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2018年11月

2018年11月28日 (水)

訃報・中村司先生

 山梨大学名誉教授の中村司先生がお亡くなりなったとお知らせが回って参りました。享年91才だそうです。
 中村先生は、私が日本鳥類保護連盟の時代からお世話になった恩人の一人です。学会はもとより、シンポジウムや記念パーティなどには必ずお出でになり、先生のほうから声をかけていただき、お話しをする機会がけっこうありました。話題は、私が取り組んでいるテーマで、私の本や雑誌に書いたことを読んでいることは間違いなく、最近ではこのブログも目を通されていて、そのマメさにはおどろかされました。
 最後にお会いしたのは、上田恵介さんの退官記念の講演会でしょうか。このときも遠くから、頭を下げていただきました。先生は、たいへん小柄で腰が低いため挨拶をされると、どうしても私よりも頭が低くなってしまいます。腰の痛いときは、頭を下げられず恐縮してばかりしていました。
 先生のお父様は、中村幸雄さんでやはり鳥類学者として、日本の鳥学の黎明期を支えた方です。コノハズクが「ブッポウソウ」と鳴くことを鉄砲で射て実証されたり、蜂須賀正氏(まさうじと読む。こう書かないと何で彼だけ”氏”を付けるのかと言われたことがある)と、ボルネオに有尾人を探しに探検に行き、新種の鳥を捕獲した採集人の1人でもあります。
 先生は戦後、いち早くアメリカに留学されて日本の鳥学を発信、海外の研究を日本に紹介するなど、戦後日本の鳥学の発展にご尽力されました。ご専門の渡り鳥の研究では、ホルモンが渡りに与える影響を実証され、ライフワークとされていました。
 山梨大学で教鞭をとられた期間は長く、退官後も教壇に立たれていたようです。「最近、耳が遠くなって女子大生が話すのに近づかないと聞こえない、セクハラと思われるので、そろそろ辞めなくては」と、おっしゃっていたのがついこの間のように思い出しました。
 拙ブログでは、過去に先生のご著書『渡り鳥の世界』(2012・山梨日々新聞社)を紹介しております。渡り鳥の謎が解明できて先生の鳥へのあたたかいまなざしを知ることができます。
 http://syrinxmm.cocolog-nifty.com/syrinx/2012/04/post-32cd.html
  写真は、パーティでの一コマ。プリント写真ですから、20年くらい前かもしれません。まだ、みんな若いです。故・江戸家猫八(当時は小猫)さんもいっしょです。

Photo

中村司先生のご冥福を心よりお祈り申し上げます。

2018年11月25日 (日)

BINOS Vol.25-日本野鳥の会支部の論文集

 日本野鳥の会神奈川支部の研究年報『BINOS Vol.25』をいただきました。

Binos2018_2

 毎度のことながら、ありがとうございます。
 今号の巻頭を飾るのは、こまたんの「大磯町高麗山におけるタイマー録音によるアオバトの鳴き声調査」です。
  アオバトが海水を飲みに来るのは有名ですが、海岸に行くまでに立ち寄る場所があります。そこに、録音機を仕掛けて鳴き声を録音したら、いろいろなことがわかったという論文です。なんと、199日間タイマー録音をして、悪天等で録音ができなかった分を除いて164日分のデータを得ることができたとのこと。録音機は、OLYMPUSのLS-7を2台使用。日の出前30分から毎日5時間録音。5日周期で録音機を交代させて、録音したそうです。
 この間アオバトが鳴いたのは、合計15,209。タイマー録音を使って、ここまで詳細な調査ができるとはびっくりです。
 この鳴き声を分析すると、季節による鳴き出し時間や回数の変化、天候による影響などなどがわかったというのです。また、アオバトのさえずりはワンパターンだと思っていたのですが、4タイプあるそうです。幼鳥の鳴き声や「ポポポ」という鳴き方もあって、多様なこともわかりました。ただ、標準的な鳴き方が99%だそうですから、バリエーションはあるもののあまり他の声は鳴かないようです。などなど、このようなことがわかるとやめられませんね。
 それにしても、膨大はデータの解析には、時間がかかったと思いますが、そこはこまたんのチームワークのなせるわざなのでしょう。いずれにしても、読み応えのある論文です。
 この論文の影響を受けて、他の小鳥でやってみたら、さえずりが発達した野鳥たちの生態がわかるのではないかと思います。いずれにしても、録音から野鳥たちの素顔を知ることができる良い見本の調査だと思いました。
 今号には、今井智康さんの「仏果山におけるアオバトの鳴き声観察記録」など、合計10編が収録されています。いずれも、一読の価値のある論文だと思いました。
 詳しい内容、お申し込みは下記のサイトでご確認いただければと思います。
  https://kanagawashibu002.blogspot.com/2018/11/binos25-2km-60m2017-4301120199ic3055302.html

2018年11月18日 (日)

