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2019年9月

2019年9月30日 (月)

TASCAM DR-07 & DR-05 試用リポート5

バッテリー
  ディスプレイが大きくて見やすい分、また録音中は「録音中」の赤いランプが点灯することで、単3電池2本の割には、バッテリーの消耗が早いです。昔の録音機に比べれば十分なのですが、YAMAHA W24が単3電池1本で30時間録音可能であることと比較すると見劣りしてしまいます。
 いろいろな条件で思わぬ、バッテリーの消耗がありました。たとえば、一晩録音ではDR-07で12時間50分可能でした。しかし、同じDR-07でタイマー録音3時間を2回できた程度。DR-05では3時間1回のみでした。
 録り続けると12時間以上できるけれど、タイマー設定だと3時間ということになります。タイマー録音は、設定して10数時間放置されていることになります。その間、ディスプレイが表示され続けられているためバッテリーが消費されてしまうためでしょう。あるいは、私のエネループは1年物なのでその影響を受けやすいのかもしれません。
 ところで、DR-05、DR-07ともUSB端子(Mini-Bタイプ)があり給電が可能です。タスカムからは、単3電池6本を入れ、USB接続できるバッテリーケース(BP-6AA・実売価格4,000円)がオプションで用意されています。これで録音時間を3倍に伸ばすことができます。
 それならば、USB給電できるモバイルバッテリーが利用できないか、考えてみました。手持ちのAnker PowerCore 10000(2,599円)を使ってみました。10,000mAhの容量がありますから、理論上はエネループ5本以上のエネルギーがあるはずです。
 その場でスイッチを入れ録音を開始させる長時間録音は可能でした。しかし、タイマー録音はできませんでした。
 S木♂さんが、この原因を解明してくれました。多くのモバイルバッテリーは、オートパワーオフの機能があって、本体の電源が切れると自動的に給電されない仕組みになっているそうです。微弱のでパワーを長時間使うような機材では、使用できないことになります。タイマー録音の待機中は、電源が切れている状態になるのでタイマー時間になっても起動しないとのことでした。
 そのため、S木♂さんはオートパワーオフの機能のないモバイルバッテリーを探してくれました。紹介されたのは、 サンワダイレクト700-BTL039M(2,980円)です。10,000mAhの容量がありますので、理論上は20数時間録音可能で、1回3時間のタイマー録音ならば1週間は可能なことになります。ここまでは検証していませんが、すくなくともタイマー録音でも使用可能なモバイルバッテリーであるところまで確認しています。

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 DR-05にサンワダイレクトのモバイルバッテリーをつけてところです。バッテリーのほうが大きいのがちょっと・・・

DR-07かDR-05か

 前回、記事にして以来DR-07かDR-05か、どちらが良いかの問い合わせをいただいています。マイクに指向性があるけれど録音ボリュームの低いDR-07、指向性がないけれど録音ボリュームが比較して大きなDR-05、どちらがよいかということになります。
 ただ、録音ボリュームが低いDR-07を増幅させて同じレベルまで音を大きくしても、音の質は変わらない印象があります。また、タイマー録音をしてDR-05のそばに鳥が来て鳴いてくれた時の音の響きは、なかなかのものです。
 カメラのレンズで例えるならば、DR-07は画面のなかで鳥は小さいけれど、トリミングして拡大して見れば良い。DR-05は広角レンズの撮影で、すぐそばに鳥が来て大きく撮れたときの感動を味わえるということになります。
 結果、甲乙付けがたいのですが、よりステレオ感のある音で癒やし系の音を録りたい、目的の音源を中央に持っていくことのできる手持ちでの録音が多いならばDR-07、周辺で鳴いている野鳥たちの種類を確認するデータ収集が主のタイマー録音が多ければDR-05といったところでしょうか。

