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2018年6月

2018年6月27日 (水)

コマドリの寝言-日光

 原富貴人著『信濃の野鳥』(1955・甲陽書房)は、何を隠そうネタ本です。そのなかに「小鳥の寝言」と「続小鳥の寝言」という項があって、コマドリが夜にさえずる話が紹介されています。きっかけは、原さんが山小屋に泊まったとき、午前1時15分コマドリのさえずりを2声聞きます。これは寝言なのではないかと、その後検証を試みます。まずは、友人が飼っているコマドリを一晩、鳴くかどうか観察しますが、鳴きません。その後もコマドリのいるところで深夜まで起きて鳴き声を聞こうと試みますが、聞くことはできず。このように、希なのだからさえずり(本文ではトキと言っている)ではなく寝言であろうというという話です。
 さえずりの定義から言ったらさえずりで良いと思うのですが、私もいつかこの伝説のコマドリの寝言を聞いてみたい、録音してみたいと思っていました。今まで、コマドリのいるところで夜の録音をしたことがありますが、夜中にコマドリの鳴き声が入っていることはありませんでした。原さんの言うように、夜中にコマドリが鳴くことは希なことのようです。
 霧降高原では、コマドリがたくさんいましたがいなくなり、コルリ、ルリビタキと入れ替わりました。その後、コルリとルリビタキもいなくなりましたが、今年はコマドリが少し復活し、夜明け前の野鳥コーラスのワン・パートを担うようになってきました。
 ちょうど、日本野鳥の会からOLYMPUSの最新機種LS-P4の試し録りを依頼されました。このLS-P4はタイマー機能がないため、長時間録音で補うという録音方法をためしたところ、なんと夜中にコマドリのさえずりが入っていました。
 LS-P4で録音、ボリュームのアップ、ノイズリダクションをかけています。



 鳴いた時刻は、午後11時45分頃です。最後のコマドリは午後7時、これが昼の鳥の最後となり、あとはときどきホトトギスが鳴くだけでした。しーんと静まりかえった深夜にコマドリが鳴いたのです。それも、たった一声。原さんは2声聞いていますが、同じような現象とみてよろしいでしょう。
 静まりかえった谷間に響き渡るほど、しっかりしたさえずりなので寝言というのには憚れます。夜中に目が覚めて、思わず一声鳴いたということでしょう。それにしても、まさか伝説の鳴き声を録音できるとは思いませんでした。

2018年6月20日 (水)

カウンターが999999になりそう

 ふと気が付くと、拙ブログのカウンターが999,999に近づきつつあります。

Counter180619

 表示されているのは6桁までなので、これを過ぎると0になるのでしょうか。今から楽しみです。昔はよくキリ番でプレゼントをというサイトがありましたが、最近はなくなりましたね。
 このブログは、還暦になったのを機会にはじめました。ですから、約8年前の2010年の3月からです。ということは、一年間およそ12,500件、毎日300~400件という数字となります。それにしても、よくまあ続いたものですし、多くの方々が来訪していただきありがとうございます。この数字は、励みになります。
 おかげで検索に苦労をして、やっと見つけたと思ったら自分のブログだったときは、”なあんだ”と”ちょっとうれしい”、複雑な気持ちになります。
 

2018年6月16日 (土)

ノートを拝見-『朝の小鳥』65周年

 私が関わっている文化放送の『朝の小鳥』が65周年を迎えたことから特別番組を収録しています。ロケあり、鳥に関係した音楽ありですが、なかでも蒲谷鶴彦先生の時代にナレーションをつとめた鈴木寛子さんのインタビューは、お楽しみです。取材ロケの秘話がぽんぽん飛び出してくるのですから、話はつきませんでした。その鈴木さんが古びたノートを持ってきました。コクヨのA5版のやや小型のノートです。中身を見せてもらうと、1982年10月4日から1986年3月までの番組内容のメモがびっしりと書かれていました。

