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2018年5月

2018年5月31日 (木)

タスカムDR-44WLを試す-その2・バッテリ

 今回、DR-44WLで気になったのは、バッテリの持続時間です。カタログ値では単三4本で10時間となっています。試しに2年もののEneloopを使ったところおよそ9時間録音できました。
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 単3、4本で10時間はやや短い。

 アルカリ乾電池、あるいは新鮮なEneloopならばカタログ値どおりとなると思います。普通に手持ちで録音している限り、まったく問題のない録音時間ですが、長時間録音をするとなると、ギリギリか物足りないことになります。
 DR-44WLは、タイマー録音ができないため午前3時~6時のゴールデンタイムを録音するためには、前日に置いておことになります。バッテリの持ち時間が10時間とすると午後8時、余裕をみて9時に置きに行くことになります。状況によってはできない場合もありそうです。せめて午後5時に置くと、その後夜の部の録音もできます。そのためには、12時間以上の稼働が必要です。
 担当者のI泉さんに相談したら「USB給電が可能だから、モバイルバッテリを使ってみたら」とのアドバイスをいただきました。右側面にUSBのMicro-Bの端子が付いていました。モバイルバッテリも安くなって、10,000mAhのAnker PowerCore 10000がAmazonで2,599円でした。フル充電するまで6時間かかりましたが、これをつないだところ17時間録音しても目盛りが1つ減っただけ、25%しか消費していないことになります。単純計算で70時間は行けそうです。メモリは128GBまでOKですから、48kHz/16bitならば余裕で長時間録音ができます。ただし、後での音源の整理はたいへんですが。
 タイマー録音は、小型で安価なICレコーダについている機能となります。大きめの機種では長時間録音をすることで補うことになり、USB給電がキモになることがわかりました。
 つづく。
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2018年5月30日 (水)

タスカムDR-44WLを試す-その1・準備

 野鳥録音とは。たとえばスズメくらいの大きさの鳥ならば、嘴から尾の先までがわずか15cmの鳥の喉にある鳴管、おそらく小指の先もないくらいの器官が出す”音”を録音する作業となります。それも近くて10m、だいたい2,30m、ときには数100mも離れたところから録音します。当然、野鳥のいるところは自然が豊ですから、水や波の音など自然の音もにぎやかな中での録音です。ですから、風雨にさらすことを気にしながら遠くから高級なマイクで録るより、ここ数年で機能の充実したメモリ録音機を少しでも鳥に近づける工夫をしたほうが良い音が録れることになります。
 ただ、多くのメモリ録音機は、室内での会議や楽器演奏を想定して設計されています。そのため、数多く出ている録音機の中からフィールドでも使える録音機を探すことになります。今回、思わぬご縁からティアック株式会社のタスカムDR-44WL VER2-J(以下、DR-44WLと表記)をお借りすることができました。つきましては、ファーストインプレです。
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 DR-44WLを持った第一印象は、軽いです。大きさは、ほとんどソニーのPCM-D100と同じでDR-44WLのほうが厚みがあり見た目は重そうです。しかし、重さは単三4本とジャマー付きで、PCM-D100が450g、DR-44WLが360gでおよそ90g、PCM-D100と比べて5分の1、20%軽いことになります。そのため、小型のポーチ、あるいはフィールドジャケットの大きめのポケットに入れて、すぐに取り出してチャンスを逃さない録音ができるサイズと重さと言えるでしょう。
 現在、発売されている小型の録音機に比べれば大きいです。その分、マイクとディスプレイが大きく、大きなマイクは指向性があり良い音が録れそうです。ディスプレイは見やすく、操作がやりやすいです。今まで、タスカムの録音機を使ったことはありませんでしたが、印象としては質実剛健で丈夫そう、ある意味飾りっ気がなくそっけないです。いわば、フィールド向きと言えるでしょう。