価格
 2019年9月26日現在の価格コムの最安値は、DR-07MKII-JJが14,179円、DR-05VER2-JJが1,2153円と、どちらも1万円台で実売されています。タイマー録音では、野外に少なくとも一晩、場合によっては数日間放置しておくことがあります。そのため高額の機材では、万が一のことを考えるとためらいます。
 万が一とは、大雨などによる損傷から、タヌキなどの野生動物にいたずらされるなど、経験しています。
 人によって価値観は異なると思いますが、1万円台ならばゆるされる人は多いのではないでしょうか。それでも、いつも1万円札を置いているつもりで設置しています。

ご注意:念のためにお買い求めの場合は、型番を確認してください。現在タイマー機能があるのは、TASCAM DR-05 VER3、 TASCAM DR-07MKII VER2の2機種です。(終わり)

 

2019年9月29日 (日)

TASCAM DR-07 & DR-05 試用リポート4

その他の報告
・音
 マイクが大きいだけに、音がしっかりと録れる感じです。音質は、飾り気のない素直な印象を受けます。
 ウグイスのさえずりのまろやかな感じは、そのまま録れます。低いフクロウの鳴き声もしっかりと録れていました。
 全体にある環境音のノイズは、ムラがなく一様にひろがっていました。他社機種によっては、ムラが出るものがあります。これは、聞いて違いがわかるものではないのですが、スペクトル表示をするととても気になります。
 DR-07はマイクに指向性がありますが、ガンマイクのようなシャープな単一指向性があるわけではありません。そのため、後ろの音も入ります。この指向性はステレオ感を得るためくらいの実感です。DR-05は、無指向性といえども左右で鳴いている鳥の声を聞き分けることができます。
 サンプル音源を上げておきます。タイマー録音で収録したものです。いずれも、元のフィルから切り出しmp3に変換しただけです。ボリュームの調整や低音ノイズの軽減、ノイズリダクションをかけるなどの編集加工はしていません。
 DR-05です。エゾムシクイの高い声が透き通るように録れていました。

 DR-07です。オオルリのきらびやかな感じをとらえることができたと思います。マイクを向けた反対側、さらに遠くで鳴いているニワトリの声も入りました。

・デザイン・外装
  全体のデザインは録音機らしく、しっかりした作りになっていると思いました。チープ感はないです。大きなディスプレイも見やすく、私程度の老眼であれば見えます。ボタンのクリック感も問題ないと思います。
 以下、気になったところです。
 電池蓋が、はずれやすいのがちょっとといったところです。落とすと外れてしまいます。また、いつの間にか開いていたこともあります。
 メモリーを挿入するスロットの蓋が閉めにくく開きやすいです。本体がプラスチック、蓋がゴムのために、ゴム部分が浮き、引っかけると開いてしまいます。また、閉めた時のノッチがぴったり収まらず、これも開く原因となっていますので注意が必要です。
 DR-07については、マイクの角度を変えられますが、クリックがなく簡単に動いてしまうために、ジャマーの装着時に動いていることがありました。

・ジャマー
 野鳥録音では、ジャマーは必携です。野外では、必ず風が吹いています。とくに、昼を過ぎると風はかなりの確率で吹きます。また、録音ボリュームを最大にしているために、少しの風でもマイクが反応し「ボッボッ」という音になります。これらを少しでも改善するために、ジャマーが必要になります。
 今まで、いろいろな録音機にジャマーが付いていたりオプションで用意されていました。しかし、だいたい付けにくく取れやすいものでした。あるいは、とても高いものでした。DR-05、DR-07用のオプションで用意されているジャマーは、付けやすく取れにくい仕様になっているので使いやすいです。それに、1,200円とリーズナブルです。本体購入と同時にジャマーも買っておくことをお勧めします。(つづく)

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  大きなジャマーは、効果が期待できます。

2019年9月28日 (土)

