六義園でフクロウ鳴く
六義園の周辺では、このところフクロウの記録が報告されています。
六義園では、過去にも職員による目撃例、私のフクロウのペリットらしいものの発見があるので、いずれは鳴き声が聞かれるのではないかと期待していました。
まず、3月15,6日のライトアップ試験中に職員がフクロウらしい鳴き声を聞いたと教えてくれました。同じ頃、別の職員も聞いたと話してくれました。ライトアップを行ったことでネグラをしていたハシブトガラスが六義園を嫌い減ったことが、フクロウの飛来を可能にしたのではないかと推測しました。
そして、ライトアップ本番中の3月23日のことです。夜中の12時にメールをチェックすると、K村さんから小石川植物園でフクロウの羽毛が散乱していたとの報告を受けました。そんなこともあるのだと思いながら、何の気なしに窓を開けると六義園からフクロウの鳴き声が聞こえてきました。
PCM-D100で録音。フクロウの鳴き声の音域をボリュームアップ。500Hz以下をほぼカット、ノイズリダクションをかけています。
こんな偶然もあるのですね。考えてみれば、夜中の12時に窓を開けることはあまりありません。それ以前にも、鳴いていたかもしれません。
その後、夜中に目が覚めると窓を開けては確認しましたが、鳴き声を聞くことはありませんでした。しかし、4月21日にだいぶ暖かい夜でしたので、午後9時頃に窓を開けると鳴いていました。ライトアップは、4月3日で終了しています。ただ、ハシブトガラスが繁殖期に入り、園内でなわばりを構えている数番のみが夜を過ごしているために、フクロウの飛来を許したのでしょう。
小石川植物園では、1羽死んだことになりますが、その後も鳴き声を聞いているとのことで、死んだのはメスではないかと思われます。六義園でも鳴いているので雄。小石川植物園からの飛来なのか、別の雄なのか微妙なところです。
ここで、課題が一つ。この鳴き声が、フクロウの典型的な節ではないのです。どちらかというとエゾフクロウ的で、単純な節なのです。
ちょうど、日本野鳥の会筑豊支部のS田さんのブログを見たら「フクロウの声のバリエーション」と題し、同じように単純な節で鳴くフクロウの報告がありました。
http://yacho.org/cbird/pages/4_kazakiri/shibuta_akira/dir2019.htm
九州ですから、こちらは亜種キュウシュウフクロウの可能性が大きいのですが、エゾフクロウ的な鳴き方をしていることになります。
六義園と筑豊とほぼ同じ時期ですから、季節的なものなのかもしれません。あまたあるフクロウの鳴き方には、このようなバリエーションがあってエゾフクロウは、このバリエーションが多いか少ないかの違いなのか。などなど、フクロウの鳴き声の課題が増えました。
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松田様
いつも興味深く読ませていただいております。
「小石川植物園では、1羽・・・。六義園でも鳴いているので雄」という記述から雌は鳴かないという様に理解できるのですが、2015年12月4日『フクロウは雌もさえずるのか』を読むと雌は鳴くことが分かります。この点いかがでしょうか。
投稿: コムクドリ | 2019年4月25日 (木) 19時42分
コムクドリ様
コメント、ありがとうございます。
私の聞いた、あるいは録音したことのあるフクロウのメスは、前後にメス特有の「ギャ」系の声をだし、「ゴロスケホーホー」は一声くらいでした。
少なくとも3月23日のものは、12分32秒にわたって鳴き続け、その間「ギャ」系の声は前後も含めてありませんでした。そのため、雄の鳴き声を判断したものです。
投稿: まつ | 2019年4月25日 (木) 21時00分
松田様
はじめまして。小石川植物園の近隣に住んでいます。4月、植物園からフクロウの声が2,3度聞こえて、気になって調べているうちにこちらのサイトを拝見しました。フクロウの声だったことが分かって嬉しいです。そして、ホーホーという声は、オスなのですね。初めて知りました。
鳥が好きで時々植物園や六義園に出掛けますが、初心者でなかなか見つけられません。せめて声が分かったららと思っていました。こちらのブログで勉強できればと思います。
投稿: すずねこ | 2019年5月11日 (土) 14時33分
すずねこ様
拙ブログ、お出でいただきありがとうございます。小石川植物園では、雌の声も聞こえたので番であったのは間違いないようです。ただ、幼鳥の声までは確認されておらず、繁殖は無理だったのかもしれません。
幼鳥の鳴き声をおぼえておいて、ご確認いただいければと思います。
投稿: まつ | 2019年5月11日 (土) 21時09分