六義園の樹木、樹齢は?
六義園の池には、キンクロハジロの群れが舞い降りるようになりました。ジョウビタキの鳴き声を聞いた人もいて、いよいよ冬の到来です。
9月30日から10月1日にかけて東京地方に被害を与えて台風24号の影響で倒木や折れそうな枝のため通ることのできなかった順路がありました。これらが、片づきどこも通れるようになりました。モミジのライトアップに向けての準備とあいまって、たいへんな作業だったと思います。
倒木は伐採されてかたづけられました。そのおかげで年輪、樹齢を見ることができました。
千里場のクスです。一抱え以上、2抱え未満の大きさ、1.5抱えの太さといったらよいでしょうか。六義園のクスのなかでは、中くらいの太さで、千里場のある東側の辺はこの大きさのクスの並木になっているところもあります。年輪を数えてみると70本くらいでした。樹齢は70年です。
ツツジ茶屋(四阿)付近のケヤキです。一抱えくらいの太さが3本、根本付近から分かれているので、かなりボリューム感のあるケヤキでした。順路をふさぐように倒れたため、いちばん撤去に時間がかったところです。
年輪は、3本がいっしょになっているところもあって、数えにくいものでしたが、いちばん太く外側の部分を数えました。およそ60本、樹齢は60年前後でした。
こうした機会があるたびに樹齢を数えていますが、いずれも私と同じ年か少し若いくらいです。また、名物の大きなシダレザクラの樹齢は、数年前に20才のときに植えたという80才の方がいらしたので、これも60年程度と言われています。多くの樹木がこのクラスの大きさですから、現在の六義園の森を構成している木々は、戦後に生えたことになります。
それ以前は、別の樹木が生えていて、森がゆっくりと樹種や樹木そのものを変化させてきたことになります。戦前や戦後間もない頃の絵はがきや写真を見ると、木は今よりまばらで低めです。それに比べると、現在の六義園の森は、かなり茂った状態といえるでしょう。
また、クスもケヤキも関東地方の自然植生に多い樹種ですから、いずれも野鳥たちが糞といっしょに種を蒔いてくれたおかげかもしれません。
それにしても、この年になると樹齢70年が若いと思うようになりました。
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このような機会があって年輪が数えられるのは有難いですが、その樹が犠牲になったようで気の毒ですね。 でもこうして樹齢が分かるのだから許されることでしょう。
投稿: Matsui Shogo | 2018年11月 6日 (火) 16時31分
Matsui Shogo様
自然の森ならば倒木は、生き物たちの貴重な資源になるのですが、都市公園では片付けられてしまうのが、残念です。
それにしても、木の成長するスピードは、遅いようで早いです。
投稿: まつ | 2018年11月 6日 (火) 17時09分