« 2018年6月 | トップページ | 2018年8月 »

2018年7月

2018年7月31日 (火)

デジスコ通信に投稿-貸し切りの場所

 以前は、バードウォッチングと言えば探鳥会に行くものだと思っていました。また、最近では、サンクチュアリのような野鳥のための施設が各地にできたので、そのような場所に鳥を見に行っていました。さらに、いろいろな情報がネットで出回り、珍鳥情報を頼りに出けたこともあります。
 しかし、野鳥録音をはじめると、なんとバードウォッチャーはおしゃべりであるか、身に染みてわかりました。探鳥会のあいだ中、しゃべっている人もいます。注意をしたら「これが楽しみで来ている」と言われてしまいました。せっかくの楽しみを邪魔するのも申し訳ないので、こちらが引き探鳥会からは足が遠のきました。施設も珍鳥ポイントも人がいるかぎり、おしゃべりから逃れることができません。これでは、録音はもちろん野鳥の声は聞こえないと思うのですが、にぎやかです。
 結局、自由に鳥を見て録音できる場所を自分で見つけるしかありません。おかげで、森の中で切り株にじっと座り、一人で野鳥たちの声に耳をかたむけると自然の一部になったような気分になれることがわかりました。
 というようなお話しをデジスコ通信に投稿いたしました。下記のURLで、読むことができます。
 http://www.digisco.com/mm/dt_108/toku1.htm

2018年7月28日 (土)

無料ソフトで声紋-Sonic Visualiser 3.1

 AV Watch というサイトで、無料ソフトでオーディオ分析できるSonic Visualiser  3.1(以下Sonic Visualiser)が紹介されていました。さっそくダウンロードして、試してみました。このSonic Visualiserは、けっこう古くからあるソフトで、旧バージョンも取り上げているサイトもあり、今まで知らなかったのは迂闊でした。
 まず、Sonic Visualiserのダウンロード用のサイトは下記です。
 https://www.sonicvisualiser.org/download.html
 Sonic Visualiserは、WindowsはもとよりLinux、macOSにも対応していますので、自分のOSに合わせてダウンロードします。私は、Windowsの64bitを選びました。私のコンピュータには、ウィルスバスタークラウドが入っているのですが「ダウンロードの少ないソフトなので危ない」と意味の警告がでました。いずれにしても自己責任でお願いいたします。また、Sonic Visualiserは英語版のみで日本語に対応していません。また、日本語の使用マニュアルもありませんのであらかじめ申し添えておきます。
 インストールして起動させると、真っ白な画面となります。File→Openで、wavファイルなどの読み込みます。mp3はじめ、かなり多くの音関係のファイルに対応しているようです。最初は、波形表示されます。クロツグミのさえずりの波形です。

Sonic1180728

 声紋は、Layer→Add Spectrogramで表示できます。一度表示すると右に1~5までタグができて、Spectrogramの表示の設定変更ができます。色も一瞬で変更できますので、便利です。クロツグミのさえずりの声紋です。モノラル表示で、天地は0~10,000Hzです。パターンのみならず、響きぐあいの余韻もわかります。

Sonic2180728

 また、波形に戻すのはLayer→Add Waveformです。
 この他、上下の二つの画面で波形と声紋を表示させることができます。さらに1画面で波形と声紋を重なり合わせての表示も可能です。同じクロツグミのさえずりを波形と声紋を重ねてみました。

Sonic3180728

 こうして表示させると、どの音が大きな声なのわかり、より鳴き声の構造がわかります。
 マウスをグリグリとやることで、横軸の時間の拡大や縮小をします。縦軸の周波数の変更は、声紋表示されている右下にあるマークにカーソルを持って行きマウスの左クリックをしながら変更できます。あと、面白いと思ったのは、右下にある時計のマークです。デフォルトは12時に針がありますが、左に回すことで再生を遅く、右にすることで再生を早くすることができます。再生を遅くすることで、個体のさえずり方の違いをわかりやすく聞くことができました。
 トラブルとしては、最初再生したところ、音がまったく違って聞こえました。デバイスの設定が怪しいので、File→ Preferencesへ行き、タグでAudio I/O、このなかにあるAudio deviceを見たところディフォルトはautoになっていました。そのため、私のコンピュータに内蔵されている音源ボードを探しだし設定。結果、ちゃんと音がでるようになりました。
 この他、基本となる録音、再生ができます。さらに、カット、コピー、ペーストなど基本的な編集ができます。しかし、イコライザーで特定の音域の軽減や強調、ノイズリダクションなどの機能はありません。波形や声紋表示させて、音を分析したり音を視覚化することで、楽しむソフトということになります。いずれにしても、無料でここまで声紋がきれいに表示できるのはありがたいことです。
 何度も書いていますが、蒲谷鶴彦先生が購入した声紋分析機は数100万円、分析できる音源はわずか8秒でした。そんな時代を知っている者にとっては、良い時代に生きていると感謝せざるをえません。 