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指向性のある大きなマイク。

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見やすい大きなディスプレイ

 実際の操作は、スイッチを入れて赤い録音ボタンを押し音が来ていることを確認して、もう一度録音ボタンを押せば録音が開始されます。これは、多くの録音機と同じです。ただ、録音ボリュームの調整はやや面倒です。1と2のボタンを押して赤いランプを付け、右サイドにあるボタンを押しダイヤルを回して調整します。通常の録音であれば、最大にしておけば良いので一度調整すれば済みますが、いろいろな場面場面でボリュームの調整が必要な場合は、ちょっとめんどくさいです。
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  また、フィールド録音には欠かせないジャマーは、スポンジ製のものが付いています。また、布製のものがオプションで用意されていますので、こちらを利用しました。ただ、この布製ジャマーが、付けにくい上にすぐ取れてしまいます。そのため、輪ゴムで録音機の底にあるプラグのストッパーに絡めて、なんとか落ちないで使うことができました。

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 つづく。

2018年5月28日 (月)

カイツブリの雛の鳴き声-北本自然観察公園

 昨日、北本自然観察公園でオオヨシキリのさえずりを録音していると、「ピピピ」と高く連続した鳴き声がヨシの中から聞こえて来ました。どこかで聞いたことのあるような、ないような。すわ、珍しいムシクイ類の声かと思いましたが、オオヨシキリの大きな声のなかに紛れて、なかなか聞き取れません。
 声のする方に行って見ると、ガマの根元が揺れています。見えたのは、カイツブリの雛、かなり大きくなっています。あっという間に、ヨシの茂みに入ってしまいました。ヨシが揺れて、カイツブリが移動していくのがわかります。声もそれと同時に移動していきました。声の主は、カイツブリの雛でした。
  DR-44WLで録音。ボリュームの増幅、2,000Hz以下のノイズの軽減、ノイズリダクションをかけています。

 よく聞くと2羽が鳴いています。なんとカイツブリの雛の声が録れたのは20年ぶり2回目。1998年、まだDATの時代に不忍池で録音した以来です。
 もちろん、それ以降も雛を見るチャンスは、あったのですが、いかんせん声が小さいのと距離があって録音には至りませんでした。今回も、録音機と鳥との距離は5mも離れていません。それでも、増幅しないとかっこがつかない鳴き声でした。
 

2018年5月27日 (日)

オオヨシキリを録る-北本自然観察公園

 ティアック株式会社からお借りしているタスカムDR-44WLデモ機の返却期間が迫ってきました。この季節と言えばオオヨシキリのさえずり、これを録らないで返すのも惜しいと思い、本日は北本自然観察公園に行きました。

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 北本には、今まで冬は訪れたことがありますが、初夏は初めてです。オオヨシキリはいるだろうという予想でしたが、バスを降りたとたん鳴き声がさかんに聞こえて「しめた!」と思いました。
  オオヨシキリは、かなり高密度でさえずり、飛び交う姿もよく見られます。この密度の高いのは、道路、ビジターセンターと人の多いところなのです。奥に行けば、もっといるのでは思っていくと、いることはいるものの密度は低く鳥との距離は遠くなりました。騒音の多いところで近くで録るか、遠いけれど静かなところで録るかの判断をしなくてはなりませんでした。とりあえず、鳴いている頻度の高い入り口付近にもどって録音を試みました。
 オオヨシキリの録音と言えば、暑い炎天下、草いきれのなか、そして録音に大敵の風がいつもあるという印象があります。しかし、北本は木陰が多くて涼しく、時おり吹く風が気持ちよいなかで録音できました。
 DR-44WLで録音。ボリュームはそのまま。2,000Hz以下のノイズの軽減、軽くノイズリダクションをかけています。



 DR-44WLのインプレは後日、アップしますのでお楽しみに。
 

2018年5月25日 (金)