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 当時の『朝の小鳥』は、今のように毎日曜日放送ではなく、毎日放送されていました。それに加えて、最初の頃は日曜日、のちに土曜日は特別枠の15分間の番組が作られていたのです。その内容が、克明にノートに書かれていました。
 15分ですから、たとえば高尾山の鳥というテーマで、いろいろな小鳥の鳴き声を紹介しています。さらには、北海道の鳥のなかにアイヌの歌をいれてドキュメンタリー風の作りもしています。そして、いろいろな方へのインタビューもあり、このメンバーはお懐かしい名前ばかりです。たとえば、上野動物園の福田道雄さん、トキ保護センターの近辻宏帰さん、三宅島の浅沼和男さん、瓢湖の吉川繁男さん、横須賀博物館の柴田敏隆さん、山階鳥類研究所の吉井正さん、芥川賞作家の加藤幸子さん、福島小鳥の森の弦間一郎さん、片野の鴨池の築田貴司さん、風露荘の高田勝さん、中西悟堂さんがお亡くなりになった時は日本野鳥の会常務理事の川崎惟男さんと対談もしています(すべて当時の肩書きです)。
 さらに、武蔵野自然クラブリーダー飯塚利一さんのお名前を発見。飯塚さんは、現在の日本野鳥の会事務局の重鎮、当時はまだ職員になる前のことで、勤務先の電話番号は当時の日本野鳥の会の事務所ではありません。それに、わざわざ日本野鳥の会会員と肩書きが書かれていました。タイトルは「武蔵野の野鳥教室を訪ねて」で鳥の音声は、ヒバリ、ユリカモメ、カイツブリの名前があがっていました。
 わずか35年前のことですが、こうして並んだお名前をみると、お亡くなりになった方、退職や現役を退いた方が多いですね。そのなかで、今でも現役で活躍しているということは、素晴らしいことだと思います。 

2018年6月14日 (木)

『朝の小鳥』65周年記念番組-予告

 私が録音構成をしている文化放送の『朝の小鳥』は、今年で65周年を迎えました。蒲谷鶴彦先生から引き継いで、あっという間に12年がたち627本制作しました。蒲谷先生に時代は『朝の小鳥』は毎日放送されていましたので、先生は13,000本を制作していますので足元にもおよびませんが、毎回苦労をしながらも番組作りを楽しんでいます。
 つきましては、特別番組が来週に放送されますので予告です。題して『文化放送ライオンズナイタースペシャル 朝の小鳥 65年のコーラス』です。放送日時は、6月20日(水)午後8時30分から9時30分です。
 番組の構成は、蒲谷先生が残された音と番組の歴史。もっとも長くナレーションをつとめ先生と各地を取材された鈴木寛子さんからは、当時のようすを語ってもらいます。くわえて文化放送の近くにある浜離宮公園で石川真紀さんとのロケ、野鳥を見聞きしたようすをお送りします。また、鳥にまつわる音楽を含めての1時間をお楽しみいただけます。
 詳しくは、文化放送のURLをご覧ください。

 http://www.joqr.co.jp/topics/lions-sp_asanokotori_201806.php

  早起きしなくても、聞くことができる時間ですので、ぜひお聞きいただければと思います。

2018年6月13日 (水)

パナXS-455にタスカムTM-2Xを装着-その2

  実際に録音をしてみました。日光霧降高原で、DR-44WLと並べて置きました。XS-445のタイマー設定は、午前3時30分~6時30分の3時間です。TM-2Xは、コンデンサーマイクなのでXS-445から電気が供給されていますので、録音機側のバッテリの消耗が心配でした。しかし、録音機のバッテリのマークは一コマも減ることはなく、3時間は余裕で録音できました。
 サンプル音源をアップしておきます。いずれも切り出しただけで、ノイズの軽減やリダクションはかけていません。アップするためにmp3に変換しているだけです。
 キビタキなどの小鳥たちのさえずりが始まったばかりの時間、フクロウの低い声が入っていました。



