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2018年9月 5日 (水)

OLYMPUS LS-P4 試用リポート5・録音の実際-3

 LS-P4は、Bluetoothで録音機とスマホを結び操作をすることができます。操作は、録音、停止、インデックスの挿入です。これまで、赤外線リモコン、WiFがありますが一長一短、距離が短ければ電池を食わず接続が安定、長ければ電池の消耗し接続も不安定と言ったところです。Bluetoothは、この一長一短の長さと短さの差が少ないことになります。
 LS-P4の距離は、カタログ値で10mとなっていますが、実際はあと1,2mをプラスしても良いでしょう。これだけ野外で離れることができれば、自分がたてる鼻息や衣擦れの音を避けることができます。
P40_2

 設定は、儀式の連続です。マニュアルに書かれているとおり一つ一つ手順を踏んで行いました。私の場合、ペアリングがうまくいかなかったのですが、機器同士を接触させてみると繋がりました。なお、現状では操作のためのアプリOLYMPUS Audio Controller BTは、アンドロイド系のみで、iPhone、iPadには対応していませんのでご注意ください。
 野鳥録音は、野外で録音したら終わりではありません。家に帰って、まずコンピュータにデータを落としバックアップを取るまでは仕事が終わったとは言えません。LS-P4は、年月日にそれまでの録音ファイルの通し番号が付いたものがファイル名として形成されます。たとえば、2018年6月22日に録音し、その録音機で26番目のファイルならば「180622_0026」となります。また、長時間録音で日をまたいで録音してファイルがいくつもできた場合、最初の年月日がファイル名となります。ですから、調査研究で厳密な日時の記録が必要な場合、コンピュータに落としたときに「ファイル名の変更」で年月日や録音時刻を残すようにしたほうが良いでしょう。重ねて、フィールドノートにファイル名とともに録音日時、地名、天候などの基本情報をメモしておいた方がよろしいかと思います。
 LS-P4は、多機能のためすべての機能をチェックすることはできませんでした。たとえば、売りの圧縮されるものの劣化のないFLACファイルでの録音、より高品位の96kHz/24bitの録音、無指向性のセンターマイクを加えての録音、ズームマイクモード、各シーンセレクトなどです。他の録音機と比較するため、wavファイルで48kHz/16bit、ステレオ録音を基準として聞き比べましたので、あらかじめご了承ください。
 最近、発売されているPCM録音機は、高いもので4万円台、安いもので1万円台となり、LS-P4は2万円弱ですから中級機になってしまいます。ここ2、3年で発売された2万円前後の機種のなかでは、機能が充実し使いやすくなっていると思います。
 フィールドでは、どうしても落としたり、ぶつけたり、あるいは濡らしたりと機材にとってはハードな使用をせざるをえません。機材を気にして、せっかくの録音チャンスを逃すのも悔しいことです。ある意味、LS-P4は普段着のように気軽に使うことができる価格帯にあり、野鳥録音をぞんぶんに楽しむことができる機種と言えるでしょう。
(おわり)

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コメント

>まつ様
LS-P4はメニューや操作を音声で読み上げる機能はありますでしょうか?

視覚障害のある方々に野鳥の話をするときに、レコーダーも紹介しようと考えています。
Panasonicのレコーダーは読み上げ機能があるので、視覚障害の方々には使いやすいだろうと、第一候補に考えています。

ほかにも読み上げ機能のある機種をご存知でしたら、ぜひ教えてください。
よろしくお願いいたします。

鈴木♂様
 音声ガイドはあります。
 今まで使ったOLYMPUSのLSシリーズは皆ついていました。LS-100,LS-14,LS-7です。
 LS-100を森さんに使ってもらいましたが、音声ガイドは有効だったようです。
 意外と音声ガイドを確認するのが難しいので困っています。量販店でデモ機に触れるのですが、周りがうるさくて音声ガイドが聞こえないのです。

>まつ様
さっそく教えていただきありがとうございます。
オリンパス機も音声ガイドあると、みなさんに伝えようと思います。

私はいままで音声ガイドをオフにしていましたが、タイマー録音の設定を変更して、最後に『設定完了』をしないで別のメニューに行こうとするとpanasonic機は「タイマー設定の変更を取りやめますか?」と聞いてくれてミスの防止に役立つので、現在は音声ガイドONにして使っています。

そういえば、私は鈴木♂ではなくS木♂でした!


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