2018年7月22日 (日)

オオルリの地鳴き-日光

 日光は、昼間は気温30度を超えて暑い日が続いていました。渓流沿いの森ならば涼しいだろうと、含満ヶ淵のまわりを歩きました。さすがに水辺は、ひんやりして気持ちの良い散歩ができました。鳥は、水辺だけにミソサザイが前を横切り、オオルリが目の前に出てきた程度、この標高では野鳥たちのシーズンは終わった感じでした。
 オオルリは雄で、かすかに地鳴きをしてくれました。キビタキの地鳴きは、繁殖地でも秋の渡りの時にでもたくさん録音できますが、オオルリの地鳴きはなかなか録れません。聞いたことはあっても録音まで至らなかったりで、音源は過去に雄と雌、各1例あるのみです。
 今回は、雄で身体を細くして緊張した感じなので警戒の声でしょう。近くに巣があるかもしれませんので、録音は5分間のみ。渓流と道路に挟まれた森、その上セミも鳴いているなかでの録音ですから、かなりコンディションは悪いです。
 PCM-D100で録音。ボリュームのアップ、2,000Hz以下のノイズのカット、セミの音域もカット、ノイズリダクションを強くかけています。



  ちなみにオオルリとの距離は、10mほど。それにしても、小さな声です。録音していてもかすかに「ツンッ」と聞こえるだけでした。

2018年7月16日 (月)

カナブンの食事風景-六義園

 この季節になると、クヌギの樹液を求めてカナブンがたくさん集まります。六義園広しといえども、順路上にはこのような昆虫が集まる食堂は、わずか2本しかありません。そのため、多いと100匹を超えるカナブンがあつまります。
 かさねて、OLYMPUSの最新機種LS-P4の試用をたのまれました。LS-P4は、小型軽量、そして高性能が売りのPCM録音機です。小型軽量ということは、持ち運びが楽という以外、どこにでも置いて録音できるというメリットがあります。ノイズ発生源の自分の身体から離して置くことができるのは、野鳥録音では大事な機能だと思います。
  たとえば、軽さゆえこんなことができました。樹液に集まるカナブンの羽音を録ろうと、ちょっとしたでっぱりに置いてみました。

Beetle190707

 このときの音です。編集加工していません。アップするためにmp3に変換、フェードイン、フェードアウトをかけただけです。



 LS-P4のリポートは、改めて連載する予定です。お楽しみに。

2018年7月 6日 (金)

アリの巣がありました-長時間録音の失敗

 東京地方は1週間、強風が吹きまくり、まったくフィールドワークができませんでした。そのため、今シーズン録音した音源の整理をしています。
 今シーズンは、新しい機種の試し録り2機種があり、なかなか良い音が録れました。新機種の試し録りは、霧降高原で行っています。霧降道路の際に置いて録音します。最初は、木の枝にしばり付けたりしましたが、地面に近い方が風の影響を受けることが少ないので、地面に置くことにしています。
 霧降道路は2車線でカーブが多いので、途中で車を止めることができる場所は限られています。少なくとも100mは直線のところ、あるいは車を縁石に乗り上げさせ少しでもスペースをあけて止められるところでないと危険です。標高が1,400m以上で、このような条件で録音機を置くことができるのはわずか2ヶ所しかありません。それでも、下り車線のため、かなりのスピードで車が下ってくるので、急いで録音機を置かなくてはなりません。先日は、数10mしか視界のない濃霧の中でしたので、なおさら急いでおきました。