TASCAM DR-07 & DR-05 試用リポート3

録音の実際
 ■マークの「電源」を長押しすると起動します。
  DR-05、DR-07とも起動が速いのがうれしいです。デフォルトの4Gをさして起動させると2秒。16Gをさしても同じですからメモリチェックを行っていないのでしょう。ちなみにYAMAHA W24が4Gで3~4秒、16Gで7秒。一呼吸遅れます。実は、このわずかのタイミングで録り損なうことがあります。気がせくとなおさら。早い起動は、ストレスがありません。
 つぎに、赤い●を押せば、録音のスタンバイとなり、右上の「録音中」のランプが点滅します。この間に録音ボリュームを調整します。右の▶▶でプラス。左の◀◀でマイナスになります。どちらかを押すと「入力レベル」という窓が表示され、90が最大です。なんで100でないのか不思議です。よほどのことがないかぎり、最大の90で録音してます。とくに、DR-07は録音ボリュームが低いため、録音ボリュームを下げて録音するような状況は今までありませんでした。近くで鳥が鳴いてくれても、音が割れることはないでしょう。
 録音ボリュームは、基本最大にしています。調整する余裕があれば、左のピークの赤いランプが点灯しない程度に調整します。あるいは、レベルメーターの▼マークのあるところを超えないようにレベルを調整します。
  そして、再度赤い録音ボタンを押すと、録音がはじまり、点滅していた録音中の赤いランプが点灯したままになります。重ねて録音時間が進んでいくことを確認します。
 鳥が鳴いていたらすぐに録音する場合が多いと思います。そのため、電源を入れたら録音ボタンを2回押して、とにかく録音するという動作に慣れておいた方が良いと思います。また、レベルメータが動いて音が来ていること、録音時間のカウンターが進んで録音されていることを確認するクセを付けておくと失敗が減ります。
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タイマー録音機能
 写真は、タイマー録音の設置の例です。
 「タイマー録音」がメニューの2ページ目にあるのは、ありがたいです。
 設定も開始時間と終了時間、設定で回数を決めて、▶でOKなのは簡単に設定できます。
 ただ、最初は失敗しました。
 原因は、タイマー設定をしてから、ほかの設定が気になってメニューに行くためには■を押さなくてはなりません。これは、同時にタイマー録音を設定しない=「いいえ」になってしまい、タイマーが解除されてしまうことに気が付きませんでした。
 たとえば、タイマー設定をしたあとに時間設定があっているか、録音形式は大丈夫かと思ってメニューに行くと、結果タイマー設定を解除してしまうことになります。最初、これがわからず録音されていませんでした。
 また、設定したあと、ディスプレイは表示されますので、これを消すために■を押してしまい、タイマー録音が不可になってしまうことに気が付きました。これは、設置前に気が付いて回避できましたが、ミスを誘う危険が大です。
 実際のタイマー設定は、午前3時~6時とし3時間、録音形式48kHz/16bitで2Gになります。この設定で、DR-07で7回、DR-05で6回使用しました。
 タイマー録音は、プラスチックケースに入れて本体部分はケース内、マイク部分はケースの外に出た状態(ジャマーを装着)です。このケースの木の根元、岩の下などに置きます。基本、前日の夕方に置いて翌日の朝に回収します。
 幸いにして降雨にあうことはありませんでしたが、ジャマーが朝露に濡れ湿っぽくなっていることは、数回ありました。この時の録音を聞いて見ても、ノイズが入ることはなく問題なく録音されていました。(つづく)

2019年9月27日 (金)