笹鳴きの鳴き合い-六義園

 六義園の池にはカモの姿が増えてきました。森には、ジョウビタキ、アオジ、シロハラ、シメといった冬の鳥たちの姿も見られるようになりました。
 クマザサのなからウグイスの笹鳴きがきこえてきました。PCM-D100で録音、ボリュームの増幅、1,000Hz以下のノイズのカット、ノイズリダクションをかけています。

「Bush-Warbler181117_001.mp3」をダウンロード

 笹鳴きは、他の鳥の地鳴き、おもに仲間同士の存在を確認するための鳴き方です。草むらや葉の茂ったなかにいる鳥ほど、良く鳴きます。
 今回の笹鳴き、よく聞くと2羽が鳴き合っています。姿は見えませんが、かすかにササが揺れています。揺れいてるササ同士は、距離は5mほどはなれているでしょうか。笹鳴きは、けたたましい感じです。雄と雌がお互いの存在を確認しているという印象より、威嚇し合っている印象のある鳴き方です。
 笹鳴きには、自己主張の意味があるのではないかと思っています。ウグイスは、基本動物食ですから、モズと同じように冬のなわばりを構えて生活するのではないでしょうか。そのために、鳴き合ってなわばりを確保していると考えられています。
 しばらくしますと、笹鳴きあっていたウグイスが左右に分かれていきました。このとき、なわばりの位置が決まった瞬間かもしれません。
 

2018年11月12日 (月)

日本野鳥の会連携団体総会でした

 この土日は、日本野鳥の会の連携団体総会でした。京葉線海浜幕張駅近くの施設で、泊まりがけでのミーティングです。

Soukai181110

 土曜日午後1時に始まった会合は、6時まで5時間、途中10分間の休憩を2回挟んだだけでした。私の席は、後方にありましたので、後ろから見ている限り、こっくりと頭を下げている人はいませんでした。なんとも熱心なことです。上田恵介さんも「学生だったらほとんど寝てしまうのに」と感心していました。
 いつもは、講師の方を招いて勉強会のようなところから始まるのですが、今回は日本野鳥の会の抱える課題、問題を事務局やブロック担当、あるいは直接連携団体から報告をしてもらうという形に変えました。
 日本野鳥の会が行っている保護活動の報告から始まって、探鳥会の事故報告の情報共有として探鳥会保険で報告された事故例の報告がありました。さらに、探鳥会でのリスクとその回避方法あたりは、かなり関心度が高く身を乗り出して聞いていただいた感じです。
 休憩をはさんで、調査員の人材育成、リーダー研究会と組織の若返りにつながる課題は、これまた関心度が高かったと思います。
 懇親会は、6時半から8時半まで。いっせいにおしゃべりが始まり、あっというまに食べ物がなくなりました。よく口が動いていたことになります。柳生会長が、シメの挨拶で「よっぽど人と話すことに飢えていたのだな」とあきれられました。
 私ももちろんおしゃべりに加わっています。毎度恒例、悟堂さんおっかけの西村さんのお宝自慢、なんと新村出さんが中西悟堂にだした手紙などを見せてもらいました。山形の簗川さんからは飛島で見つかったルビーキクイタダキの話、京都の梶田さんとはウグイス談義。青春時代にいっしょに鳥を見たり保護運動した方たちと何十年ぶりに会えて、昔話に花をさかせました。
 ところで、今回やっと女性の参加が増えてきたと感じました。連携団体の参加者は、56名ですが、このうち7名12.5%が女性でした。かつては、1、2名でしたので、これは良い傾向ですが、世の中の情勢からみればまだまだの感があります。ちなみに、事務局は23人のうち11名が女性でまずまずです。さらに、評議員理事監事の役員は14名のうち女性は3名。役員の女性率も低いです。これも今後の課題です。 
 いずれにしても、皆さまお疲れ様でした。

2018年11月 7日 (水)

『朝の小鳥』スタジオ収録-12月は傑作選

 今日は、文化放送にて『朝の小鳥』のスタジオ収録でした。私がうっかり開始時間を間違えて10分遅れでスタート。申し訳ございませんでした。というのは、今日収録した12月は日曜日が5回あるため早めの集合でした。
 この秋から冬はネタに苦労します。まして5回です。
 この間の『朝の小鳥』65周年記念番組のさい、かつてナレーションを勤めた鈴木寛子さんから当時の番組内容が書かれたノートを見せてもらいました。いちばん知りたかったのは、冬のさえずりのさびしいときに蒲谷先生は、いったいどういう企画で乗り越えたのかです。
 先生の場合、海外での取材が多くありましたので、冬は外国編が多いですね。この他、都道府県の鳥シリーズや声の美しい鳥というテーマで季節とは関係のない企画をしていることがわかりました。やはり苦労をされていたのですね。
 ということで12月は、今シーズン日光の霧降高原で録音した野鳥のコーラスの傑作選です。
 当ブログでも記事にしましたが、今年は機材のモニターを2件やりました。そのため、最盛期に同じ場所に同じ時間に録音機を置くことになりました。面白いことに5月と6月ではコーラスの種類構成が変わっていました。また、時間帯によっても変化していくおもしろさがわかりました。さらに、ここでは1998年から録音をしているので、20年間の変化もわかりました。
 そんなエピソードを交えて、素晴らしい野鳥のコーラスをお楽しみいただけるように構成いたしました。

