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2018年9月 1日 (土)

OLYMPUS LS-P4 試用リポート1・はじめに

 日本野鳥の会のFさんから「OLYMPUSのLS-P4を使ってみてほしい」との依頼がありました。季節的には夏至が過ぎ、さえずりのピークは終盤となっていました。ただ、幸いにして関東地方は早めの梅雨明けで天候にはなんとか恵まれ、日光での試し録りを行うことができました。
 現在発売されているICレコーダーのなかでPCM録音が可能な機種は、野鳥の鳴き声の幅広い音域をカバーし、一つの音が何千Hzという幅がある野鳥特有の音も歪むことなく捕らえることができます。また、価格に関わらず基本的な機能は成熟した感があり、新機種はいかに付加価値を付けるか各メーカーが頭を悩ませているところでしょう。
 今回、試用したOLYMPUSのLSシリーズについては、過去にもリポートしていますので、ご参考にしてください。
 LS-7
  http://syrinxmm.cocolog-nifty.com/syrinx/2011/06/olympusls-7-572.html
  LS-100
  http://syrinxmm.cocolog-nifty.com/syrinx/2012/11/-ls-100-d744.html
 LS-14
  http://syrinxmm.cocolog-nifty.com/syrinx/2015/04/olympus-ls-14-7.html
  http://syrinxmm.cocolog-nifty.com/syrinx/2015/04/olympus-ls-14-f.html
  http://syrinxmm.cocolog-nifty.com/syrinx/2015/04/olympus-ls-14-b.html
  LSシリーズに共通して言えるのは、音が大きく録れる、ゲインが大きいという野鳥録音にとってはプラスの性能があります。多くの録音機が室内での楽曲演奏の録音を目的として設計されているため、大きな音が歪まないようにすることには考慮されています。しかし、スズメくらいの小さな鳥の喉にあるわずか数ミリの鳴管を振るわせて出す音を近くて10m、遠ければ100mも離れて録音する野鳥録音では、録音ボリュームを最大にしてもたりないのです。
 その点、LSシリーズでは、他の録音機の最大音量を70~80%の設定で得られます。これは、無音のスタジオではなく、あくまでも自然のなかでの検証です。そのため目安の数字となりますが、単純に20~30%の余地があることになります。遠い鳥、小さな声を録るときにこの余裕がうれしいのです。すべての録音機を使って比較しているわけではありませんが、手持ちの録音機で匹敵するゲインが得られるのはソニーのPCM-D1、PCM-D50、PCM-D100程度です。
 ただ野鳥録音に必須のタイマー録音は、LS-7では3パターンも設定できました。しかし、LS-12以降なくなりLS-P4でもありません。そのため、長時間録音で補うことにしました。
 さて、LS-P4を手にとっての印象は、しっかりした造りで小型で軽いです。筐体、マイク、マイク周りなどの作りが丈夫そうに見えます。

P41

 大きさの良いたとえがないのですが、胸のポケットに入ると言ったところでしょうか。重さは、電池を入れて75g。ジャマーを付けても100gになりません。機材の多い中、録音もしたいという時には邪魔にならない大きさと重さです。また、録音主体ならば、サブ機としてもう1台持って行くのも良いでしょう。
 実際、野外で使ってみて、長時間の手持ちでも苦にならない重さでした。また、感度が良いだけに、手持ちですと自分がたてる衣擦れから呼吸の音、なんとなく人のいる気配まで入ってしまいます。それを避けるために何かの上に置いて、そっと離れて録ります。LS-P4は、軽いので小枝や藪の上に置くことができました。
 比べる双眼鏡(ツァイスVictory SF 8x42)が大きくて申し訳ございません。並べるとこんな感じになります。
P42
(つづく)

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