TASCAM DR-07 & DR-05 試用リポート2

準備
 2機種には、本体に組み込んである内蔵メモリはなく、メモリスロットに4GのマイクロSDが添付されています。そのまま4Gでも、48kHz/16bitで約6時間の録音が可能ですから、日帰りの録音行では十分な容量となります。また、早朝3時間のタイマー録音を行ったとしても2日分の録音が可能となります。
 今回、さらなる長時間録音をする可能性がありますので、TOSHIBA MicroSD HCⅠ 16GBを換装して使用しました。これでおよそ24時間の録音が可能となります。なお、カタログには「microSDHCカード(4GB~32GB)」とあり、32Gまで装着可能です。この場合は、バッテリーに一工夫必要ですが、約48時間の録音が可能となります。タイマー録音で早朝3時間録音した場合、16日間録音を続けることができます。
 なお、下記にメーカーで動作確認されたメディア一覧がありますので参考にしてください。
 https://tascam.jp/jp/product/dr-05/spec
  バッテリーは、単3アルカリ電池が添付されています。カタログ値では、44.1kHz/16bitで約17.5時間録音が可能となっています。エネループの場合は、約15.5時間となっています。エネループ使用で、48kHz/16bitの場合でも少なくとも10時間以上、稼働するはずです。実際に2年物のエネループを使用しての実測では、DR-07で12時間50分録音できました。

Up1070632 設定
 私なりの設定ですので、これでなくてはいけないと言うことではありません。参考にしていただければと思います。
 停止■マークを兼ねた電源ボタンを押し起動させます。
 メニューボタンを押してメニューを表示します。最初に「録音設定」があり、再生の▶マークを押します。基本、▶マークがリターンキーの役割、■マークがエスケープキーの役割です。
 以下、設定を列記します。
 録音形式:WAV 16bit
 サンプル:48k
 チャンネル:ステレオ
 録音サイズ:2G ※( )内に3:06と表示され3時間6分録音できることがわかる。
  マイク電源:オフ
 低域カット:オフ
 事前録音:オフ ※オンにすると、スタンバイの数秒前から録音されますが、ガサガサしか録れない。
 自動トーン:オフ
 その他は、適宜
  「再生設定」は、適宜。
 「ファイル/フォルダー」は、適宜。
 「タイマー設定」は、次回詳しく解説します。
 「スピーカー設定」は、オン。
 「その他」では、「ファイル名設定」で
 タイプ:日付にします。これで、たとえば2019年3月29日に録音した最初のファイルは、ファイル名が190329_0001となります。
 「日時設定」は、タイマー録音のことを考えて、ていねいに間違いのないように設定してください。
 「システム設定」では
 自動電源制御:5分 ※起動させておいて使用しない場合5分で電源が切れます。
 バックライト:10秒
 画面の濃さ:5
 電池タイプ:Ni-MH  ※エネループの場合です。
 SD初期化:念のために使用する前に完全初期化をいたしました。
(つづく)

2019年9月26日 (木)

