コッ、コッ」と連続して鳴き、「キュルルル」は2回だけでした。
 今回の芝川では、早く鳴きそうになりましたが、テンポが戻ってしまいました。「キュルルルル」は、聞いていると感極まった感じです。まだ、春浅いので本調子でないのか、あるいは周辺に競争相手がいないので本格的に鳴かないのかもしれません。
 ヒクイナの声を録音しようと、大久保農耕地や渡良瀬遊水地に通いましたが録れず。兵庫県ではヒクイナの生息密度が高かったのですが、それでも思うような鳴き声が録れたのは、2年通ってのこと。いずれにしても、関東地方でヒクイナの鳴き声を録音できたのは初めてです。

2018年3月24日 (土)

トラツグミが鳴いた

 今年の冬は、近くの公園にトラツグミが滞在してくれて、楽しませてくれています。
 そろそろさえずるのではないかと、昨夜からタイマー録音を仕掛けてみました。さえずるのは雄だけでしょうから、確率は50%。見る限り少し小型のトラツグミなので、雌の可能性もあります。あわよくば鳴いてくれればと、ダメ元で仕掛けました。
 今日の日の出時間は午前5時39分、そのためタイマー設定は4時30分から7時30分までといたしました。ハシブトガラスは、あいかわらず早起きで4時47分には鳴き始めています。シジュウカラがさえずり始めたのは、5時18分。そして、その20秒後にトラツグミが鳴いてくれました。
 YAMAHA W24で録音。トラツグミの音域のボリュームをアップ、ノイズリダクションをかけています。

「scaly_thrush1803241.mp3」をダウンロード

 鳴いたのは、わずか1分7秒、16回鳴きました。その前半部分の一部です。面白いことに多くの鳴き声が1,800~2,000Hzの高さなのですが、1声だけ5,500~6,000Hzという高い音をだしています。ウグイスの「ホー」の高さから、いっきにアオジの地鳴きの「チッ」の高さの音になったと言えます。
 トラツグミは高低2音を出しますが、高い音が4,000Hz前後です。私の録音では新記録の高さです。まださえずりはじめのため、練習のためかもしれません。それにしても、あわよくばと思って仕掛けたタイマー録音、こんなにもうまくいくとは思ってもみませんでした。

2018年3月22日 (木)

六義園のシダレザクラ-回復か・追記あり

 今年の六義園、花の開花は例年と異なります。まだ、ウメの花が残っているのにシダレザクラがほぼ満開、シダレザクラが散り始めるとソメイヨシノが咲くのですが、もう咲いています。また、コブシの花はサクラ類より早いのですが、今日やっと咲き始めました。このほか、いつもと違う順番です。一つに去年の夏、雹被害の影響があると思いますが、このところの寒さと暖かさの大きな変化も影響しているでしょう。
 去年、上半分はほとんど花が咲かなかった名物シダレザクラの花付きが気になって、やっと晴れた今日の午後に行ってみました。

Rikugien1813221_2

 見る限り、上まで花が付いています。初めて見る人は、きっと素晴らしいと思うことでしょう。

Sidare1703301

 去年の悲惨な状態です。ここから、回復しています。

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 ただ、以前の写真と比べると花の数が少なくなっているのがわかります。まだ、満開までの間がありますが、それを割り引いてもちょっと寂しい感じがします。上は2004年3月26日に撮影したものです。
 ただ、去年に比べて復活していることは間違いありません。下は去年、花の付かなかったほぼてっぺんにある枝です。

Sidare1703302

  今年は、同じ枝に花が付いています。ただ、まだ花を付けていない枝があります。

Rikugien1813222

 原因は、去年多かったアトリに花芽を食べられたかもからネコブセンチュウの被害、あるいはそもそも寿命、さらにこれらが複合的に作用した可能性もあります。去年は、とくに雹の被害があって一度葉を落としてまた葉を新たに出すなど、シダレザクラにとって負担が加わりました。
 六義園では、鳥よけのテグスを張るなどしましたが、今年はアトリは来ませんでした。また、土の入れ替えや薬剤の注入などの大規模な手立てはしていないとのこと。ただ、見ている限り、夏の水やりなどこまめに行っていたように思います。いずれにしても、職員の方々に見守られて元気になった感じがします。
 いずれにしても、今年も花を咲かせてくれ、来園者を楽しませてくれることは間違いありません。

追記
 本日(3月25日)、ほぼ満開となった状態のシダレザクラです。2004年に比べると白く見えるのは、カメラが違うせいもありますが、白っぽいです。また、花の間から黒い枝が見えるところが多くて、花の量が少ないことがわかります。