デジスコ通信に投稿-あらためて野鳥とは

 昔は鳥って捕まえて食べるもの、あるいは飼うものだったのを自然の中で見て聞いて楽しもうという提案は、ある意味革命的だったと思います。それを戦前に言い続けた中西悟堂の苦労は、並大抵のものではなかったと想像に難くありません。その提案のために、わざわざ”野鳥”という言葉を使ったのだと思います。
 昔からのバードウォッチング仲間はもとより、日本野鳥の会の事務局での会話では、まったくなんの気遣いもなく野鳥と鳥の区別はしていて話が進み誤解が生じることは、まずありません。しかし、バードウォッチングの初心者やちょっと周辺の人たちと話すとき、野生動物としての野鳥と飼い鳥との区別ができていなくて誤解を生むことがあります。先日も、私たちにとっては当たり前のことなので、つい忘れていて後で慌てて説明をしたことがありました。
 なぜ鳥ではなく野鳥なのかという問いかけを絶えず行って欲しいと思っています。ということで、デジスコドッドコムのデジスコ通信の連載コラムに投稿いたしました。下記のURLで読むことができます。

http://www.digisco.com/mm/dt_107/toku1.htm

2018年5月23日 (水)

『鳴き声ガイド日本の野鳥』英語バージョンのリーフレット

 『鳴き声ガイド日本の野鳥』は、おかげさまで好評を得ております。ただ、日本語のリーフレットが添付されているだけで、英語圏の方には使うことができません。そのため、リーフレットの英語バージョンを作り、拙サイトにアップいたしました。
 いちばん苦労したのは、学名と英名の索引作りで、これは日本語圏の方でも必要な場合があるのではないかと思います。リーフレットは、WordのA4版で41ページにおよび、pdfファイルに変換しても447KBになりました。膨大な資料でもありますので、間違いもあると思います。随時訂正して行く予定です。
 ご興味のある方、下記URLでsyrinxへ行き、ダウンロードできます。これを機会に、英語圏の方に『鳴き声ガイド日本の野鳥』をおすすめいただければ幸いです。
  http://www.birdcafe.net/index/syrinx-index.htm
 なお、syrinxの構成も変更いたしましたので、重ねてよろしくお願いいたします。

2018年5月22日 (火)

『「春の鳥」を見に行こう!』-ご紹介

 本日は、日本野鳥の会の理事会でした。去年度の事業と決算の報告です。各部署からの報告を受けるだけで、あっという間に1時間半がたってしまいました。まずは、赤字決算にならないですみました。また、事業報告では、長靴がまだ売れ続けていますし、いろいろな保護活動が成果を上げていることは、職員の努力のたまものでしょう。また、サイトのアクセス数が半端でないほど多いのに驚きました。
 ところで安西英明さんから、出版されたばかりの彼の『「春の鳥」を見に行こう!』にサインをいただきました。

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安西さんのサインです。
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 大判の本の中身は、びっしりと春のバードウォッチングについて写真とイラスト、そして文章で解説されています。初心者にとって必要な情報満載という感じです。今まで安西さんが野外指導で培ってきたネタがすべて入っているのではないかと思うほど、ていねいに書かれています。ですから本書を読めば、野外で安西さんに指導を受けているかように知識を得て楽しむことができるのではないでしょうか。
 そして、平野伸明さんの撮られたDVDもついていますので、野鳥の動く図鑑にもなっています。
 さらに、当書は春編となっています。さらに続編の企画が進行中のこと。全部そろえば、一年を通じてバードウォッチングのコツを学べることになります。いずれにしても、書店に並んでいますので、お手にとっていただければ幸いです。
 安西さん、ありがとうございました。

定価:3,000円(+税)
装丁:B5版、ソフトカバー、128ページ
出版社: 講談社
AmazonのURL。
https://www.amazon.co.jp/DVD%E4%BB%98%E5%AD%A3%E7%AF%80%E3%81%AE%E9%87%8E%E9%B3%A5%E5%9B%B3%E9%91%91%E3%80%8C%E6%98%A5%E3%81%AE%E9%87%8E%E9%B3%A5%E3%80%8D%E3%82%92%E8%A6%8B%E3%81%AB%E8%A1%8C%E3%81%93%E3%81%86-%E5%AE%89%E8%A5%BF-%E8%8B%B1%E6%98%8E/dp/4062209055/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1526991130&sr=8-1&keywords=%E6%98%A5%E3%81%AE%E9%B3%A5%E3%82%92%E8%A6%8B%E3%81%AB%E8%A1%8C%E3%81%93%E3%81%86