TASCAM DR-07 & DR-05 試用リポート1

はじめに
 このたび、ティアック株式会社より、TASCAM DR-07とDR-05にタイマー機能を付けたデモ機をお借りすることができました。そのため、2019年4月~6月の間、栃木県日光などでのフィールドで試用いたしました。加えて日本鳥学会にて、お店を出していたティアックにてDR-05を購入。それらを元に使用リポートを連載いたします。
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 まずは、野鳥録音とはどんなものなのか、まえがきです。
 たとえばスズメくらいの大きさの鳥ならば、嘴から尾の先までがわずか15cmしかありません。さらに、この喉の奥にある鳴管、小指の先もないくらいの器官が出す”音”を録音する作業となります。それも近くて10m、だいたい2,30m、ときには数100mも離れたところから録音します。当然、野鳥のいるところは自然が豊ですから、水や波の音など環境音もにぎやかな中での録音です。ですから、風雨にさらすことを気にしながら遠くから高級なマイクで録るより、ここ数年で機能の充実したメモリ録音機を少しでも鳥に近づける工夫をしたほうが良い音が録れることになります。
 野鳥の鳴き声は、100Hzの低音から10,000Hzを超える高音まであります。また、一声で5,000Hzの幅のある音を出す種類もいます。そのため、高品位録音やマイク性能が試させられる音です。言い換えれば、野鳥の声がちゃんと録音できる録音機であれば、他の音はなんでも録れることになります。
 多くのメモリ録音機は、室内での会議や楽器演奏を想定して設計されています。そのため、Recボリュームが低い、耐久性に難があるなど、フィールド用に堪えない可能性があります。ただ、録音機は数多く出ているため、その中からフィールドでも使える録音機を探すことになります。
 野鳥録音をはじめて、最初は思うよう録音できません。多くの場合、「ゴーッ」という大きなホワイトノイズのなかで鳥がかすかに鳴いている音になります。その音を録音したときには鳥の声が大きく聞こえたはずなのに、鳥の声が大きく録れないのです。そのため、録音機が悪いではないかと思う方がよくいます。
 これは、脳が好きな音を選択して聞き、必要のない音をカットしているためです。それに対し、録音機は自然のままに録音しているための錯誤です。録音している時のノイズの状態を聞き取ることができるようになると、録音機の音が正しい音であることに気が付きます。
 そのため、自然のなかで聞いたよう=脳が選択した音のように編集加工することになります。自然な音に仕上げるためには、自然のなかで聞いた印象を頭に刻み込み、それを再現することになります。自然の体験なくてしては、編集加工をすることはできません。
 録音機には、編集加工して自然のなかで聞いたようにできる音源を確実に収録できるかが性能として求められることになります。
 また、森林の鳥は、夜明け前の暗いうちからさえずりはじめ、ピークは夜明け前後。関東地方の初夏ならば、3時45分から4時15分となります。そのため、3時に起きて、このさえずりのピークに間に合うように現着しなくてはなりません。そこでタイマー機能を活用し、前日に録音機を置いて翌日回収するタイマー録音が有効となります。
 鳥類の調査、習性を調べている研究者のなかに、1ヶ月、あるいは1週間放置して時間を有効に利用し、多くのサンプルを収集するという手法が広まってきています。なかには、無人島に1年間放置してどんな鳥がいるか調べている人もいます。それだけ、野鳥録音にはタイマー機能が必要です。
 なお、実売になった機種名は、TASCAM DR-05 VER3、 TASCAM DR-07MKII VER2の2機種となります。なお、以下本文では、DR-05、DR-07と表記しています。(つづく)

2019年9月20日 (金)

宝城寺で江戸時代からの井戸水を飲む

 本日は彼岸の入りですので、池袋の雑司ヶ谷にある宝城寺に墓参りに行って参りました。
 雑司ヶ谷墓地を抜けたところにある宝城寺は、江戸時代の元禄15年からこの地にある古いお寺です。ですから、江戸名所図会(1834~1836)にも載っています。台地の上は雑木林、現在は雑司ヶ谷墓地になっています。この台地の縁に宝城寺があって、下は田んぼが広がっていました。江戸名所図会の宝城寺の部分です。

Houjyouji2 宝城寺は、雨乞いのお寺として親しまれたと言われています。今でも境内に「祈雨日蓮大菩薩碑」が残っています。稲作中心の当時としては日照りがいちばんの災難です。平地部分は田んぼなのですから、日照り続きの時は祈りを捧げたことでしょう。
 また、境内には日照りの時も枯れることのない井戸があったと言われています。井戸は、今でもあります。昔懐かしい手押しポンプです。

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 この手押しのハンドルを上げ下げして水をくみ出すのが子どもの頃のお手伝いでした。
 隣には水道があります。飲み比べてみると、当然のことながら井戸水は冷たくて美味しい、江戸時代から続く井戸水かと思うとなおさら美味しく感じました。
 台地にあるお寺ですから「檀家さんが都電の護国寺の駅を降りて歩いて来るのが本堂から見えた」という先代の和尚さんが言っていました。ついこの間、戦後間もない頃の話です。今ではマンションが建ち並び、建物に囲まれてしまい想像すらできません。
 江戸名所図会の挿絵の風景が、和尚さんの話の片鱗をうかがえます。

2019年9月15日 (日)