Rikugien180325


2018年3月21日 (水)

『朝の小鳥』スタジオ収録-4月は秋川渓谷の鳥

  本日は、文化放送にて『朝の小鳥』のスタジオ収録でした。4月は5週あるので5本録りのため、30分早めのスタート。順調に進みましたので、いつもより早く終わりました。
 4月は去年、訪れた東京都あきる野市にある秋川渓谷の野鳥たちです。いままで3声の音源したなかったミゾゴイですが、タイマー録音でとらえることができました。クロツグミ、ヤマガラもタイマー録音に入っていたものです。
 ところで、ヤマガラのネタといえば昔、縁日でおみくじ引きを取り上げようと思いました。でも、もう若い人は知らないだろうなあと思って、おみくじ引きの話はシナリオに盛り込みませんでした。やはり若いN場さんは、ご存じなくひとしきり説明いたしました。説明をお聞きいただければ、面白い話題とご理解いただけました。しかし、番組の中で300字くらいで解説するのはやはり難しいですね。
 これから野外の探鳥会でのネタも、いろいろ新しくしなくてはならないと思ったしだいです。

2018年4月 放送予定
  1日  キセキレイ
  8日  クロツグミ
 15日  ミゾゴイ
 22日  アオバズク
  29日  ヤマガラ

 来年度4月以降、『朝の小鳥』が放送されるラジオ局をお知らせいたします。どうぞ、試聴可能な地域にお住みの方は、ぜひお聞きいただければ幸いです。
 文化放送 日曜日 5:20~5:25
 東北放送 土曜日 6:25~6:30
 茨城放送 日曜日 6:00~6:05
 新潟放送 金曜日 5:15~5:20
 朝日放送 土曜日 5:00~5:05
 琉球放送 土曜日 5:55~6:00

2018年3月19日 (月)

昔、カモの脇腹は灰色だった

 昨日訪れた皇居の凱旋堀では、ヨシガモが近くで撮れます。先日の来訪では、良い天気のため頭のエメラルド色が輝いていました。できたら、明るい曇りくらいでしっとりとした色あいで撮りたいと思っての昨日の再訪です。

Falcated_teal180318_4

 ヨシガモをファインダーで見ていると、頭のエメラルド色の美しさはさることながら、全体の模様の妙はまるで工芸品のようです。オバさんたちが「きれいなカモね。オシドリだわ」と言いながら通って行ったのも無理はありません。
 気が付いたのは、ヨシガモの脇腹にある虫喰い模様の美しさです。バードウォッチャーだとムシクイには模様はないと思ってしまうかもしれませんが、青虫が葉を食べた跡、あるいはシミが本を食べた跡のような模様を言うのだと思います。白地に黒いジグザグの細かい模様です。ヨシガモの場合、胸のほうの青海紋のような鱗模様で、それがだんだん虫喰い模様になっていくというなんとも不思議なパターンです。なんで、このような模様になったのか、想像もできません。
 私が学生時代、カモ類をよく見ていたのは千葉県の印旛沼です。当時は、狩猟が可能であったために、カモ類は陸から遠い水面にいました。そのため、コーワのプロミナーで波の間に間にいるカモを識別して数えたものです。たとえば、ホシハジロにも脇腹に虫喰い模様がありますが、遠いので灰色に見えました。その後、上野不忍池にホシハジロが増えて、近くで見ることができるようになって、はじめて脇腹が虫喰い模様であったことに気が付きました。
 その頃、たしか高野伸二さんだと思いますが「今度の新しいレンズは、虫喰い模様が撮れる」と言ったのをかすかに覚えています。当時の望遠レンズでは、灰色にしか撮れなかったのです。たとえば、高野さんが1978年に手がけた『野外ハンドブック4 野鳥』(山と溪谷社)のホシハジロの脇腹は灰色に写っています。使用したレンズはタクマー400ミリとなっています。いっぽうヨシガモは虫食い模様がわかり、ニッコール800ミリです。撮影者はいずれも高野さんではありませんが、この違いを言ったのかもしれません。レンズの善し悪しの判断をカモ類の虫食い模様が撮れるかで判断した時代があったのです。
 ちなみに前回のヨシガモの記事の写真は縮小しているので灰色に見えます。今回は、縮小率を下げているので虫食い模様がわかります。このように、昔は灰色に見えたことになります。

2018年3月18日 (日)