2018年5月20日 (日)

コチドリのケンカ-葛西臨海公園

 今日は、どこかに行かなければと思うような天気予報。ということで、葛西臨海公園の鳥類園に行きました。久しぶりにレンジャーのN村さんにお会いできて、いろいろ情報を教えてもらいました。
 良い天気のわりには、バードウォッチャー、カメラマンとも少なく、風は強いものの録音ができそうです。ハイドも1人くらいしかいないので話し声に悩まされることはありませんでした。目の前には、キアシシギ、遠くでコチドリが鳴いています。お試しのタスカムのDR-44WLを置いて録音していました。しばらくすると、コチドリが目の前に来て、追いかけあったり、時には身体をぶつけ合うほどの激しい争いをしてくれました。

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 そのときの声が、これ。DR-44WLで録音。ボリュームはそのまま。1,500Hz以下の低音ノイズの軽減、強めにノイズリダクションをかけています。



 2羽の鳴き声が重なりあって、まるでカイツブリの雌雄のデュエットのようです。可愛い鳥ですが、戦いは熾烈でした。

2018年5月19日 (土)

トケン競演-六義園

 今朝は、六義園からホトトギスの鳴き声が聞こえてきました。はじめは空耳かもしれないと思うほど、遠くで鳴いていましたが間違いありません。ホトトギスです。
 9時の開園と同時に入って、常連さんたちと探します。ときどき鳴いてくれるので、皆で声のするほうに行くと、幸いにして姿も見ることができました。なかには、写真を撮れた方もいて、今年最後の夏鳥の通過かもしれないホトトギスを楽しみました。
 そろそろ引き上げようとベンチに座っていると、遠くでまたホトトギスの声が聞こえたので録音。家に帰ってきてから、音源を改めて聞くとなんと後ろでジュウイチも鳴いていました。
 TUSCAM DR-44WLで録音。ボリュームの増幅、1,500Hz以下のノイズの軽減、ノイズリダクションをかけています。



 録音しているときは、ホトトギスの声しか聞いていませんでした。自己弁護すると、玉砂利の上を歩く足音が聞こえましたので、それが気になっていたせいもあります。それになにより、六義園でホトトギスとジュウイチがいっしょに鳴くなんて思ってもみませんでした。私の記録では、ホトトギスは過去に記録がありますが、ジュウイチは初めてです。また、カッコウ、ツツドリも記録がありますので、これで普通に出会えるトケン類がそろったことになります。
 それにしても昨夜未明の嵐のような中、よく渡ってきたものです。嵐のおかげで六義園で一休みということなったのかもしれません。
 ちなみに、トケンとは杜鵑と書きホトトギスのことです。今では、ホトトギス科と言いますが、私が鳥を見始めた1960年代はトケン科と言っていました。一度おぼえた言葉、つい出てしまいます。

2018年5月14日 (月)

早朝の録音に入っていた声-六義園

 昨日の六義園では、夏鳥の通過が一段落したせいか、めぼしい鳥に出会えませんでした。すれ違う常連さんたちのあいさつも「何もいないね」「鳥がいないと歩数が行く」でした。
 さて、ご縁があってタスカムの録音機をお借りすることができました。DR-44WLです。操作性や電池の持ち具合を検証中で、いずれ詳しくリポートしたいと思います。まずは、六義園に向けてベランダに置き、12~13日にかけて一晩録音できるかどうかのチェックしました。
 現在、この音源をチェックしているのですが、昼間は出会えかなった鳥たちの鳴き声がけっこう入っているのに驚きました。
 まずは、ソウシチョウです。



