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2018年7月

2018年7月16日 (月)

カナブンの食事風景-六義園

 この季節になると、クヌギの樹液を求めてカナブンがたくさん集まります。六義園広しといえども、順路上にはこのような昆虫が集まる食堂は、わずか2本しかありません。そのため、多いと100匹を超えるカナブンがあつまります。
 かさねて、OLYMPUSの最新機種LS-P4の試用をたのまれました。LS-P4は、小型軽量、そして高性能が売りのPCM録音機です。小型軽量ということは、持ち運びが楽という以外、どこにでも置いて録音できるというメリットがあります。ノイズ発生源の自分の身体から離して置くことができるのは、野鳥録音では大事な機能だと思います。
  たとえば、軽さゆえこんなことができました。樹液に集まるカナブンの羽音を録ろうと、ちょっとしたでっぱりに置いてみました。

Beetle190707

 このときの音です。編集加工していません。アップするためにmp3に変換、フェードイン、フェードアウトをかけただけです。



 LS-P4のリポートは、改めて連載する予定です。お楽しみに。

2018年7月 6日 (金)

アリの巣がありました-長時間録音の失敗

 東京地方は1週間、強風が吹きまくり、まったくフィールドワークができませんでした。そのため、今シーズン録音した音源の整理をしています。
 今シーズンは、新しい機種の試し録り2機種があり、なかなか良い音が録れました。新機種の試し録りは、霧降高原で行っています。霧降道路の際に置いて録音します。最初は、木の枝にしばり付けたりしましたが、地面に近い方が風の影響を受けることが少ないので、地面に置くことにしています。
 霧降道路は2車線でカーブが多いので、途中で車を止めることができる場所は限られています。少なくとも100mは直線のところ、あるいは車を縁石に乗り上げさせ少しでもスペースをあけて止められるところでないと危険です。標高が1,400m以上で、このような条件で録音機を置くことができるのはわずか2ヶ所しかありません。それでも、下り車線のため、かなりのスピードで車が下ってくるので、急いで録音機を置かなくてはなりません。先日は、数10mしか視界のない濃霧の中でしたので、なおさら急いでおきました。

P1050447

  録音機はあらかじめ稼働させておいて、さっと置きます。この間のタスカムのDR-44WLの試用では、置くときアリがたくさんいるのがわかりました。でも、アリの立てる音なんてたいしたことはないだろうと思って置いてしまいました。また、夜や早朝の温度の低いときには、活動しないだろうと思っていたのです。ところが、録音機のそばで活動するアリの立てる音は思いの他、大きく入ってしまいました。



 「ガサゴソ」という音です。この音源の部分は午前2時頃です。アリは、なんと夜中も働いていたのです。低音なのでカットは可能ですが、この音を削除するとカッコウの鳴き声も消えてしまいました。これからは、録音機の稼働の確認だけでなくアリの巣がないかの確認も必要と、長時間録音の注意事項に書き加えておきます。

2018年7月 5日 (木)

『朝の小鳥』スタジオ収録-8月は千畳敷カール

 昨日は、文化放送にて『朝の小鳥』8月放送分のスタジオ収録でした。新聞社の取材もあって、まだ65周年の特番の反応がさめやらぬ中の収録となりました。
 8月は、高い山ではまだ野鳥たちのさえずりがさかんです。そのため、長野県の千畳敷カールの鳥たちです。先だっての特番で、20代のナレーションを勤めた鈴木寛子さんが、いきなり蒲谷鶴彦さんと当時のディレクターに連れて行かれたところです。高山に鈴木さんをお連れした話は、蒲谷さんからうかがっていましたが、高尾山や御岳山に連れていってからと思っていたら最初が千畳敷カールでした。千畳敷カールまでは、ロープウェイがあるので苦ではありません。しかし、その上の山小屋まで行ったそうで、その途中には八丁坂というかなり厳しい登りがあります。私は、途中で引き返しました。それも、かなり下の方で引き返してしまいました。というのは、標高2,000mを超えると自分の身体が重くなった感じになり、なんでもない登りがとても辛くなります。てっきり、体調がおかしくなってしまったと思ったことがありますが、帰ってきて新宿駅の階段はスタスタと登れましたので安心したことがあります。
 いずれにしても、鈴木さんのお話にあったように見事なお花畑のなか、鳥たちの声が聞こえてくる天空の楽園のようなところです。少しでも、その雰囲気をお伝えできれば幸いです。

2018年8月 放送予定
  5日 カヤクグリ
 12日 ルリビタキ
 19日 イワツバメ
 26日 メボソムシクイ

2018年7月 3日 (火)

