『鳥説』-ご紹介
私に入門書の紹介をする資格はありません。
というか、バードウォッチングの入門書の書評は難しいです。入門書の評価は、初心者に理解できたか、鳥がわかるようになったか、バードウォッチングを続けることができたかで価値が決まると思います。私みたいな人間が、初心者だった頃を思い出しながら読んでもなかなか評価できません。当然のことながら、逆に初心者は入門書を評価する立場にないのですから、意見を表明する機会がないのです。
♪鳥くん(永井真人)さんの前著『鳥さんぽをはじめよう』は、けっこう無理矢理、紹介させてもらいました。
http://syrinxmm.cocolog-nifty.com/syrinx/2017/11/post-8ce6.html
そして、今回の『鳥説』は、入門書ではあるけれど、対象は中級以上、ある程度の経験を持ったバードウォッチャーが、よりバードウォッチングを深めようとしたときに読む本だと思いました。ですから、私が評価してもよろしいかと思います。
入門書ですからわかりやすさが信条です。内容に関連した写真がたくさん掲載されていてわかりやすい構成です。また、この手の本には欠かせない富士鷹なすびさんのイラストが、ずいしょにあるので楽しく読めます。
解説されているのは、バードウォッチングの方法はもとより、珍鳥の見つけ方、なかでも野鳥写真の撮り方については複数の項目がついやされています。さらに野鳥との接し方についても、マナーを含めて言及されています。
国内外でバードウォッチングを楽しんでいる筆者ならではの実話がちりばめられているのですから、実戦的な知識と情報を得られます。そのコツ、なんと合計115個載っているのですから役に立つことは間違いありません。
バードウォッチングの初心者を卒業して、もう一歩極めたい方におすすめの1冊です。
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