 2パターンあるさえずりのひとつ、あるいは地鳴きとされている鳴き方です。六義園でのソウシチョウの記録は、秋から冬の記録で春は始めです。
 そして、ゴジュウカラ。



 六義園でのゴジュウカラは、短い期間ですが越冬した記録があります。春の渡りの記録は、これまた初めてです。ゴジュウカラは、いろいろなさえずりをしますのが、そのうちの1パターンと一致しました。
 当日は、風が強くよいコンディションではありません。また、いずれの音源も遠いためにボリュームの増幅、低音ノイズのカット、ノイズリダクションをかけています。
  このほか、遠いもののカケス、そしてトラツグミも鳴いていました。はじめはブレーキの音かと思ったのですが、数声ありますのでトラツグミでよろしいでしょう。
 面白いのは、いずれの声も短く長い間さえずってくれませんでした。通過ゆえ、目がさめたところでつぶやいたという感じでしょうか。また、いずれも今までにない記録であり、都市公園では珍しい鳥たちということになります。これはたまたまなのか、それともいつもこのような状態で野鳥たちは移動しているのか、興味のあるとことです。
 いずれにしても、昼間バードウォッチングで出会える野鳥はほんの一部であることを改めて思い知らされました。

2018年5月13日 (日)

エナガの雛の声はスズメ似?!

 先日、エナガの巣の近くに録音機を置いてタイマー録音をして鳴き声のサンプルを集めました。雛は、巣立ち間近ですから餌を乞う雛の鳴き声が入っていてもよいと思って、チェックをしました。
 以前、幼鳥の鳴き声については、拙ブログで記事にしました。
   http://syrinxmm.cocolog-nifty.com/syrinx/2017/06/post-5017.html
 飛び回る幼鳥はシジュウカラによく似た声で、エナガのほうが澄んだ声に聞こえます。いずれにしても「チ、チ、チ」あるは「ツ、ツ、ツ」と聞こえる声です。そのような鳴き声がないか、いくらチェックしてもありませんでした。
 しかし、親鳥が「ジュリリ」あるいは「ツ、ツ、ツ」と鳴きながら巣の近くにやってくると、かならずスズメの鳴き声がすることに気がつきました。スズメが鳴き合うときの少し濁った「ジープ、ジープ」という声です。よく音源をチェックすると、親鳥の声が聞こえる15回のうち7回に入っていました。
 これは、ひょっとするとスズメの声ではなくエナガの雛の声なのかと思い、巣の発見者の一人で常連さんのK藤さんにおたずねしたところ、巣の下にいるとスズメのような声が聞こえたとのことでした。
 こんな声です。



 エナガの親鳥の「ジュリリ」が近づいてくると、「ジープ」というこの声がさかんにきこえるようになります。よく聞くとスズメの鳴き声とは異なります。エナガの雛の声と考えて、よろしいかと思います。
 巣の中の声と巣立ってから鳴き合う声が違う例はよくあります。なかでも、エナガはかなり違う声で鳴いていました。巣の中では、天敵に気づかれないように小さな声で親鳥だけに聞こえるように鳴き、巣立ったら森の葉が茂ったなかでも離れた仲間にも聞こえるように高い音で鳴いているのでしょう。

2018年5月 9日 (水)

エナガのさえずりって?-その2

 エナガの巣を見つけて近くに録音機を置けば、いろいろな鳴き声が録れるのではないかとチャンスを狙っていました。幸いなことに今シーズン、六義園でエナガが巣作りをしているのを常連さんたちが見つけてくれました。
 エナガの巣は公園の順路、それも人が滞留する場所にあるマツでした。人の頭の上、1m余のところにも関わらず懸命に巣作りをして、少なくとも2羽の雛が巣立ちました。巣作りのスケジュールから連休中に巣立つ可能性が高く、人が多くなる連休前4月27日に録音機を置きました。結果、巣立つ数日前のタイミングとなりました。おかげで、たくさんのエナガの鳴き声が録れましたので、このほかのところで録音した音源も交えて、エナガのさえずりを考える材料にしたいと思います。
 なお、文献による情報は、鳴き声はカタカナ書きなので推測するしかありませんが、バリエーションの少ないエナガでは可能かと思います。まず、中村さんの言う小囀り、サブソングです。これは、『清棲図鑑』の「チリチリチリと可憐な声でさえずり」と同じ声だと思います。
 