日本鳥学会2019に参加-2日目

 本日も、北千住にある帝京科学大学で開催されている日本鳥学会に行ってきました。
 2日目で要領も掴めたので、聞きたい発表を聞いて、見たいポスターを見てきました。
 会いたい人もたくさんいたのですが、参加者が史上最高の800人もいるのですから、お会いしたかったのに巡り会えなかった方が何人もいて、残念でした。
 発表では、ぜひ聞きたかったのが濱尾章二さんの南西諸島のヤマガラの話です。シジュウカラのいる島といない島があって、それぞれシジュウカラのさえずりを聞かせるとどのように反応するかはとてもおもしろかったです。シジュウカラのいない島のヤマガラは、他のヤマガラだと思って反応するそうです。ヤマガラにも、鳴き声図鑑が必要なのかもしれません。
 ポスターはなんと言っても、越川重治さんのムクドリが営巣している巣箱にネコの糞を塗りつけるという発見です。けっこうやっているようで、今まで思いもよらない新知見です。推論ですが、臭いでヘビを除けているのではないかということです。これから、鳥の巣を見つけたら臭いをかいでみることにします。とくに、ムクドリ系は要注意です。また、家に帰ってから考えたのですが、ネコが日本列島に渡来してわずか数千年しかたっていないはずです。ムクドリとネコが出会って、とても短い時間にこの技を習得したことになり、いつからはじめたのか、どこでもやっているのかなどなど想像がどんどん膨らんでいきます。
 鳥学会での収穫品です。

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 左から日本野鳥の会のジシギTシャツ、タスカムのDR-05 Version3と、前にあるのはおまけのジャマー、本の『世界の美しい色の鳥』は嶋田忠さんの写真展で入手したものに著者のシバラボさんにサインしてもらいました。谷口高司鳥絵工房謹製、鳥の正面顔コレクションのレンズ拭き。中央は、今回の講演要旨集となります。
 ある意味、学会はネタの宝庫です。講演要旨集だけでも、トリビア本が1冊できるくらいネタがつまっています。こうして発表されたものは、引用先を明確にして使えないこともありません。しかし、会場で聞いた話のなかには公表できないネタもあります。いずれ学会での発表を待つしかない、なんだか喉がむずむずしてくるようなおもしろい話もありました。
 おかげで、今日も喉が痛いです。

2019年9月14日 (土)

日本鳥学会2019に参加ー1日目

 本日は、北千住にある帝京科学大学で開催されている日本鳥学会に行ってきました。
 私は、東京周辺で開催されるときにしかいかないという不勉強者です。今回は、大学の隣の小学校はカミさんの母校ですし、北千住はお馴染みの街ですので、散歩がてらの参加です。
 今回、最大の参加人数とかで、どの発表も満席、ポスター発表もにぎわっていました。毎回、学会で感じるのは”若い人が多い”です。今回も同じです。仮に地元の学生さんたちをのぞいても、若い人が目に付きます。こうした若い研究者の方の発表に刺激を受けるのが、いちばんの目的です。
 また、昔なじみ懐かしい顔を見つけて生存確認をする意味もあります。東京近郊に住んでいる仲間はまだ参加していますが、地方からの重鎮の参加はほぼなくなりました。まわりを見回すと、おそらく私より年上は数人でした。ただ、同年代でもいまだがんばって面白い課題に取り組んでいる人もいるのですから、これまた刺激になります。
 うれしいのは、録音や鳴き声についての発表が多くなったことです。長時間録音やタイマー録音を駆使してデータを収集して分析するというのが、いくつもありました。それぞれ、おもしろい成果や新知見を得ているのですから、これからも期待したい分野です。
 共通の悩みは、たくさんデータは取れるけど分析がたいへんということで、これからの課題も見えてきた感じです。
 ここ数年の傾向として、関連グッズのブースが充実してきたことです。まるで、各地で行われているバードフェステバルのようです。鳥をモチーフにしたいろいろな品物につい財布の紐が緩みがちになります。今回、録音機のタスカムもお店を出して、タイマー録音ができるDR-05 VER3とDR-07MKII VER2をジャマー付きを割引価格で販売するという熱の入れようです。
 つい盛り上がって話をしていまい、今は喉が痛いです。
 皆さん、明日もがんばってください。
 

