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2018年5月 9日 (水)

エナガのさえずりって?-その2

 エナガの巣を見つけて近くに録音機を置けば、いろいろな鳴き声が録れるのではないかとチャンスを狙っていました。幸いなことに今シーズン、六義園でエナガが巣作りをしているのを常連さんたちが見つけてくれました。
 エナガの巣は公園の順路、それも人が滞留する場所にあるマツでした。人の頭の上、1m余のところにも関わらず懸命に巣作りをして、少なくとも2羽の雛が巣立ちました。巣作りのスケジュールから連休中に巣立つ可能性が高く、人が多くなる連休前4月27日に録音機を置きました。結果、巣立つ数日前のタイミングとなりました。おかげで、たくさんのエナガの鳴き声が録れましたので、このほかのところで録音した音源も交えて、エナガのさえずりを考える材料にしたいと思います。
 なお、文献による情報は、鳴き声はカタカナ書きなので推測するしかありませんが、バリエーションの少ないエナガでは可能かと思います。まず、中村さんの言う小囀り、サブソングです。これは、『清棲図鑑』の「チリチリチリと可憐な声でさえずり」と同じ声だと思います。
 


 シジュウカラとヒヨドリの声がかぶっていますが、ささやくように細かく鳴く声です。調子をかえて別の音域で、さらに細かい音で鳴くというパターンです。この鳴き声は、巣から離れたところで鳴いているようで、小さな音でした。ただ、中村さんのいうような長さを感じることはなく、この音源ではわずか6秒です。
 まだDATの時代ですが、日光で2010年5月17日に録音した鳴き声もこれと同じで、やや長めです。この音源は『鳴き声ガイド日本の野鳥』に不明として収録しています。



 こちらのほうが長めですが、それでも12秒です。このときは、エナガの姿は見えましたが、どのような状況であったのまで観察することはできませんでした。
 ただ、この声を聞いたのは、この日光のみ、タイマー録音にも今回入っていただけで、私の音源では2例しかありません。これは、とても小さな声のため聞こえる機会が少ないためと思われます。この鳴き声は、雌に聞こえるようにだけ雄が鳴く、ラブソングの可能性があると思っています。
 つぎによく録音されることのある地鳴きの「ジュリリ」を頻繁に繰り返す鳴き方です。今回のタイマー録音では複数回、入っていました。



 「ジュリリ」の間に高い音の「チチチ」が入ります。これは中村さんのいう地鳴きのうちの「『ジュルリ』とも聞こえ警戒の意味も持つ。移動を主張する『ピーピピ』」を繰り返しているように聞こえます。地鳴きの場合、もっと間がありますが、はじめは2羽が地鳴きで鳴き合っているのか思いました。しかし、他の音源でも同じようなタイミングで鳴いていますので、鳴いているのは1羽で、このような鳴き方だと考えて間違いないでしょう。この鳴き方は、長いと2分から3分にもなり、懸命に鳴いているという印象があります。今回の録音では、大きめの音で入っていましたので、巣の近くで鳴いていたと思います。こちらは、テリトリーソングの意味があるのではないかと思っています。
 さえずりの定義は議論のあるところですが、基本求愛と縄張り宣言の意味のある鳴き方と理解しています。カワラヒワなどは、求愛と縄張り宣言の鳴き方が違うのではと思っています。あくまでも私見ですが、エナガも同じように2種類のさえずりを持っているのかもしれません。
 これを検証するのは、さらなる観察例と音源が必要ですが、メモリ録音機の普及によって野鳥録音が簡単にできるようなり、今後より確かなことがいえるようになると思います。

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