謎の声、フクロウの幼鳥?-日光・追記あり

 先週、T田さんから「どうしても解らない鳥(だと思いますが)の声を聞きました。」ので、名前がわかれば教えて欲しいとのメッセージをいただきました。ベテランのT田さんがわからないのに私にわかるのか、またT田さんがわかならいほどのものならば珍しいものかもしれないと、不安と期待が入り交り、引き受けました。
 送られて来た音源を聞くと、フクロウの幼鳥によく似ていました。音の高さ、声紋のパターンが似ています。ただ、私が録音したものやアップされている音源と完全に一致するものはありませんでした。そのため「フクロウの可能性大だが、もしかしたら他のフクロウ類かもしれない」とご返事いたしました。
 T田さんがおわかりにならないのも無理はなく、蒲谷鶴彦先生ですらフクロウの幼鳥の鳴き声がわかるまで5年かかっています。軽井沢で不明の声を録音します。そして、5年後、たまたまお店から同じ声が聞こえ、見たらフクロウの幼鳥が飼われていて解明できたというエピソードです。「不明の声は、いつまでもおぼえているものだ」というのが、先生の口癖でした。私は、このエピソードを知っていながら、長い間、フクロウの幼鳥を不明の声としていたのですから、人のことは言えません。
 フクロウ系の幼鳥の鳴き声がわからないのは、親鳥とはまったく違ったイメージの声であること。そして、成長段階で鳴き声が変わっていることが予想でき、なかなか一致するものがないということでしょう。
 今回、霧降高原でのタイマー録音に、入っていた声はさらにわからない鳴き声です。まずは、お聞きください。YAMAHA W24で録音、長いのでモノラルに変換、ボリュームのアップ、ノイズリダクションをかけています。



 まだ暗い午前3時18分に鳴き始め、2分40秒にわたって鳴いていました。小さな声が大きくなり、また小さくなっていましたので、移動しながら鳴いているようです。
 アップした部分の40秒あたりの声は、フクロウの雌の声に似ていますので、これをヒントだとすれば、フクロウの幼鳥の声かなと思いました。また、ここでは何度もフクロウの雄の鳴き声も録音していますので、フクロウがいることはいます。しかし、「メエ」や「クエ」、「ピッ」という鳴き声は、今まで聞いたことのない声でわかりません。
 蒲谷先生は「不明の声は、いつまでもおぼえているものだ」と言われましたが、私は不明の声がこのところ多くておぼえきれません。こうして、ブログにアップすることで少しでも記憶の助けになればと思います。

追記
 新潟のF川さんより、この鳴き声はシカの声ではないかとのメールをいただきました。たしかに、ヒツジのような雰囲気の声は哺乳類を彷彿させます。また、アップしていない部分にはシカの警戒声の「ピッ」に近い音もあり、シカの可能性が大きくなりました。
 シカは、この「ピッ」とラッティングコール以外、聞いたことはありませんでした。考えてみれば他にも声をだしてもおかしくありません。過去の不明の声に、同じような声がないかも含めて、調べてみたいと思います。それにしても、哺乳類の鳴き声図鑑がないのが、困りものです。
 まずは、F川さん、ありがとうございました。
 

2018年7月 1日 (日)

ヨタカのもう一つのバリエーション

 もっとも古い鳥仲間の一人にF野さんがいます。私が高校生の頃、彼は中学生、明治神宮探鳥会で出会ったのが最初だと思います。それ以降、新浜探鳥会などでいっしょになり、2人で大岳山に登った思い出があります。その後、堅気の会社員となりましたが、このところ会社がヒマになったのかバードウォッチングに拍車がかかっています。さらに、ここ数年は野鳥録音に凝っています。何しろ、50年を超える鳥歴のもと録音をするのですから、私が録音したことがないヤイロチョウはもちろんのこと、なんとかムシクイが録れたと悔しがらせること、たびたびです。
 その彼が、まだヨタカが録れないとのことでしたので、栃木県北部のダム湖を案内しました。例によって、A部♂♀さんから情報はもとより同行していただき、ピンポイントで場所を案内していただきました。
 コンビニで夕食を確保して、ダム湖へ。到着すると、まだウグイスがさえずり、遠くでアカハラが鳴いています。一声、ツツドリが頭の上で鳴いてくれました。明るいうちに夕食を食べ、A部♂♀さんと合流。
 だんだん暗くなってきました。最初、構えていたダムサイトでは日没時間と共に遠くでヨタカが鳴きだしました。ダムの音と距離が遠いので、録音にはかなり厳しい条件です。A部♂さんによると今年は、ここから1kmくらい奥に行った方が近くで鳴いてくるかもしれないとのこと、さっそく移動です。
 第二のポイントに着くと、かなり暗くなってきました。良い感じです。オシドリが遠くで鳴いています。それに向かって鳴きながら飛んでいく雌の声が聞こえました。いつものとおり夜のドラマの始まりです。
 近くの斜面から「ポア、ポア」というヨタカの鳴き声が聞こえてきました。耳を澄ますと「カ、カ、カ」あるいは「ポ、ポ、ポ」と小さな声が聞こえます。「ポア、ポア」と同じところから聞こえて来ますので、ヨタカであることは間違いないと思いますが、初めて聞く声です。
 PCM-D100で録音。ボリュームをかなり増幅、500Hz以下の低音のカット、ノイズリダクションをかけています。



 とても小さな声なので、最初は鳥の声だとも思いませんでした。「ポア、ポア」が聞こえなければ、聞き逃すところです。A部♂さんによると、ヨタカの鳴き声で間違いないとのこと、ときどき鳴くとのことでした。
 この後、「キョ、キョ、キョ」をさかんに鳴き、静かなダム湖の周辺の山に反響して、とても良い感じの音が録れました。初めてのヨタカの録音にF野さんも大満足。私も、聞いたことのないバリエーションの鳴き声が録れて満足でした。
 A部♂♀さん、ありがとうございました。F野さん、お疲れさまでした。
 

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