P1050447

  録音機はあらかじめ稼働させておいて、さっと置きます。この間のタスカムのDR-44WLの試用では、置くときアリがたくさんいるのがわかりました。でも、アリの立てる音なんてたいしたことはないだろうと思って置いてしまいました。また、夜や早朝の温度の低いときには、活動しないだろうと思っていたのです。ところが、録音機のそばで活動するアリの立てる音は思いの他、大きく入ってしまいました。



 「ガサゴソ」という音です。この音源の部分は午前2時頃です。アリは、なんと夜中も働いていたのです。低音なのでカットは可能ですが、この音を削除するとカッコウの鳴き声も消えてしまいました。これからは、録音機の稼働の確認だけでなくアリの巣がないかの確認も必要と、長時間録音の注意事項に書き加えておきます。

2018年7月 5日 (木)

『朝の小鳥』スタジオ収録-8月は千畳敷カール

 昨日は、文化放送にて『朝の小鳥』8月放送分のスタジオ収録でした。新聞社の取材もあって、まだ65周年の特番の反応がさめやらぬ中の収録となりました。
 8月は、高い山ではまだ野鳥たちのさえずりがさかんです。そのため、長野県の千畳敷カールの鳥たちです。先だっての特番で、20代のナレーションを勤めた鈴木寛子さんが、いきなり蒲谷鶴彦さんと当時のディレクターに連れて行かれたところです。高山に鈴木さんをお連れした話は、蒲谷さんからうかがっていましたが、高尾山や御岳山に連れていってからと思っていたら最初が千畳敷カールでした。千畳敷カールまでは、ロープウェイがあるので苦ではありません。しかし、その上の山小屋まで行ったそうで、その途中には八丁坂というかなり厳しい登りがあります。私は、途中で引き返しました。それも、かなり下の方で引き返してしまいました。というのは、標高2,000mを超えると自分の身体が重くなった感じになり、なんでもない登りがとても辛くなります。てっきり、体調がおかしくなってしまったと思ったことがありますが、帰ってきて新宿駅の階段はスタスタと登れましたので安心したことがあります。
 いずれにしても、鈴木さんのお話にあったように見事なお花畑のなか、鳥たちの声が聞こえてくる天空の楽園のようなところです。少しでも、その雰囲気をお伝えできれば幸いです。

2018年8月 放送予定
  5日 カヤクグリ
 12日 ルリビタキ
 19日 イワツバメ
 26日 メボソムシクイ

2018年7月 3日 (火)

謎の声、フクロウの幼鳥?-日光・追記あり

 先週、T田さんから「どうしても解らない鳥(だと思いますが)の声を聞きました。」ので、名前がわかれば教えて欲しいとのメッセージをいただきました。ベテランのT田さんがわからないのに私にわかるのか、またT田さんがわかならいほどのものならば珍しいものかもしれないと、不安と期待が入り交り、引き受けました。
 送られて来た音源を聞くと、フクロウの幼鳥によく似ていました。音の高さ、声紋のパターンが似ています。ただ、私が録音したものやアップされている音源と完全に一致するものはありませんでした。そのため「フクロウの可能性大だが、もしかしたら他のフクロウ類かもしれない」とご返事いたしました。
 T田さんがおわかりにならないのも無理はなく、蒲谷鶴彦先生ですらフクロウの幼鳥の鳴き声がわかるまで5年かかっています。軽井沢で不明の声を録音します。そして、5年後、たまたまお店から同じ声が聞こえ、見たらフクロウの幼鳥が飼われていて解明できたというエピソードです。「不明の声は、いつまでもおぼえているものだ」というのが、先生の口癖でした。私は、このエピソードを知っていながら、長い間、フクロウの幼鳥を不明の声としていたのですから、人のことは言えません。
 フクロウ系の幼鳥の鳴き声がわからないのは、親鳥とはまったく違ったイメージの声であること。そして、成長段階で鳴き声が変わっていることが予想でき、なかなか一致するものがないということでしょう。
 今回、霧降高原でのタイマー録音に、入っていた声はさらにわからない鳴き声です。まずは、お聞きください。YAMAHA W24で録音、長いのでモノラルに変換、ボリュームのアップ、ノイズリダクションをかけています。