オカヨシガモの鳴き声-皇居凱旋堀

 先日のお堀でのバードウォッチングは平日。日曜日ならば交通量も少なく、録音のチャンスがあるかもしれないと、再度訪れました。有楽町から桜田門方面に歩いて凱旋堀に向かいます。残念なことに交通量は、ほとんど変わりません。かえって休日のためにランナーが多くてにぎやかです。それに、丸の内警察署の解体工事は、日曜に関わらず「ガンガン」やっています。
 それではと、撮影モードに切り替えてヨシガモの写真を撮ることにしました。しばらく見ていると、ときどきオカヨシガモの鳴き声が聞こえてきました。声は、対岸の石垣の近くに10羽くらい集まったオカヨシガモの群れの中から聞こえてきます。ただ、私が移動している間に、群れがバラけて鳴かなくなりました。どうも、集まると鳴き合うようで散ってしまうと鳴くことはなくなります。
 それならばと、録音機を足下に置いて録音をしっぱなしにしておきました。車の音が少ないところで、鳴いてくれたのはわず5声。ともかく街の騒音の中でも録音ができることがわかりました。
 PCM-D100で録音。1,500Hz以下のノイズのカット、オカヨシガモの声の部分を増幅、全体のボリュームのアップ、ノイズリダクションをかけて、同じファイルの静かめの環境音をミキシングしています。

「Gadwall180318_002mix.mp3」をダウンロード

 オカヨシガモの録音には、かなり苦労しました。幕張海岸のゴミ処理場の排水に集まるという情報を得て行ったり、オカヨシガモの多かった小石川後楽園にも行きました。いずれも鳴いてくれず、あるいは遠くて周りの騒音にかき消されたりしてしまってコンディションの良い音は録れませんでした。録音できたのは葛西臨海公園の上の池で、このときはディスプレイをしてくれました。
 オカヨシガモの声を例えるならば、深みのある濁った声。ハスキーボイスです。姿同様、渋い声です。 

2018年3月16日 (金)

カッコー時計-リズム時計工業株式会社

 しばらく前、ネット上で「日本のハト時計の音は、カッコウの鳴き声のことも。海外ではカッコウ時計と言っているのに、なぜ日本ではハト時計と言うのか」と、話題になったことがあります。なかには、カッコウの声で顔を出すのはハトであったり、いろいろ突っ込みどころがあります。なんでも、日本ではカッコウ=閑古鳥を連想し縁起が悪いのでハト時計になったとか。
 さて、今やデジタルの時代。時計から聞こえるカッコウの声も電子音、多くは合成された音です。先日、訪れたリズム時計工業株式会社(以下、リズム)の掛時計は、アナログで音を出していることを教えてもらいました。
 せっかくだからということで、音の出る仕組み、機構を見せてもらいました。実際は、機械が動かしますが、手動で実験してもらいました。

Rhythm20180302

 基本は、ふいごのような部分が上下をして笛の部分へ空気を送り音がでる仕組みです。写真では白い部分が、ふいごです。ふいごは、いろいろ素材を試した結果、和紙が丈夫で良い音が出ることがわかり、今でも和紙を使っているこだわりようです。
 空気がでるのは前の黒い部分にあるスリットです。カッコウは2つの音の高さが異なるので、その違いを右の人差し指が調整しているレバーで変化をつけます。「カッコー」という音を出すだけのために、これだけの機構が組み入れられていることになります。
 では、その音。PCM-D100で録音。ボリュームの調整、プチノイズの削除、600Hz以下のノイズの軽減をしています。

「rhythm180302_001.mp3」をダウンロード

 いかがでしょうか。カッコウの声特有の柔らかさが再現されていると思いました。声紋で見ると、最初の音が800~1,000Hz、二つ目の音が600~800Hzと尻下がりに鳴いているのがぴったりと一致していました。ただ、最初の音の声紋パターンが異なるので、カッコウを聞き慣れた方には、違和感があるかもしれません。
 しかし、手動で鳴らしてくれたリズムのI内さんは、軽井沢在住でカッコウを聞き慣れているだけにテンポはそっくり。会議室のなかが高原になった感じです。
 ちなみに、これだけこだわってカッコウに似た音を出しているのですから、リズムの時計はハト時計ではなくて、カッコー時計という商品名で売られています。
 リズムさんには、企業秘密に近い話を聞かせていただきありがとうございました。

2018年3月14日 (水)