 続いて、エゾムシクイの高い声です。



 いちばんにぎやかそうなコーラスの部分です。センダイムシクイ、ミソサザイ、アカハラ、ウグイス、コマドリ、ビンズイ、エゾムシクイなどが鳴いています。

 いずれも問題なく、いちだんと艶のある音に録れている印象があります。DR-44WLの記事でも同じ場所で録音した音源をアップしていますが、その違いはわからないでしょう。大きなスピーカーやヘッドフォーンで聞き比べると違いがわかるレベルだと思います。
 重要なのは、XS-445単体に比べて、音が大きく録れます。ただ、これはXS-445なしとの比較ができないことと、波形で比べてるとノイズが大きい場合があって、比較するのがとても難しいです。とりあえずの策として、YAMAHA W24と比べて見ました。同じ所に並べて置き、同じ部分を波形で表示させて音の大きさを比較してみました。
 波形のほとんどがシジュウカラのさえずり、バックでクロツグミが鳴いている状況です。

 YAMAHA W24単体です。

Pana180603

 XS-455+TM-2Xです。

Yamaha180602

 見やすくするためにモノラルに変換しています。W24より大きな音で録れていることがわかると思います。TM-2X付きのいちばん音の大きいところでは-15dbを超えています。YAMAHA W24では-21ですから、かなり音が大きく録れていることになります。dbは対数ですから、数値以上に違いがあるでよろしいかと思います。
 XS-455などタイマー録音ができるICレコーダーで、より良い音を録りたいと考えた場合、TM-2Xはおすすめです。また、本来の一眼レフに装着して動画撮影をする機会があるのならば、より有効な機種であると思いました。
  2018年6月12日現在の価格コムの最安値は、Amazonの10,082円です。ご参考までに。

2018年6月12日 (火)

パナXS-455にタスカムTM-2Xを装着-その1

 現在、パナソニックから日本野鳥の会にご寄付いただいた100台のXS-455が”全国鳥類繁殖分布調査”に活躍していることと思います。軽量安価で簡単操作とそこそこの性能を持つXS-455は、手軽に野鳥録音ができる機種だと思います。ただ、マイクの性能など、もう少し威力が欲しいところです。そこで、デジタル一眼レフのカメラに付けるためのマイクであるTASCAMのTM-2Xを付けたらどうなるのかと、ずっと思っていました。今回、ティアック株式会社よりDR-44WLをお借りすると同時にTM-2Xもお借りすることができましたので、同時に試してみました。

Tm2x180510

 現在、XS-455はすでに販売終了、最終的には6,000円台になったと思います。一方、TM-2Xが10,000円ですから、頭でっかちのセッティングとなります。しかし、TM-2Xの価格から考えるとタスカムの2,3万円台の録音機に付いているマイクを装着するに等しいことになり、性能をアップができるのではないかとの期待です。
 XS-455側の設定は、繁殖調査用に広報されていますので下記のサイトを参考にしてください。
  http://bird-atlas.jp/data/ic-matsuda.pdf
  XS-455側ではマイク端子にプラグを差し込み、メニューから共通設定→外部入力設定で「マイク入力」に設定します。
 TM-2Xは、マイクの右側のLowcutはFlatに、左側のSensはH(High)に設定しておきました。問題は、装着の仕方です。基本一眼レフ用ですから、カメラシューに取り付けるアームが付いています。しかし、これは長くて邪魔。もう少しコンパクトならないかといろいろ考えたすえ、OLYMPUSのLS-14に付いていたスタンドクリップがちょうど良い感じだったので使ってみました。マイクのネジにも合って、録音機を入れるケースに挟めばが良いわけです。また、このクリップを木の枝に挟んだり、いろいろ工夫次第で使い道は広がりそうです。
  なお、標準装備されている布製ジャマーは、ぴったりで良い感じでした。
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2018年6月10日 (日)

