エナガの雛の声はスズメ似?!
先日、エナガの巣の近くに録音機を置いてタイマー録音をして鳴き声のサンプルを集めました。雛は、巣立ち間近ですから餌を乞う雛の鳴き声が入っていてもよいと思って、チェックをしました。
以前、幼鳥の鳴き声については、拙ブログで記事にしました。
http://syrinxmm.cocolog-nifty.com/syrinx/2017/06/post-5017.html
飛び回る幼鳥はシジュウカラによく似た声で、エナガのほうが澄んだ声に聞こえます。いずれにしても「チ、チ、チ」あるは「ツ、ツ、ツ」と聞こえる声です。そのような鳴き声がないか、いくらチェックしてもありませんでした。
しかし、親鳥が「ジュリリ」あるいは「ツ、ツ、ツ」と鳴きながら巣の近くにやってくると、かならずスズメの鳴き声がすることに気がつきました。スズメが鳴き合うときの少し濁った「ジープ、ジープ」という声です。よく音源をチェックすると、親鳥の声が聞こえる15回のうち7回に入っていました。
これは、ひょっとするとスズメの声ではなくエナガの雛の声なのかと思い、巣の発見者の一人で常連さんのK藤さんにおたずねしたところ、巣の下にいるとスズメのような声が聞こえたとのことでした。
こんな声です。
「longtailed_titchick180424.mp3」をダウンロード
エナガの親鳥の「ジュリリ」が近づいてくると、「ジープ」というこの声がさかんにきこえるようになります。よく聞くとスズメの鳴き声とは異なります。エナガの雛の声と考えて、よろしいかと思います。
巣の中の声と巣立ってから鳴き合う声が違う例はよくあります。なかでも、エナガはかなり違う声で鳴いていました。巣の中では、天敵に気づかれないように小さな声で親鳥だけに聞こえるように鳴き、巣立ったら森の葉が茂ったなかでも離れた仲間にも聞こえるように高い音で鳴いているのでしょう。
« エナガのさえずりって?-その2 | トップページ | 早朝の録音に入っていた声-六義園 »
「観察記録」カテゴリの記事
- 新年おめでとうございます(2025.01.11)
- 戦場ヶ原に冬が来ました(2024.12.28)
- 伊豆沼のガン(2024.12.10)
- 冬のルリビタキ(2024.11.26)
- 秋の深まり(2024.11.10)
コメント