ヨシガモ観察とハクセキレイのさえずり-皇居凱旋堀

 本日は、以前から懸案の皇居のお堀にいるヨシガモを見に行きました。
 有楽町駅から歩けばカモメ類のいる日比谷堀ものぞけると思ったのですが、カモメ類はゼロ。キンクロハジロ3羽とカイツブリが2羽ぽつんと浮かんでいるだけでした。これは、カモ類もあやしいと思い足が早くなります。しかし、その心配は無用、凱旋堀にはヨシガモの雄は10羽ほど。さらにオカヨシガモも同じくらい。このほか、ハシビロガモ、ヒドリガモ、オオバン、カワウ、そしてカイツブリは巣ごもり中でした。
 よく見ると凱旋堀には、水草がたくさんあって植物食のカモ類が集まる理由がわかります。気が付くと、ヨシガモの雄がすぐそばまで来てくれました。

Falcated_teal180314

 今まで、こんなに近くで見たことがあったでしょうか。広い池や湖のまんなかにいるヨシガモを望遠鏡で、なんとか識別するというのは今までの出会いでした。顔のメタリックな緑色と茶色が顔の向きによって変化して行く様子や脇腹の虫食い模様まで、たっぷりと堪能できました。
  あわよくば、ヨシガモやオカヨシガモの鳴き声が録れたらといちおう録音機は持ってきていました。しかし、鳴かないです。それに、内堀通りを通る自動車は途切れることはありません。録音は無理とあきらめて観察モードでいると、足下にきたハクセキレイがつぶやくように鳴きました。PCM-D100で録音。ボリュームのアップ、2,500Hz以下のノイズを軽減しています。

「blackbacked_wagtails180314_001.mp3」をダウンロード

 さえずりでよろしいでしょう。自動車の騒音のなかでかき消されてしまいそうですが、ハクセキレイとの距離は2mほどしか離れていません。ここまで録れるということでのアップです。なお、ノイズリダクションはかけていません。自動車のノイズは取りきれませんので、ノイズリダクションをかけると不自然なノイズになってしまうからです。
 道路際の雰囲気のノイズを残しての編集ですが、難しいですね。

2018年3月11日 (日)

ウグイスのさえずり練習-六義園

 ウグイスがさえずり始めたと常連さんたちから教わっていましたが、なかなか遭遇することができませんでした。六義園では下草、とくにササを刈ってしまったのでウグイスが減ってしまったことがあります。
 今日の散歩では、やっとウグイスのさえずりを聞くことができました。ただし、まだ練習中でした。PCM-D100で録音。ボリュームのアップ、2,000Hz以下のノイズのカット、ノイズリダクションをかけています。

「Bush-Warbler180311_002.mp3」をダウンロード

 最盛期のさえずりとは異なり、おぼつかない節回しです。そして、声量は低く小さな声でした。2,3mしか離れていないと思いますが、大きく録ることはできません。また、声と声との間は短く、頻繁に鳴いています。その替わり長く鳴くことは無く、1分ほどで鳴きやんでしまいました。
 今日は、日が出ないと寒くて冬の装備でちょうど良いほど。でも、ウグイスの声を聞くと春が来たことを実感できます。そしてなによりも、日本庭園にはウグイスのさえずりが良く似合います。 

2018年3月 8日 (木)

『東京人』4月号にオースティン博士の写真

 書店で見つけた今月号の雑誌『東京人』の特集は、「写真の力」でした。

Tokyojin180307

 早速買い求めたのは、巻頭グラビアにオリバー・L・オースティン博士が撮影した写真が載っていたからです。オースティンは戦後、GHQの天然資源局野生動物課長として日本に滞在しました。当時、日本の鳥類の現状を見てまわり、その後かすみ網の撲滅など保護の礎を築きました。山階鳥類研究所や中西悟堂への援助を行い、日本鳥類保護連盟の創立など、戦後日本の鳥類研究、野鳥保護に影響を与えた人物です。
 そのオースティンが滞在中に撮影した写真が見開きで、5点ですが収録されています。
 そのうちの1枚、昭和23,4年頃の撮影の「赤坂黒田邸から国会議事堂を望む」は、当時平屋のお屋敷の前に並んだ黒田長久さんと奥さん、そして庭の向こうに国会議事堂が写っています。今ではビルに囲まれた黒田家がいかに国会議事堂に近いところにあったのかよくわかる写真です。
 長久さんが、34、5才の頃となります。私が存じ上げている長久さんは60才中頃からで品の良いお爺さんという感じでしたが、若い頃はなかなかのイケメンであることがわかります。
 おそらく、戦災で屋敷は焼け、建てたばかりの家なのでしょう。庭は、造成中という感じです。私が、1970年代になって何度かお邪魔した黒田家の造りとは違いますので、その後さらに建て直したことになります。
 なお、北の丸にある昭和館では、「希望を追いかけて ~フロリダ州立大学所蔵写真展~」と題し、 オースティンの撮影した写真の企画展が開催されます。『東京人』の記事によるとその数70点とか。当時の日本の風景とともに、鳥類関係者の若き日の姿を見つけることができるかもしれません。
 詳しくは、下記URLで。http://www.showakan.go.jp/events/kikakuten/index.html

