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2019年7月

2019年7月28日 (日)

メジロの巣立ちか-六義園

 昨日は、巣立ちの遅いヒヨドリの幼鳥2羽がいるのを常連さんのM上さんか見つけて教えてくれました。
 もう2回目の繁殖でしょうか?シジュウカラも親子も2組見つけました。
 ハクセキレイの幼鳥3羽は、ツミに襲われるというエキサイティングなシーンがあったそうですが、まだ生き延びています。
 この季節の六義園の森は、子育て真っ最中の鳥たちであふれています。
 カミさんがベランダの前が騒がしいので、録音したとのこと。良く茂ったクスの木の中で、姿は見えなかったそうです。YAMAHA W24で録音、1,000Hz以下のノイズを軽減しています。 


  メジロです。警戒、威嚇を感じる鳴き声です。聞く限り、少なくとも2羽の鳴き声がかぶっています。これだけにぎやかですが、数は多くはなさそうです。
 以前、巣立ったばかりのメジロの親子に遭遇したことがあります。そのときの声とよく似ています。かえって、にぎやかに鳴くので何かと思ったら巣立ったばかりの幼鳥を見つけてしまいました。
 小さなメジロの幼鳥を守るための威嚇、どれだけ効果があるのでしょうか。

 

 

 

2019年7月23日 (火)

日本で2件目の野鳥のレコード-『野鳥と共に』

 最初の野鳥のレコードは、1954年(昭和29年)に日本ビクター社から発売されたSP盤の「野鳥の聲 第1集」全3枚です。これは、その後第2集、第3集まで発売されています。

190723

 その次のレコードが謎でした。『清棲図鑑』の文献リストには、『中西悟堂 1956 野鳥と共に-高原の朝から夜まで- ビクター社』と書かれているだけ、市場にでたことはなく鳥仲間でも所蔵している人もない幻のレコードでした。ところが、7年前に花鳥茶屋のkochanさんが入手してブログの記事にしてくれました。レコードが実在することが確認できましたし、内容は野鳥の鳴き声をバックに中西悟堂さんが解説をしているという構成であることがわかりました。記事は、下記のURLで読めます。
  http://katyotyaya.blog18.fc2.com/blog-entry-1672.html
  今回、ネットオークションで私も入手することができました。60年以上たったレコードとは思えない良いコンディションでした。なお、このレコードには、ナレーションがそのままが活字になったリーフレットが付いています。写真の右がそのリーフレット、左がジャケットです。
 レコードは、まだLP盤以前の時代のEP盤で小さいです。回転数も45回転、ですから裏表でわずかおよそ15分間の内容です。
  kochanさんの報告どおり、野鳥の声をバックに悟堂さんがお話しをしています。野鳥の鳴き声は「野鳥の聲 第1~3集」の蒲谷鶴彦さん音源を流用しています。当時、悟堂さんは著作権の認識は希薄で弟子の録音したものは俺のものくらいのつもりでその後も使い続けています。
 当時、悟堂さんは61才。最初は回転数が間違っているかと思うほど、若々しい声でした。野鳥の鳴き声は、自然に聞こえるのでプレイヤーの問題でもありません。そして、解説の内容と話し方はとてもお上手で感動さえおぼえます。目に情景が浮かぶような文章で、語りかけるようなやさしい語り口です。また、野鳥の声を流し話はじめるタイミング、キュータイミングは絶妙で現在でも十分通用する編集だと思いました。
 民間のラジオ放送が始まったばかり、テレビのない時代です。音から野鳥の素晴らしさを伝えられるようになったばかりの黎明期の作品です。しかし、すでに野鳥の声を流し解説するというスタイルを完成させていました。
 

2019年7月17日 (水)

Fledged.-菅原貴徳写真展

 今日からはじまった菅原さんの写真展に行って来ました。菅原さんとは拙著『鳴き声から調べる野鳥図鑑』(文一総合出版)で、コンビを組んで以来のおつきあいです。
Sugawara190717