2018年12月 放送予定
2日 ミソサザイ
9日 エゾムシクイ
16日 アカハラ
23日 ホトトギス
30日 コマドリ

2018年11月 6日 (火)

六義園の樹木、樹齢は?

 六義園の池には、キンクロハジロの群れが舞い降りるようになりました。ジョウビタキの鳴き声を聞いた人もいて、いよいよ冬の到来です。
 9月30日から10月1日にかけて東京地方に被害を与えて台風24号の影響で倒木や折れそうな枝のため通ることのできなかった順路がありました。これらが、片づきどこも通れるようになりました。モミジのライトアップに向けての準備とあいまって、たいへんな作業だったと思います。
 倒木は伐採されてかたづけられました。そのおかげで年輪、樹齢を見ることができました。

Kusu181026
 
 千里場のクスです。一抱え以上、2抱え未満の大きさ、1.5抱えの太さといったらよいでしょうか。六義園のクスのなかでは、中くらいの太さで、千里場のある東側の辺はこの大きさのクスの並木になっているところもあります。年輪を数えてみると70本くらいでした。樹齢は70年です。

Keyaki181026

 ツツジ茶屋(四阿)付近のケヤキです。一抱えくらいの太さが3本、根本付近から分かれているので、かなりボリューム感のあるケヤキでした。順路をふさぐように倒れたため、いちばん撤去に時間がかったところです。
 年輪は、3本がいっしょになっているところもあって、数えにくいものでしたが、いちばん太く外側の部分を数えました。およそ60本、樹齢は60年前後でした。
 こうした機会があるたびに樹齢を数えていますが、いずれも私と同じ年か少し若いくらいです。また、名物の大きなシダレザクラの樹齢は、数年前に20才のときに植えたという80才の方がいらしたので、これも60年程度と言われています。多くの樹木がこのクラスの大きさですから、現在の六義園の森を構成している木々は、戦後に生えたことになります。
 それ以前は、別の樹木が生えていて、森がゆっくりと樹種や樹木そのものを変化させてきたことになります。戦前や戦後間もない頃の絵はがきや写真を見ると、木は今よりまばらで低めです。それに比べると、現在の六義園の森は、かなり茂った状態といえるでしょう。
 また、クスもケヤキも関東地方の自然植生に多い樹種ですから、いずれも野鳥たちが糞といっしょに種を蒔いてくれたおかげかもしれません。
 それにしても、この年になると樹齢70年が若いと思うようになりました。

2018年11月 3日 (土)

ジャパンバードフェスティバル-我孫子

 去年は行けなかったジャパンバードフェスティバル、今年は行けました。皆勤から精勤になってしまいましたが、毎回刺激を受けます。

Abiko181103

 今、思い出すと初期の頃は寒くて羽毛服を着ていったはずです。今年は、暑くて脱いだ上着が邪魔になるほどでした。会場はかなりの混雑で熱気も加わって、Tシャツ姿の方も多かったです。まずは、良い天気でよかったです。
 私的には、今年はじめて録音関係のブースがでたことがうれしかったです。なんと、TEAC株式会社がタスカムの現行機種を携えて参加してくれました。

Abiko1811032

  じつは、リズム時計さんと掛け時計の企画を進める中で、担当者の方がTEACの方と昵懇なのを知り、タスカムDR-44WLをお借りして試すことができました。この経緯とリポートは、当ブログの記事にすることができました。日光で録音した野鳥のコーラスの音源を差し上げたところ、野鳥録音に興味を持っていただきました。その流れで、今回の出展となったことになり、TEACさんの素早い動きには驚かされます。
 ということで、タスカムのブースでは、私がDR-44WLで録音した音を聞けるようになっています。
 本日は、担当者のY本さんとお話しすることができました。野鳥録音では、タイマー録音と防水性をどう保つのかが重要であることを話しました。私以外にも、ブースを訪れた仲間から同様のことを言われたようで、野鳥録音の実際を知ってもらうことができたと思います。いずれにしても、今後の機種の開発に期待したいと思います。
 それにしてもすごい人出でした。いつもは、もう少しゆっくりと見て回れるのですが、思うように動けませんでした。ご挨拶にうかがったものの忙しそうで挨拶できなかった方、会場にいるはずなのに会えなかった多くの方々、失礼いたしました。
 ジャパンバードフェスティバルは明日もやっています。

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