 『東京人』のアマゾンのURL.
https://www.amazon.co.jp/%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E4%BA%BA-2018%E5%B9%B4-04-%E6%9C%88%E5%8F%B7-%E9%9B%91%E8%AA%8C/dp/B079B2ZDK1/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1520410599&sr=8-1&keywords=%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E4%BA%BA

2018年3月 6日 (火)

ワイルドライフアート協会展-新宿御苑

 昨日より「ワイルドライフアート新宿御苑展2018」が開催されています。テーマは、”日本の四季と生きもの2”です。

Jwls20180306

 本日、行って来ました。今回は、作品が多いですね。聞いたら70点を超える作品が集まったそうで、広い会場の展示スペースがいっぱいでした。なかには、今まで作品を寄せたことのない方も出展しているとのことで、新鮮な作品がたくさんありました。
 新宿御苑でバードウォッチングの後に、あるいはお近くにお出でのせつは、ぜひお立ち寄りください。

会期:2018年3月6日(火)~3月11日(日)
   9:00~16:30(最終日は15:00まで)
会場: 新宿御苑インフォメーションセンター1Fアートギャラリー
入場無料です。
日本ワイルドライフアート協会のURL。
http://www.jawlas.jp/

2018年3月 4日 (日)

鳴き声をアップ-日本野鳥の会BIRDFAN

  去年度に引き続き、今年度も日本野鳥の会のサイト、BIRDFANの「フォトギャラリー野鳥写真図鑑」に音声が付きました。音声は、竹森彰さんと簗川堅治さんのお二人を中心に、私がヤツガシラ1点を提供しました。また、3次元の声紋の制作で協力いたしました。おかげで、去年の50種に加えて今年度の50種、合計100種とすることができました。下記URLで、「フォトギャラリー野鳥写真図鑑」に行き、ご希望の種類をクリックしてください。下の方に音声と声紋があります。
https://www.birdfan.net/pg/
 全部で500種類近くが収録されているうちの100種となります。ただ、鳴き声は検索件数の多い種類からつけていますので、普通に検索していけば聞くことができる可能性は高いことになります。
 去年の50種の鳴き声が再生された実績は、合計およそ25万件、ベスト1は2万件、ベスト10までは1万件前後と種類によってかなりムラがあります。
 いずれにしても、今後さらに発展させたいコンテンツですので、どうぞご利用いただければ幸いです。

2018年3月 3日 (土)

春を探しに-舞岡公園

 先月、舞岡公園に行こうと誘われましたが、あまりの寒さに残念ながらパスしました。今日は暖かいという予報を信じて、先月行けなかった舞岡公園を訪れました。

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 日陰やちょっとでも風が吹くと寒さを感じましたが、さすがに日向を歩いていると暖かくて、ベンチに座れば眠くなりそうな天気となりました。ウメの花が満開、サンシュユ、マンサク、ロウバイと言った地味な早春の花は皆開花していました。
 いきなりツミの雄が出現。成鳥で、なかなかのイケメンのツミでした。このツミのせいか、小鳥はひっそり。ヒヨドリでさえ、姿を見たのは2羽。同じくシジュウカラも2羽のみ。それでも、見られた鳥を指折り数えると10種は越えました。
 ところで、雑木林のなかから聞こえて来た鳴き声が不明でした。最初は、枯れたヨシ原を越えて向かいの雑木林から聞こえたように思いました。しばらくして、この雑木林を見下ろす順路を歩いていると再度、鳴き声が聞こえて録音できました。やはり、林の中から聞こえる感じでしたが、木の下の方にある笹藪の中から聞こえて来るように思いました。 PCM-D100で録音。ボリュームのアップ、ノイズリダクションをかけています。

「unknown180303mix.mp3」をダウンロード

 鳥の声だとするとアオゲラが近いのですが、音質が違います。今のところ、思い当たるものがありません。舞岡公園には、タイワンリスがいていろいろな声をだします。以前も記事にしましたが、私が収録しているバリエーションのなかにはなく、このような声も出すのでしょうか。
 まだ、調べきっていませんが、このような謎の声に遭遇するとなぜがわくわくして来るのは不思議です。

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