エゾムシクイは調子を変えてさえずる-日光
野鳥のコーラスの最盛期を迎えています。
しかし、日光は関東地方で唯一、雨であることが多いですね。とくに、夕方から夜の雨では録音機を置くことができず、チャンスを逃しています。今回、やっと風が強かったものの録音することができました。
前回、5月15日は標高の高いところでは、さえずりが薄かった印象があります。あれから10日経って、今回も同じ標高1,400mあたりの霧降高原に置いてみました。フクロウに始まってコマドリ、ヒガラ、キビタキ、オオルリ、エゾムシクイ、ヤマガラとにぎやかになっていました。数年前、メインボーカルだったルリビタキがいないのが気になりましたが、谷間からわき上がる小鳥のコーラスは健在です。
今回、気が付いたのはエゾムシクイが、調子を変えてさえずることです。エゾムシクイのさえずりは「月日(ヒツキー)」を3回繰り返して「ヒツキ、ヒツキ、ヒツキ」と聞こえます。最初の”ヒ”を基準とすると”ツ”で下がって”キー”は”ツ”より高い音になります。たとえば、1音目は5,000Hzで次が4,500Hzに下がり、3音目6,500Hzに上がります。その差1,500Hzの上がり下がりとなります。これらの音を声紋で見ると、横1本の水平のパターンとなります。
今回、録音したエゾムシクイのさえずりは、3音目の高い音が8,000Hz近くまでありました。さらに、調子を変えて、1つめの音が0.002秒の間に4,500Hzから6,000Hzに上がり、2音目は4,800Hzから3,800Hzに下がるという斜めの筋になるパターンとなりました。
ただ、ぼんやり聞くと「ヒツキー」としか聞こえない微妙な違いです。
まずは、音声です。今までこうした鳴き方しかしないと思っていた節が2回、全体に高い音になったのが3回、そして声紋パターンも変わった鳴き方で2回鳴いています。これは、間も節もそのままです。
TASCAM DR-05で録音、ボリュームの調整、1,000Hz以下のノイズの軽減、ノイズリダクションをかけています。
上の音の声紋です。モノラルに変換して、見やすくしています。
今までワンパターンだと思っていたエゾムシクイですが、バリエーションもあるし変化をつけて鳴いていることがわかりました。
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