タスカムDR-44WLを試す-その1・準備
野鳥録音とは。たとえばスズメくらいの大きさの鳥ならば、嘴から尾の先までがわずか15cmの鳥の喉にある鳴管、おそらく小指の先もないくらいの器官が出す”音”を録音する作業となります。それも近くて10m、だいたい2,30m、ときには数100mも離れたところから録音します。当然、野鳥のいるところは自然が豊ですから、水や波の音など自然の音もにぎやかな中での録音です。ですから、風雨にさらすことを気にしながら遠くから高級なマイクで録るより、ここ数年で機能の充実したメモリ録音機を少しでも鳥に近づける工夫をしたほうが良い音が録れることになります。
ただ、多くのメモリ録音機は、室内での会議や楽器演奏を想定して設計されています。そのため、数多く出ている録音機の中からフィールドでも使える録音機を探すことになります。今回、思わぬご縁からティアック株式会社のタスカムDR-44WL VER2-J(以下、DR-44WLと表記)をお借りすることができました。つきましては、ファーストインプレです。
DR-44WLを持った第一印象は、軽いです。大きさは、ほとんどソニーのPCM-D100と同じでDR-44WLのほうが厚みがあり見た目は重そうです。しかし、重さは単三4本とジャマー付きで、PCM-D100が450g、DR-44WLが360gでおよそ90g、PCM-D100と比べて5分の1、20%軽いことになります。そのため、小型のポーチ、あるいはフィールドジャケットの大きめのポケットに入れて、すぐに取り出してチャンスを逃さない録音ができるサイズと重さと言えるでしょう。
現在、発売されている小型の録音機に比べれば大きいです。その分、マイクとディスプレイが大きく、大きなマイクは指向性があり良い音が録れそうです。ディスプレイは見やすく、操作がやりやすいです。今まで、タスカムの録音機を使ったことはありませんでしたが、印象としては質実剛健で丈夫そう、ある意味飾りっ気がなくそっけないです。いわば、フィールド向きと言えるでしょう。
指向性のある大きなマイク。
見やすい大きなディスプレイ
実際の操作は、スイッチを入れて赤い録音ボタンを押し音が来ていることを確認して、もう一度録音ボタンを押せば録音が開始されます。これは、多くの録音機と同じです。ただ、録音ボリュームの調整はやや面倒です。1と2のボタンを押して赤いランプを付け、右サイドにあるボタンを押しダイヤルを回して調整します。通常の録音であれば、最大にしておけば良いので一度調整すれば済みますが、いろいろな場面場面でボリュームの調整が必要な場合は、ちょっとめんどくさいです。
また、フィールド録音には欠かせないジャマーは、スポンジ製のものが付いています。また、布製のものがオプションで用意されていますので、こちらを利用しました。ただ、この布製ジャマーが、付けにくい上にすぐ取れてしまいます。そのため、輪ゴムで録音機の底にあるプラグのストッパーに絡めて、なんとか落ちないで使うことができました。
つづく。
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