 シジュウカラとヒヨドリの声がかぶっていますが、ささやくように細かく鳴く声です。調子をかえて別の音域で、さらに細かい音で鳴くというパターンです。この鳴き声は、巣から離れたところで鳴いているようで、小さな音でした。ただ、中村さんのいうような長さを感じることはなく、この音源ではわずか6秒です。
 まだDATの時代ですが、日光で2010年5月17日に録音した鳴き声もこれと同じで、やや長めです。この音源は『鳴き声ガイド日本の野鳥』に不明として収録しています。



 こちらのほうが長めですが、それでも12秒です。このときは、エナガの姿は見えましたが、どのような状況であったのまで観察することはできませんでした。
 ただ、この声を聞いたのは、この日光のみ、タイマー録音にも今回入っていただけで、私の音源では2例しかありません。これは、とても小さな声のため聞こえる機会が少ないためと思われます。この鳴き声は、雌に聞こえるようにだけ雄が鳴く、ラブソングの可能性があると思っています。
 つぎによく録音されることのある地鳴きの「ジュリリ」を頻繁に繰り返す鳴き方です。今回のタイマー録音では複数回、入っていました。



 「ジュリリ」の間に高い音の「チチチ」が入ります。これは中村さんのいう地鳴きのうちの「『ジュルリ』とも聞こえ警戒の意味も持つ。移動を主張する『ピーピピ』」を繰り返しているように聞こえます。地鳴きの場合、もっと間がありますが、はじめは2羽が地鳴きで鳴き合っているのか思いました。しかし、他の音源でも同じようなタイミングで鳴いていますので、鳴いているのは1羽で、このような鳴き方だと考えて間違いないでしょう。この鳴き方は、長いと2分から3分にもなり、懸命に鳴いているという印象があります。今回の録音では、大きめの音で入っていましたので、巣の近くで鳴いていたと思います。こちらは、テリトリーソングの意味があるのではないかと思っています。
 さえずりの定義は議論のあるところですが、基本求愛と縄張り宣言の意味のある鳴き方と理解しています。カワラヒワなどは、求愛と縄張り宣言の鳴き方が違うのではと思っています。あくまでも私見ですが、エナガも同じように2種類のさえずりを持っているのかもしれません。
 これを検証するのは、さらなる観察例と音源が必要ですが、メモリ録音機の普及によって野鳥録音が簡単にできるようなり、今後より確かなことがいえるようになると思います。

2018年5月 8日 (火)

エナガのさえずりって?-その1

 エナガのさえずりが課題です。このシーズンになると、なんとか解明しようとするのですが、なかなか思うようにサンプルの収集ができないでいます。
 まず、エナガは群れで生活し、繁殖期も仲間同士が近くで巣作りをするので、いわゆる縄張りを構えず、そのための縄張り宣言となるさえずりがないか、頻度が少ないということになると思っていました。
 たとえば、ネットで「エナガ さえずり」のキーワードで検索して調べてみると「地鳴きは『ジュリリ』『チュリリ』と濁った声を出します。さえずりは高い声で『チー』と鳴きます」や「『ジュリ、ジュリ、ツリリ、チーチー』と繁殖期に関係なく1年中さえずっている。」から「さえずりはない」まであって、あてになりません。また、音声をアップしているバードリサーチの「鳴き声図鑑」にはエナガの項目にさえずりはありません。また、海外のXeno-contoでは、ほとんどがcallとなっていて数少ないsongを聞いてもよく聞くことのある「ジュリリ」という声でした。
 ざっと文献を調べてみると、鳴き声研究の創始者・川村多実二さんは「(さえずりは)地鳴きに紛らわしい高音のほうは『チー チー、ジー ジー』、または『ヂュルリ、ヂュルリ』という声」(1947)。清棲図鑑には「チリチリチリ」と可憐な声でさえずり「ジュリ、ジュリ、ジュリ、ジュリ」と地鳴きする(清棲幸保・1965)と書かれています。
 また、エナガと言えば中村登流さん。著書の『森のひびき』(1972)には、「エナガはサブソングを持ちながらソングのない鳥です」と書かれています。しかし、サブソングで鳴いていたという表現があるものの、どのような声なのか記述を見つけることができませんでした。
 さらに、野鳥誌への投稿された『エナガの言語的発音表現について』(1959)には「さえずりに相当するものはないようだ」とし「小囀りとしてぐぜりのように聞こえ、シジュウカラの小囀りに似たもので、頻繁に『チルルルルル』のような顫音が入り長々と歌うものだ」という。ちなみに、本種の声を5系統に分け「あまり意味のない単音の『チッ』『ツッ』『ツュッ』。今までの行動をやめる警戒の意味もある『ツリュリュ』、これは『ジュルリ』とも聞こえ警戒の意味も持つ。移動を主張する『ピーピピ』。結集を要求する『チルルルル』。争いを含めた自己主張の意味の『ツピッ』である」としています。
 『森のひびき』の”サブソング”と『エナガの言語的発音表現について』の”小囀り”は同じことを言っているようです。年代は児童書のほうが新しいので、当時使われ始めた言葉を使ったのでしょう。そのため、サブソングは「頻繁に『チルルルルル』のような顫音が入り長々と歌うもの」で、基本さえずりはないというスタンスです。
 つづく。