スズメ語で「ヘビだ!」-六義園

 はじめは、スズメの声だとはわかりませんでした。それだけ、にぎやかな鳴き声でした。声のするほうを見ると、地面に5,6羽のスズメが集まって鳴き合っています。よく見ると、その群れの中心にヘビがいることがわかりました。ヘビは、50cmくらいの小型のシマヘビでした。スズメたちは、シマヘビを警戒して鳴いていたのです。
 PCM-D100で録音。ボリュームの増幅、1,600Hz以下の低音ノイズの軽減をしています。



 最初のほうは5,6羽がいっせいに鳴いている声で、かなりにぎやかです。私に驚いて、ほとんどが飛び去ってしまいました。しかし、その後も1羽が執拗にヘビの近くまで行っては鳴いていました。いわば、スズメの「ヘビだ!ヘビだ!」という鳴き声です。ヘビもこれには困ったのか茂みに逃げ込み、騒動は収まりました。
 面白かったのは、メジロもすぐ上の枝にとまりようすを見に来ていました。鳥たちは、こうしたモビングのさわぎに集まってくる傾向がありますね。

2018年6月 8日 (金)

カラスのコーラス-芝川第一調節池

 本日は嵐のまえに一稼ぎと、埼玉県川口市などにある芝川第一調節池に行きました。
 以前、ヒクイナやサンカノゴイが鳴いたことがあり、録音機を仕掛けようという魂胆です。しかし、今日は風が強く風速10m以上はありそう。今日の録音はもとより、タイマー録音の設置はあきらめて、自然観察を楽しみました。

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 澄んだ青空に白い雲が浮いていて夏のようです。この季節としては、雪を抱いた富士山が見えるのですから、空気も澄んでいることになります。そのなか、オオヨシキリのさえずりがさかんに聞こえて来ます。ときおり、ホオジロも鳴いています。相手の手を入れるのはキジ。すでに、カワウの繁殖は終わったようで、のんびりとしています。飛び交っているのはツバメ。2羽のコアジサシも飛んでいました。一声、サンカノゴイらしい声が聞こえましたが、確認できず。可能性はありそうです。
 芝川の池の環境は安定していません。水位が高いせいかヨシ原やガマといった植生が狭くなっています。陸のほうもナンバンモロコシが生い茂っていた土手は、オギが変わって茂り背伸びをしないと水面が見えないほどでした。ところどころ植生がないところを見つけては、水鳥の観察をしなくてはなりません。
 水辺だけにトンボも多く、わかるのはシオカラトンボ、コシアキトンボ、そしてミヤマアキアカネでした。

Dragonfly180608

 行きも帰りも入口付近にカラスの群れがいて、にぎやかに鳴き合っています。ハシブトガラスとハシボソガラスの鳴き合いというのはあまりないように思い、録音してみました。小鳥だったらコーラスと言って番組に使えるのですがね。
 PCM-D100で録音。600Hz以下の低音の軽減、軽くノイズリダクションをかけています。



2018年6月 7日 (木)

ウズラ鳴く!?-日光

「鶉鳴く」は、和歌では故郷の枕詞です。それだけ昔は多い鳥で、江戸時代の江戸では鶉狩が行われていた記録があります。名前も形も知られている鳥に関わらず、減少著しい鳥の一つです。かなりベテランのバードウォッチャーでもウズラを見た、聞いた例は少ないでしょう。私自身、足元から飛び立ったという出会いが2回あるだけです。
  日光で、お気に入りの森に行くために、車を降りたとたん、ウズラの鳴き声が聞こえました。慌てて録音機を取り出して録音。しばらくして、この近くでニワトリを飼っている家があることを思い出しました。同じ方向から、ニワトリの声も聞こえます。声のするほうに行くと、籠に入れられたウズラが1羽いました。残念ながら鳴いていたのは、飼われていたウズラでした。
 ウズラは、ときどきしか鳴かないので森に入っている数時間の間、録音機を置いておきました。森の中の家なので、ウズラが自然のなかで鳴いている雰囲気の音に録れました。YAMAHA W24で録音、ボリュームのアップ、1,000Hz以下のノイズの軽減を行っています。