 久しぶりの晴れで、平日なのに表参道はすごい人でした。混んだ表通りから一歩入った閑静な住宅とおしゃれなお店が点在する中にギャラリーがありました。表参道ヒルズの裏手にあたり、喧噪から離れてほっとできる空間です。菅原さんの写真もほっとさせてくれるものばかり。世界中を飛び回って撮影した鳥たちが、それぞれの風景のなかに生き生きと描かれていました。
 タイトルのFledged.には、巣立ちの意味があるそうです。もうとっくに巣立っていると思っていたのですが、このあたりの謙虚さが菅原さんらしいといえばらしいタイトルです。お近くにお出でのせつは、ぜひごらんいただければと思います。
 私は、天気と写真展のおかげで久しぶりに今日は1万歩を超えました。

会期 2019年7月17日(水)~21日(日)
会場 ピクトリコ ショップ&ギャラリー表参道
住所 東京都渋谷区神宮前4-14-5 Cabina表参道1F
時間 11:00〜19:00(日曜は17:00まで)
休館日 会期中無休
料金 無料
問い合わせ ピクトリコ ショップ&ギャラリー表参道(TEL 03-6447-5440)
参考サイト
https://capa.getnavi.jp/pickup/190717sugawara/?fbclid=IwAR0pR_bnX4Z13Z94v0-krh1iSnnFp6x2x5jWsXtcEjA6NkOdJtWIOpPMbp4

2019年7月 9日 (火)

魚をくわえて鳴くカワセミ

 近くの公園でもカワセミが子育てに成功しました。
 その後も、同じ公園でカワセミはよく見られています。成鳥幼鳥が入れ替わり立ち替わり見られています。そのため、同じ夫婦か、また巣立った子どもたちか、それとも別のカワセミかやってきたのか判断が難しいところです。
 先日は、カワセミが求愛給餌をしていたということで、再度繁殖の可能性があるのでは、カワセミ狙いのカメラマンたちは期待していました。
 私も魚をくわえたカワセミの雄を見つけました。

Kingfisher190709

 魚は頭が先になっていますので、自分で食べるのではなく求愛給餌のためのくわえ方です。あたりには、雌はいません。そのため、雌を呼ぶために鳴いてくれました。PCM-D100で録音。ボリュームの増幅、3,000Hz以下のノイズの軽減、ノイズリダクションをかけています。

 魚をくわえているのに、かなり大きな鳴き声を出しています。
 今まで、いろいろな鳥がくちばしに食べ物をくわえながら鳴いているのを聞いたことがありますが、だいたいいつもと変わらない声と声量です。カワセミも同じでした。
  この鳴き声のあと飛び立ち、30mくらい離れたところに飛んでいきました。そこには、雌がいて雄を待っていたようです。めでたく求愛給餌成功。それにしても、これから子育てが始まるのでしょうか。

2019年7月 4日 (木)