2018年5月 7日 (月)

タイマー録音できる新機種-フィリップスVTR8010

 このところ、風が強くて仕事になりません。そのため、デスクワークが増えました。
 ネットでいろいろ探していたら、フィリップスからタイマー録音できるハンディレコーダーが先月、発売されていました。フィリップスは、ソニーと同様、家電の規格を決めるほどのメーカーというイメージがあります。そのメーカーが出した録音機なのですから、気になります。
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 ラインアップは4機種なのですが、今回発表されたなかでの上位機種のVTR8010について、メーカーの製品情報、マニュアルから考察してみたいと思います。まず、録音フォーマットは、96kHz/16bitが最高で、mp3での録音も可能です。すでに24bitあるいは192kHzが当たり前になっています。まあ、長時間録音する可能性のあるタイマー録音では、48kHz/16bitがあれば十分ですので、機能的には問題ないと思いました。
 マイクは、指向性となっています。内蔵メモリは16G、48kHz/16bitで24時間録音可能です。メモリの増装は可能ですが、後述のように意味がありません。
 そして、肝心のタイマー録音は可能とあります。マニュアルにとくに書かれていませんので、設定できるのは1件のようです。また、マニュアルによると、パワーをスイッチでオフにするとタイマー録音できないようで、自動電源オフ設定で作動とあります。また、終了時間を設定するのではなく、録音時間を「全て・30分・60分・120分」から選ぶようです。2時間以上は「全て」ということになるのでしょう。
 フィールドで使う場合のマイナス要因は、電源が内蔵されたリチューム電池であることでしょう。野外では充電できませんし、コンビニに飛び込んで乾電池を買うこともできません。このリチューム電池による録音時間は、10時間となっていますので、毎日2時間録音して5日分、あるいは午後7時に置いて翌朝の午前5時まで録音するとして、ぎりぎりの性能です。ただ、VTR8010はUSBコードで給電できるとありますので、モバイルバッテリーを増装すれば、内蔵メモリいっぱいの24時間は録音できそうです。「内蔵メモリいっぱいの」というのは、PCM録音の場合は内蔵メモリのみと書かれていました。ちなみに下位機種は、ダイレクトなUSB給電のため増装はできそうにありません。
 このほか、いらないものが付いています。この機種の売りは、ハイビジョン画質で録画もできるということで、先端のマイクの間にカメラのレンズがあります。マイクには、ジャマーを付けるのが当たり前なのですが、ジャマーを付けたらレンズも覆われてしまい録画できません。この設計者は、野外での録音をまったく考えていなかったようです。
  このほか、FMラジオなども、いらないかなといったところです。
 重さは80g、価格は2018年5月7日現在の価格コムでは、載っている販売店すべて21,384円。ポイントが10%付くところで、1万円台になります。
 タイマー録音ができて、まずまずの音が録れるYAMAHA W24が生産終了となり、ネットオークションでもコンディションの良いものが出ることが少なくなりました。そのようななかで、細かいところで制約あって、いらない機能があるとは言え、VTR8010は貴重な機種といえるでしょう。今後、ネット上にあがるであろうレビューを参考に購入を考えたいと思います。 
メーカーの製品情報のURL。
http://stayer.co.jp/products/philips%E3%80%80vtr8010/
価格コムの該当製品のURL。
http://kakaku.com/item/K0001043620/

