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2018年12月22日 (土)

モマ笛の音色

 S田さんの奥様から、思わぬクリスマスプレゼントをいただきました。
 モマ笛です。
P1060525

 なんとも愛嬌のある顔をした笛です。九州の筑前津屋崎人形です。
 モマとは、津屋崎でフクロウのことだそうです。光の道で有名な宮地嶽神社の縁起物として昔は授与されていました。なんと、このモマ笛の起源は安永の頃(1777)にまでさかのぼり、昔はお年寄りが食事のたびにモマ笛を吹くと気道が広がるので食べ物がのどにつまらないという効果があったとか。誤飲性肺炎にならないためには、モマ笛を吹いてから食事をしたほうが良いということでしょうか。
 フクロウの方言名でモマというは聞いたことはありませんでした。マオ、あるいはマオドリは、アオバト説が有力です。鳴き声が由来であると言われています。
 モマも同じように低い声で鳴くフクロウ類に由来するのでしょうか。
 ということでさっそく吹いてみました。たしかに低い丸みのある音で、フクロウ類の鳴き声に似ています。
  九州北部で繁殖しているフクロウ類は、フクロウ、トラフズク、オオコノハズク、コノハズク、アオバズクです。フクロウの「ホホ」は出せても「ゴロスケホーホー」の複雑な節回しは、一音だけでしか出せない笛では無理でした。同じく、「ブッポウソウ」と鳴くコノハズクもできません。
 単調な声で鳴く種類では、トラフズクがいます。残念ながら、トラフズクのほうが音が低く、音色が違いました。さらに、オオコノハズクもより音が低く、かなり印象が違って聞こえます。
 九州地方では比較的多いアオバズクはどうでしょう。2音ずつ吹くと、音色も雰囲気もよく似ています。モマ笛でアオバズクの鳴き声のように吹いてみました。

「moma151222.mp3」をダウンロード

 いかがでしょうか。けっこう似ているでしょう。
  どれだけ似ているのか、声紋で比較してみました。
 まずは、本物のアオバズクです。『鳴き声ガイド日本の野鳥』に収録されているものから声紋を採りました。

Brown_boobook181222

 つぎに、モマ笛です。

Moma181222

 音の高さが600Hzにあることが共通しています。また、山型のパターンの声紋と1,200Hzあたりに倍音が出ることも似ています。モマ笛は、アオバズクの鳴き声に近いですね。
 ちなみに、アオバズクの鳴き声には個体差があって、多少音の高さやテンポが違ることはありますので、もっと違う感じから、もっとそっくりがあるかもしれません。
 そういえば、フクロウならば笛の色は灰色系になりますが、アオバズクの色のように茶色に塗られています。頭の丸みもアオバズクを彷彿させますね。
 モマは、アオバズクのことなのでしょうか。およそ250年前の地方名の検証となると、深すぎてこれはお手上げですが、楽しい謎解きです。
 S田さん、貴重な笛のプレゼントありがとうございました。

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