待望のタイマー録音-DR-05、DR-07MKⅡ

 去年秋、我孫子で開催されたジャパンバードフェステバルに出展されたTASCAMのブースにて、担当者の方と野鳥録音について話す機会がありました。録音機の機能にタイマー録音がいかに必要か話しました。私以外にも鳥の博物館のI本さんをはじめ、ブースを訪れた録音仲間が同じようにタイマー録音の有効性を述べたそうです。皆さんのおかげで、TASCAMのDR-05、DR-07MKⅡに簡易ながらタイマー機能が付くことになりました。ブースの出展の決断も早かったし機能搭載も今年の1月には決めたようで、担当者の素早い動きに驚いています。
 ということで、待望のタイマー機能付の録音機が発表されました。メーカーのプレスリリースです。
 https://tascam.jp/jp/support/news/6028
 実は、試用するならば野鳥がさえずりはじめる初夏に間に合うようにという希望しておりましたところ、4月に試作機をお持ちいただきました。3セットお借りできましたので、録音仲間のTさんとS木♂さんにも協力していただき、野鳥録音に耐えうるか実際に野外で使ってもらいました。
 それらの結果を踏まえての今回の新機能が搭載されたことになります。Tさん、S木♂さん、お世話様でした。
 ということで、私が日光でタイマー録音した音源をアップいたします。今年の日光は雨が多くてなかなか試し録音ができませんでした。だいたい夕方から朝にかけて雨予報が毎日続き、お借りした機材を濡らしてはまずいので、なかなか実験できない日が続きました。また、今年はカッコウやホトトギスの到着が遅くコーラスが完成したのは6月に入ってから、さらに早めの梅雨入りという最悪のタイミングの年でした。それでも、さすがに日光の野鳥たちのコーラスは素晴らしいものがありました。機材の試し録りには、最高のコンディションで録音ができました。
 まず、DR-05です。500Hz以下の低音を軽減しています。

 おそらくビンズイとの距離は、10mたらずでしょう。タイマー録音ならでは近さです。マイクは無指向性ですが、このように鳥が近くで鳴いてくれればかなりクリアに録れ、広がりのある音になると思いました。
 ついでDR-07MKⅡです。300Hz以下の低音を軽減しています。

 おなじくウグイスが近くにやって来て鳴いてくれました。マイクは、指向性があります。そのためステレオ感がよりシャープにあります。この音源では、ウグイスが右方向で鳴いているのがわかると思います。
 いずれも発売は7月下旬ですので、ぎりぎり標高の高いところでの野鳥のコーラスに間に合いますし、秋のシギチドリの渡りも狙えます。
 今後、多数の機種があるTASCAMの録音機に、タイマー機能が付いて選択の幅が広がるとより野鳥録音を楽しむことができると期待しています。
 ティアック株式会社のY本さん、ありがとうございました。また、売れることを祈ります。
 ご注意:お買い求めの場合は、型番を確認してください。現在タイマー機能があるのは、TASCAM DR-05 VER3、 TASCAM DR-07MKII VER2の2機種です。

2019年7月 3日 (水)

『朝の小鳥』スタジオ収録-8月は巣立った雛たち

 本日は、浜松町の文化放送にて『朝の小鳥』のスタジオ収録でした。
 この梅雨時のときに、暑い夏のイメージを作り上げるのは苦労します。
 今回、話題になったのは雛か幼鳥かです。いちおう定義らしいものとしては巣の中にいるものを雛、巣から巣立った状態のものを幼鳥とされています。
 ですから、鳴きながら飛び交っているシジュウカラも親を呼ぶスズメも幼鳥なのです。しかし、ラジオから音だけで聞くと「ひな」はおそらくすぐに小鳥の赤ちゃん以外の言葉がないのでわかりやすいと思います。しかし、「ようちょう」は、漢字をすぐに思い浮かべにくい言葉でしょう。そのため、今回は「雛」で統一いたしました。
 しかし、定義を厳密に照らし合わせれば、カルガモのように卵から生まれてすぐに巣を離れてしまうタイプのものは、ヒヨコ状態でも幼鳥になりますが、イメージ的には雛の感じです。カルガモの幼鳥と言ったら、親鳥と同じくらいの大きさになった状態の感じとなります。
 ラジオの場合、耳から聞こえて来る音から、どうイメージを伝えるかが大切なのだと実感した打ち合わせでした。

 事務連絡です。
 7月14日放送の「シマセンニュウ」は、政見放送のために休止されます。あらかじめご了承いただきますようお願いいたします。なお、文化放送以外の東北放送、茨城放送、新潟放送、朝日放送、琉球放送の各局はいつも通り、放送されますので、引き続きお聞きいただければ幸いです。

2019年8月 放送予定
  4日 イワツバメ
 11日 スズメ
 18日 フクロウ
 25日 シジュウカラ

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