無料ソフトで声紋-Sonic Visualiser 3.1
AV Watch というサイトで、無料ソフトでオーディオ分析できるSonic Visualiser 3.1(以下Sonic Visualiser)が紹介されていました。さっそくダウンロードして、試してみました。このSonic Visualiserは、けっこう古くからあるソフトで、旧バージョンも取り上げているサイトもあり、今まで知らなかったのは迂闊でした。
まず、Sonic Visualiserのダウンロード用のサイトは下記です。
https://www.sonicvisualiser.org/download.html
Sonic Visualiserは、WindowsはもとよりLinux、macOSにも対応していますので、自分のOSに合わせてダウンロードします。私は、Windowsの64bitを選びました。私のコンピュータには、ウィルスバスタークラウドが入っているのですが「ダウンロードの少ないソフトなので危ない」と意味の警告がでました。いずれにしても自己責任でお願いいたします。また、Sonic Visualiserは英語版のみで日本語に対応していません。また、日本語の使用マニュアルもありませんのであらかじめ申し添えておきます。
インストールして起動させると、真っ白な画面となります。File→Openで、wavファイルなどの読み込みます。mp3はじめ、かなり多くの音関係のファイルに対応しているようです。最初は、波形表示されます。クロツグミのさえずりの波形です。
声紋は、Layer→Add Spectrogramで表示できます。一度表示すると右に1~5までタグができて、Spectrogramの表示の設定変更ができます。色も一瞬で変更できますので、便利です。クロツグミのさえずりの声紋です。モノラル表示で、天地は0~10,000Hzです。パターンのみならず、響きぐあいの余韻もわかります。
また、波形に戻すのはLayer→Add Waveformです。
この他、上下の二つの画面で波形と声紋を表示させることができます。さらに1画面で波形と声紋を重なり合わせての表示も可能です。同じクロツグミのさえずりを波形と声紋を重ねてみました。
こうして表示させると、どの音が大きな声なのわかり、より鳴き声の構造がわかります。
マウスをグリグリとやることで、横軸の時間の拡大や縮小をします。縦軸の周波数の変更は、声紋表示されている右下にあるマークにカーソルを持って行きマウスの左クリックをしながら変更できます。あと、面白いと思ったのは、右下にある時計のマークです。デフォルトは12時に針がありますが、左に回すことで再生を遅く、右にすることで再生を早くすることができます。再生を遅くすることで、個体のさえずり方の違いをわかりやすく聞くことができました。
トラブルとしては、最初再生したところ、音がまったく違って聞こえました。デバイスの設定が怪しいので、File→ Preferencesへ行き、タグでAudio I/O、このなかにあるAudio deviceを見たところディフォルトはautoになっていました。そのため、私のコンピュータに内蔵されている音源ボードを探しだし設定。結果、ちゃんと音がでるようになりました。
この他、基本となる録音、再生ができます。さらに、カット、コピー、ペーストなど基本的な編集ができます。しかし、イコライザーで特定の音域の軽減や強調、ノイズリダクションなどの機能はありません。波形や声紋表示させて、音を分析したり音を視覚化することで、楽しむソフトということになります。いずれにしても、無料でここまで声紋がきれいに表示できるのはありがたいことです。
何度も書いていますが、蒲谷鶴彦先生が購入した声紋分析機は数100万円、分析できる音源はわずか8秒でした。そんな時代を知っている者にとっては、良い時代に生きていると感謝せざるをえません。
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投稿: wadanaoki | 2020年8月 8日 (土) 18時39分
二つの声の主が同一人物かを知りたいのですが、声紋の比較はどうすればいいですか?
投稿: 土屋和之 | 2022年2月11日 (金) 00時17分
土屋和之様
鳥の鳴き声の分析の経験はありますが、人はわかりません。
つたない経験だと、分析ソフトによると思いますし、ドラマや映画のようにはいかないと思います。
ただ、この世界は日々、発展していますので、最新の情報を得ることをお勧めします。
投稿: まつ | 2022年2月11日 (金) 16時55分
ソフトのご紹介、感謝します。
野鳥の個体識別に声紋が利用できないものかと探しておりましたら、貴ブログに行き当たりました。ソニックビジュアライザーのご紹介、とてもありがたかったです。現在のバージョンは、4.5でした。
投稿: 堀田誠嗣 | 2022年4月 5日 (火) 07時31分
堀田誠嗣様
拙ブログ、お目にとまり恐縮です。
また、お役に立てて幸いでした。
当記事は、人気ランキング1位の月もあり、多くの方がご覧になっているようです。
私も「無料」の言葉に弱いし、検索するときはとりあえず入れてみるワードですから、ヒットも多いのでしょう。
また、バージョンアップ情報、ありがとうございます。
良いアプリに出会えて楽しめるのも一期一会の時代になった感じです。
これからも、お楽しみいただければ幸いです。
投稿: まつ | 2022年4月 5日 (火) 20時51分