 かなり、間を詰めています。こんな頻度では鳴きません。
 歌では、枕詞のウズラのいる故郷は草深いと続きます。ウズラの生息環境は、草原であると同時にウズラ自体、隠れていることが多いのでなかなか姿を見せてくれません。ただ、繁殖期にはこの鳴き声で良く鳴くはずです。姿の出会いより、声による発見のほうが多い鳥のはずです。この声をおぼえておけば、ウズラの発見につながることと思います。

2018年6月 6日 (水)

『朝の小鳥』スタジオ収録-7月は三宅島

 本日は、文化放送にて7月放送分の『朝の小鳥』のスタジオ収録でした。7月の日曜日は5回ありますので5回分の収録です。さらに、加えて今月20日に放送される『朝の小鳥』65周年記念番組「65年目のコーラス」関連の収録も行いました。記念番組につきましては、かたまりしだい記事にいたしますので、もうしばらくお待ちいただければと思います。
 ところで来月のテーマの三宅島は、野鳥が多くバードアイランドと言われています。鳥が多いばかりではなく、近くにやってきてくれるのが何よりもうれしい島です。しかし、野鳥録音ではかなり苦労させられました。というのは、鳥が多すぎるのです。番組としては1種類の鳥を取り上げて解説できるのが理想的です。あるいは、声の図鑑として音源を使う場合も1種類だけが鳴いてくれないとどれが示したい鳥かわからず図鑑の意味がありません。では、コーラスは良いかと言うというと、いっせいにただ鳥が鳴いているだけの状況というのは、メリハリがなくて風景音としてもあまり使い道のない音になってしまいます。
 ただ三宅島には3度行っていますので、その中で録音したものの中からなんとか番組に使えそうな音、さらには過去に使ったことのない音を探し出して編集してみました。たくさん音源ファイルがあるわりには思いの他、苦労をいたしました。その苦労のかいがあったかどうか、どうぞお聞きいただければ幸いです。

2018年7月 放送予定
   1日  ウチヤマセンニュウ
  8日 ツツドリ
 15日  オーストンヤマガラ
 22日  カラスバト
 29日  モスケミソサザイ

2018年6月 4日 (月)

ヨタカとカジカガエル-日光

 先の土曜日は、日光のA部♂♀さんにお願いして、夜のおすすめポイントに案内してもらいました。できたばかりのダム湖ということで、まだ立木が残っている特有の風景が広がっていました。

Yunisigawadamu

  周囲の山からは、アカハラやアオゲラの鳴き声、カケスの変わった声でしょうか、高い鳴き声も聞こえます。日が沈むと遠い立木にカワウが20羽ほど集まってきて、ねぐらをとるようです。あたりが暗くなると、遠い山からコノハズクの声も聞こえ期待が膨らみます。
 はじめは、遠くで鳴いていたヨタカが近くに来て鳴いてくれました。そして、暗くなってからさかんに鳴き始めたカジカガエルとの競演となりました。DR-44WLで録音、ボリュームを少し増幅、500Hz以下のノイズの軽減、ノイズリダクションをかけていません。



 ミキシングなしで、このように2つの音が良い感じに録れることはまずありません。たまにこうした録音ができると、やったという気持ちになります。
 A部♂♀さん、今回もありがとうございました。
 

2018年6月 3日 (日)

