カッコー時計-リズム時計工業株式会社
しばらく前、ネット上で「日本のハト時計の音は、カッコウの鳴き声のことも。海外ではカッコウ時計と言っているのに、なぜ日本ではハト時計と言うのか」と、話題になったことがあります。なかには、カッコウの声で顔を出すのはハトであったり、いろいろ突っ込みどころがあります。なんでも、日本ではカッコウ=閑古鳥を連想し縁起が悪いのでハト時計になったとか。
さて、今やデジタルの時代。時計から聞こえるカッコウの声も電子音、多くは合成された音です。先日、訪れたリズム時計工業株式会社(以下、リズム)の掛時計は、アナログで音を出していることを教えてもらいました。
せっかくだからということで、音の出る仕組み、機構を見せてもらいました。実際は、機械が動かしますが、手動で実験してもらいました。
基本は、ふいごのような部分が上下をして笛の部分へ空気を送り音がでる仕組みです。写真では白い部分が、ふいごです。ふいごは、いろいろ素材を試した結果、和紙が丈夫で良い音が出ることがわかり、今でも和紙を使っているこだわりようです。
空気がでるのは前の黒い部分にあるスリットです。カッコウは2つの音の高さが異なるので、その違いを右の人差し指が調整しているレバーで変化をつけます。「カッコー」という音を出すだけのために、これだけの機構が組み入れられていることになります。
では、その音。PCM-D100で録音。ボリュームの調整、プチノイズの削除、600Hz以下のノイズの軽減をしています。
「rhythm180302_001.mp3」をダウンロード
いかがでしょうか。カッコウの声特有の柔らかさが再現されていると思いました。声紋で見ると、最初の音が800~1,000Hz、二つ目の音が600~800Hzと尻下がりに鳴いているのがぴったりと一致していました。ただ、最初の音の声紋パターンが異なるので、カッコウを聞き慣れた方には、違和感があるかもしれません。
しかし、手動で鳴らしてくれたリズムのI内さんは、軽井沢在住でカッコウを聞き慣れているだけにテンポはそっくり。会議室のなかが高原になった感じです。
ちなみに、これだけこだわってカッコウに似た音を出しているのですから、リズムの時計はハト時計ではなくて、カッコー時計という商品名で売られています。
リズムさんには、企業秘密に近い話を聞かせていただきありがとうございました。
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