2018年5月 2日 (水)

『朝の小鳥』スタジオ収録-6月は羽黒山の鳥

 本日は、文化放送にて6月放送分の『朝の小鳥』のスタジオ収録でした。連休の合間の平日ですが、文化放送のある浜松町駅は羽田空港への通過駅、そのため人をかき分けて通行しなくてはなりませんでした。
 6月は以前、訪れた羽黒山の野鳥たちです。羽黒山は、古来より信仰の山として親しまれてきたように、低山に関わらず趣は深山幽谷のたたずまい、そこで出会った野鳥たちのさえずりです。
 ところで、『朝の小鳥』は今年で65周年となりました。ということで、特別番組を企画中です。放送は6月予定、1時間番組として構成を考えているところです。どのような内容になるのか、どうぞお楽しみに。

2018年6月 放送予定
   3日  コガラ
 10日  サンコウチョウ
 17日  キビタキ
 24日  アカショウビン

2018年5月 1日 (火)

ミゾゴイが鳴いた・その2-六義園

  翌日、もしかしたらミゾゴイの姿を見ることができるかもしれないと、六義園のいつものコースを一周。常連さんたちにも、ミゾゴイ情報をお伝えしておきました。
 いつもアカハラがいるところで、アカハラがよくさえずっていました。これ幸いと録音機を置いて、少し離れたところから姿を探します。常連のH本さんも加わって写真を撮ろうと姿をさがしていました。この場所は六義園でも、もっともよく木が茂った場所で、樹幹部でさえずるアカハラの姿を見つけることはできません。その後、観光客の一団がやってきたので録音は終了。アカハラも鳴き鳴きやみました。この間の録音ファイルは、8分23秒となりました。
 家に帰って音源をチェックしてみると、なかなか良い感じにアカハラが鳴いています。そして、なんとミゾゴイの鳴き声が聞こえるではありませんか。はじめの方にキジバトが鳴いており、ほぼ同じ音域のため何度も聞き直しましたが、ミゾゴイに間違いありません。もちろん、遠くて小さな音です。録音しているときは、私もH本さんも聞き逃してしまったことになります。
  PCM-D100で録音。100Hz以下のノイズのカット、ミゾゴイの音域のボリュームアップ、強くノイズリダクションをかけています。

 

 ノイズリダクションにより他の鳥、たとえばハシブトガラスの声が変質していますので、ご了承ください。それにしても、後ろでアカハラ、コゲラ、ヒヨドリが鳴く、ミゾゴイの声は初めてです。悔しいのは、ミゾゴイの声はこの2声のみ。聞こえていなかったのですから、鳴いたところで録音を終了しているのです。ですから、最後にちょこっと入っていたことになります。
 その後、同じ頃六義園を回っていたM上♂♀さんは、茶色の大型の鳥を見ており、木の中に姿を消しいくら探しても見つからなかったとのこと。大きさ色、高い隠遁性からミゾゴイの可能性のある鳥をちらっと見ていました。
 ということで、前夜に鳴いたミゾゴイが翌日も六義園にいたのでしょう。また、ミゾゴイが昼間も鳴くことがわかりました。
 それから、まだ六義園にミゾゴイがいるのではないかと毎晩、鳴き声を確認していますが、残念ながら鳴かず。渡りを続けて行ったようです。
 それにしても、聞き逃したのが悔しくてしかたありません。この悔しさは、とうぶん尾を引きそうです。 

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