アオバトの当たり年かも-日光

 日光では、アオバトは少ない鳥です。録音をはじめた頃、エゾハルゼミの大合唱のなか、ちょうど今頃ですね。かすかにアオバトの鳴き声が聞こえたので、少しでも近づこうと声のするほうに歩いて行ったことがあります。ところが、なかか近づけません。低いアオバトの声は、遠くまで届くことをまだその頃は知りませんでした。ふと気が付くと、山一つ超えていました。行きはアオバトの声に釣られて勢いで行ったのですが、帰り道の長かったこと。
 そのアオバトが、今年は多いように思います。この週末は今年最後の梅雨入り前の好天気という天気予報です。それに、野鳥録音の絶好のシーズンも終盤にかかってきました。ということで日光に行っていました。
 いつものお気に入りの森で車を降りたとたん、アオバトの鳴き声が聞こえてきました。それも、よく聞くと2羽が鳴き合っています。今までは単独で鳴いていることが多かったので一声で終わったり、鳴き声と鳴き声の間がとても長かったのですが、鳴き合いとなると間が詰まります。
 この場所から、数キロ山に入ったところに置いた録音機にも入っていました。この録音機を回収にいたときには、アオバトの下尾筒の羽を拾いました。また、日光の鳥仲間からも自宅の周辺で鳴いているとの情報がありました。そういえば、六義園でも先週、アオバトの鳴き声が聞こえたばかりです。今年は、アオバトの当たり年かもしれません。
 どう聞いてものんびりとした鳴き声のアオバトですが、アオバトとしては一生懸命、鳴いていることになるでしょうね。
 PCM-D100で録音、アオバトの音域の増幅、ノイズリダクションをかけています。


2018年6月 2日 (土)

タスカムDR-44WLを試す-その4・録音

P1050100

 多くの録音機同様、録音ボリュームはフルです。室内で楽曲を録音するのならば大きすぎると思いますが、野鳥録音ではギリギリセーフ。できたら、もっとゲインが欲しいところです。DR-44WLの場合、フルボリュームは100という数字になります。なかには40とか30という中途半端な数字の録音機があるなかで、これはわかりやすいです。
  六義園で、キビタキが鳴いていましたのでさっそく録音してみました。シジュウカラも良く鳴いています。鳥との距離は20m以上、都市公園ですから周囲のノイズも大きいなかでの録音です。手持ちでの録音ですが、軽いので苦になりませんでした。



 別の日、六義園でホトトギスが鳴いていましたのでこれも録音。鳥との距離は、150mくらい離れています。



 キビタキとホトトギスの音源は、それでもボリュームがたりないのでソフトで増幅、アップしています。さらに、ノイズリダクションをかけています。コンディションが悪いなかの録音でも、加工編集すれば聞くことができる音源にできたということでの紹介です。
  次に、長時間録音をしてみました。六義園の試し録りで、メジロがよくさえずっていました。おそらく距離は10m、小さなメジロは声が小さい上に音が高いので失敗することもあるさえずりです。また、早朝とは言え車の音など「ゴーッ」という音が大きいので、3,000Hz以下のノイズを段階的にカットしています。ノイズリダクションはかけていません。



 日光霧降高原にて長時間録音を行いました。DR-44WLにモバイルバッテリをつなぎジプロップに入れ、マイクのすぐ下の部分を輪ゴムでしめて野外に一晩置いてみました。
 近くでエゾムシクイが鳴いてくれました。おそらく、鳥との距離は10m程度でしょう。手持ちでは、鳥が警戒してこれだけの近さで録音することはまずありません。無人、放置、長時間の録音ならではの近さです。アップするためにmp3に変換する以外、無加工無編集です。そのまま切り出しただけです。



 ヒガラも近くで鳴いてくれました。同じくアップするためにmp3に変換する以外、無加工無編集です。そのまま切り取ったものです。



 どちらも楽器にはない高さと音域に幅をもった音で鳴く鳥です。いずれも、澄んだ声がきれいに録れていると思いました。また、バックのウグイスやコマドリといった鳥たちの声が奥行き感を醸し出しています。「ゴーッ」というホワイトノイズは、同時に置いたYAMAHA W24に比べて少なめで、クリアな音になっていると感じました。
 つぎは、全体に野鳥が遠いコーラスです。それぞれの鳥たちと録音機は、少なくとも数10mは離れていると思います。ボリュームをアップしたため、グランドノイズが大きくなりましたので、1,000Hz以下のノイズの軽減、ノイスリダクションを軽くかけています。