 まだ暗い午前3時18分に鳴き始め、2分40秒にわたって鳴いていました。小さな声が大きくなり、また小さくなっていましたので、移動しながら鳴いているようです。
 アップした部分の40秒あたりの声は、フクロウの雌の声に似ていますので、これをヒントだとすれば、フクロウの幼鳥の声かなと思いました。また、ここでは何度もフクロウの雄の鳴き声も録音していますので、フクロウがいることはいます。しかし、「メエ」や「クエ」、「ピッ」という鳴き声は、今まで聞いたことのない声でわかりません。
 蒲谷先生は「不明の声は、いつまでもおぼえているものだ」と言われましたが、私は不明の声がこのところ多くておぼえきれません。こうして、ブログにアップすることで少しでも記憶の助けになればと思います。

追記
 新潟のF川さんより、この鳴き声はシカの声ではないかとのメールをいただきました。たしかに、ヒツジのような雰囲気の声は哺乳類を彷彿させます。また、アップしていない部分にはシカの警戒声の「ピッ」に近い音もあり、シカの可能性が大きくなりました。
 シカは、この「ピッ」とラッティングコール以外、聞いたことはありませんでした。考えてみれば他にも声をだしてもおかしくありません。過去の不明の声に、同じような声がないかも含めて、調べてみたいと思います。それにしても、哺乳類の鳴き声図鑑がないのが、困りものです。
 まずは、F川さん、ありがとうございました。
 

2018年7月 1日 (日)

ヨタカのもう一つのバリエーション

 もっとも古い鳥仲間の一人にF野さんがいます。私が高校生の頃、彼は中学生、明治神宮探鳥会で出会ったのが最初だと思います。それ以降、新浜探鳥会などでいっしょになり、2人で大岳山に登った思い出があります。その後、堅気の会社員となりましたが、このところ会社がヒマになったのかバードウォッチングに拍車がかかっています。さらに、ここ数年は野鳥録音に凝っています。何しろ、50年を超える鳥歴のもと録音をするのですから、私が録音したことがないヤイロチョウはもちろんのこと、なんとかムシクイが録れたと悔しがらせること、たびたびです。
 その彼が、まだヨタカが録れないとのことでしたので、栃木県北部のダム湖を案内しました。例によって、A部♂♀さんから情報はもとより同行していただき、ピンポイントで場所を案内していただきました。
 コンビニで夕食を確保して、ダム湖へ。到着すると、まだウグイスがさえずり、遠くでアカハラが鳴いています。一声、ツツドリが頭の上で鳴いてくれました。明るいうちに夕食を食べ、A部♂♀さんと合流。
 だんだん暗くなってきました。最初、構えていたダムサイトでは日没時間と共に遠くでヨタカが鳴きだしました。ダムの音と距離が遠いので、録音にはかなり厳しい条件です。A部♂さんによると今年は、ここから1kmくらい奥に行った方が近くで鳴いてくるかもしれないとのこと、さっそく移動です。
 第二のポイントに着くと、かなり暗くなってきました。良い感じです。オシドリが遠くで鳴いています。それに向かって鳴きながら飛んでいく雌の声が聞こえました。いつものとおり夜のドラマの始まりです。
 近くの斜面から「ポア、ポア」というヨタカの鳴き声が聞こえてきました。耳を澄ますと「カ、カ、カ」あるいは「ポ、ポ、ポ」と小さな声が聞こえます。「ポア、ポア」と同じところから聞こえて来ますので、ヨタカであることは間違いないと思いますが、初めて聞く声です。
 PCM-D100で録音。ボリュームをかなり増幅、500Hz以下の低音のカット、ノイズリダクションをかけています。



 とても小さな声なので、最初は鳥の声だとも思いませんでした。「ポア、ポア」が聞こえなければ、聞き逃すところです。A部♂さんによると、ヨタカの鳴き声で間違いないとのこと、ときどき鳴くとのことでした。
 この後、「キョ、キョ、キョ」をさかんに鳴き、静かなダム湖の周辺の山に反響して、とても良い感じの音が録れました。初めてのヨタカの録音にF野さんも大満足。私も、聞いたことのないバリエーションの鳴き声が録れて満足でした。
 A部♂♀さん、ありがとうございました。F野さん、お疲れさまでした。
 

« 2018年6月 | トップページ | 2018年8月 »

2018年11月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30  

最近のトラックバック

無料ブログはココログ