今年もミゾゴイ探しをちょっとしてみました。
日光と奥多摩でかつていたところ、聞いたところを歩いたり録音機を仕掛けたりしました。どうも、ミゾゴイはいるからと言って毎夜、鳴くわけでないようです。また、一晩鳴き続けることもなく一節だけのこともあって、なかなか思うような成果を上げられないでいます。
今回、課題を2つ上げておきます。
まず、ミゾゴイのねぐらというのがあるのではと思いました。
日光で以前、ミゾゴイの鳴き声を聞いたことのあるキャンプ場があります。その炊事場の下にサギ系の糞がいくつもあるのを見つけたことがあります。水っぽい糞で、いかにもサギ類の糞です。ハシブトガラスが屋根の下でねぐらをするとは思えず、ミゾゴイの可能性が高いと思っています。それから数年後には、向かいの敷地にあるやはり屋根の下で同じような糞を見つけたことがあります。
また、先日の日光では渓流のそばの道際に糞が落ちていていました。
糞は、カラス類より小さく、より水っぽい感じです。上を見上げると、とまっていたであろうスギの木の横枝がありました。周囲の環境は渓流があり、森が両岸を覆っています。対岸では、9月に渡り途中であろうミゾゴイを見たこともあります。
これがミゾゴイのねぐらならば、そのつもりで探してみるというのもミゾゴイの生息確認の手立てになる可能性があります。
2つめは、幼鳥の鳴き声が不明です。
たとえば、よく似たヨシゴイの成鳥は1,000Hz以下の声で「ウォ、ウォ、ウォ・・・」と鳴き続けます。しかし、巣から出て親鳥から食べ物のもらうステージの幼鳥はとてもリズミカルで2,000~4,000に音の中心がある高い声で鳴きます。カタカナ表記が難しい声なのですが「ケケケ、ケッケケ」、最初の「ケケケ」は平坦、「ケッケケ」は上がったり下がったりしています。親鳥の鳴き声からとても想像できない声で、これを確認するのに3日間、助っ人も必要でした。
ヨシゴイは、巣から出た後も親鳥から給餌を受けます。ヨシに姿を隠しての行動ですから、音でのコミュニケーションが欠かせないわけで、よく聞こえる声で鳴くのでしょう。同じようにフクロウやトラフズクなどフクロウ系の鳥たちの幼鳥たちも親鳥とは似ても似つかない声で鳴きます。蒲谷鶴彦先生は、フクロウの幼鳥の解明に5年かかりました。
ミゾゴイの営巣の観察例では、雛はあまり鳴かないとの情報もあります。巣の中では鳴かなくても巣立つとよく鳴く例がありますので、希望はあります。たとえば、前述のフクロウも巣から出た後はよく鳴きます。また、ハシブトガラスの雛は巣の中では「シャー」程度の声しか出さなかったものが、巣を出たとたん「ウンガー」とさかんに鳴きます。小さいときは、天敵に見るからないように鳴き声は最低限に抑え、巣立って飛べるようなったら餌乞いをしっかりして食べ物を多くもらうためでしょう。
ですから、ミゾゴイにも同じように幼鳥の鳴き声というのがあるのではないかと思います。それがわかれば、繁殖の確認をより正しい記録として残すことができるのではないかと思う次第です。私の音源の謎の声にないか、まず総ざらえしてみました。残念ながら今のところ、ミゾゴイの幼鳥らしい声を聞き出していません。
今頃が鳴いている時期です。聞く可能性があるのではと思い、ブログネタにしてみました。
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