 立体感のある音になっていると思います。これは、マイクの指向性や特性によるのかもしれませんが、じゅうぶん雰囲気は伝わると思います。
 なお、DR-44WLは2018年5月17日現在の価格コムの最安値26,416円です。私の感覚では、ギリギリ野外に置いておける価格です。これだけの機能を持った録音機が、この値段というのは驚きですが、良い時代になったものです。
 ティアック株式会社のI泉さん、リズム時計工業株式会社のI内さんには仲介の労をとっていただき、ありがとうございました。おかげで、野鳥の良い季節を逃すことなく楽しむことができました。
  終わり。
 
 メーカーの製品サイトのURL.
 https://tascam.jp/jp/product/dr-44wl/top

2018年6月 1日 (金)

タスカムDR-44WLを試す-その3・設定

 多くの録音機同様、メニューと設定ボタンからそれぞれの設定をしておきます。メニューからは、主なものでは日時設定、ローカットなど。マイクなどの入力先は左のスライドボタンで設定しておきます。ただ、マニュアルには細かいことが書いていませんので、はじめは戸惑いました。他の録音機の要領を参考にしたり、メーカーサイトの該当機種のページを見て解決しました。
 DR-44WLならではの機能がいくつかあります。フィールド録音で役立ちそうなものについてチェックしてみました。
 Wifi接続ができます。これは、スマホに専用アプリをインストールして、スマホからDR-44WLを動かしたりモニターできる機能です。主な動作は、録音、再生、録音ボリュームの設定、さらにはメニューの一部です。ちなみに録音ボリュームの設定は、こちらのほうが楽でした。
P1050201

 Wifiの有効距離は、カタログ値では20mとなっています。実際に試したところ、目測ですが20mは納得できる数字でした。仮に鳥と録音機の距離が10m、さらに20m、合計30m離れれば、野鳥を驚かさないですむ場面が多いと思います。また、フルボリュームで録音していますので、衣擦れ、左右の体重を変えただけで足元で「ジャリッ」という音、静かな環境ならば鼻息まで入ってしまいます。しかし、何分録音したか、ちゃんと音が入っているのか、バッテリ残量など気になるところです。これが離れたところからモニターできるのはありがたい機能です。また、録音後に再生して確認することもできます。これらは、いずれのリモコンではできないこと、Wifiならでは機能です。
 私が所有しているリモコン付きの録音機の到達距離は、YAMAHA W24は7m(カタログ値)、SONY PCM-D100は2.5m(カタログ未記載、実測)です。いずれも、野外ではあまり意味のない距離です。DR-44WLの20mは、野外では使い道のある距離と言えるでしょう。
 XRI機能は、デジカメでは普通になりましたが、録音機ではまだ付いている機種は少ないです。ファイルに緯度経度などの情報が書き込まれる機能です。これは、調査などで録音する場合、基礎情報を得るためにはとても便利な機能だと思いました。
 まず、メニュー→録音設定→録音形式で、ファイルはBWFを選んでおきます。この設定で録音されたファイルを音楽編集ソフトのメタデータを表示させる機能で見ると、録音機名などが表示されます。しかし、私の持っているソフトではいずれも緯度経度を表示させる機能がありませんでした。そのため、DR-44WLとWifi接続させたスマホから専用アプリのなかのXRIをタッチして緯度経度を表示することができました。私のスマホの画面をキャプチャーしました。自宅が特定されるので数字の一部にモザイクをかけています。

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 ただ、WifiもXRIもバッテリーの消耗が激しくなり、録音時間が短くなりますので長時間録音の場合、注意が必要でしょう。
 その他、ローカットは低い声で鳴く鳥の声が損なわれるので設定しません。大きな音が入ってきたら自動的に書き換えてくれるリミッターは設定しておきました。これ以外、ディスプレイのバックライトの点灯時間など、適宜設定しておきます。
 つづく。

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