2019年9月13日 (金)

嶋田忠さんの写真展

 今日は、恵比寿の東京都写真美術館で開催されている嶋田忠さんの写真展に行ってきました。
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 実は、日本野鳥の会の安西さんから招待券をいただき、「行って見たら」というか「行け」とのご意向での来訪です。今まで、ずいぶん写真展には行っていますが、有料というのははじめてかもしれません。招待券で入館しての感想で恐縮ですが、お金を払って見る価値のある写真展です。
 写真の点数はもとより、見せ方がすごいです。シマフクロウを、暗いところで見たら迫力ありますよね。今更ながら、鳥って素晴らしい生き物だと認識させられます。
 展示の流れは、嶋田さんの出発点ともなったカワセミの写真集に収録された写真から、時代時代の傑作選、そして最近のゴクラクチョウの仲間まで並んでいます。いわば、見事な作品を楽しみながら、嶋田さんの写真人生を知ることができます。
 昔、私も制作に関わったカレンダーにお借りした写真も数点並んでいて、とても懐かしく思いました。もう、30年以上前のことですからフィルム時代です。それなのに今見ても、たぶんカレンダーに使いたくなる作品でした。
  嶋田さん、これからも素晴らしい作品を世に送り出してください。
 安西さん、ありがとうございました。

『嶋田 忠 野生の瞬間-華麗なる鳥の世界』
会期:2019年7月23日~9月23日
会場:東京都写真美術館 2階
住所:東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内
開館時間:10:00~18:00(木金〜20:00)
休館日:月(祝日の場合は翌平日)
観覧料:料金:一般 700円 / 学生 600円 / 65歳以上・中高生 500円 / 小学生以下無料
アクセス:JR恵比寿駅東口徒歩約7分、東京メトロ日比谷線恵比寿駅徒歩約10分
東京都写真美術館のURL:
 https://topmuseum.jp/contents/exhibition/index-3412.html

2019年9月11日 (水)

『朝の小鳥』スタジオ収録-10月は秋の信濃川

 本日は、浜松町の文化放送にて『朝の小鳥』の10月分のスタジオ収録でした。
 12年前に新潟県長岡市で講演を行ったあと、信濃川の河川敷でバードウォッチングしたときの音源を中心に構成してみました。鳥たちの鳴き声から少しでも秋を感じてもらえればと、いろいろ工夫をしてみました。
 今日のスタジオには、なぜかブドウが一房ありました。前の番組で紹介した残りとか。大きな粒は巨峰のようですが、皮まで食べられるというナガノパープルという品種でした。はじめて見ました。さっそく、いただくと甘い、味が濃い、昼前だったのですが5,6粒いただくと、お腹のたしになりました。
 ブドウを食べながら、「トビが朝鳴くと雨」という言い伝えに科学的な根拠があるのかをきっかけに気象予報士の鈴木純子アナに鳥と天候との関係の話、そして台風のなかで鳥がどうやり過ごすのかなど、話はつきませんでした。
 あと、なんと若い女性陣お二人は映画『イソシギ』はご存じありませんでした。シナリオのネタに「映画イソシギには、イソシギは出てきません」という一文を加えなくて良かった。

2019年10月 放送予定
10月 6日 トビ
   13日 モズ
   20日 イソシギ
    27日 カワラヒワ

2019年9月 8日 (日)

辻岡幹夫さん-追悼と著書の紹介

 辻岡さんには、2000年頃にカラス問題でお世話になりました。当時は、栃木県の鳥獣行政の担当課にいました。行政に携わる方は、面白いことに組織が大きくなればなるほど本音で語ってくれません。おかげで実情がわからず、問題解決につながらないことになります。そんな中で、本音で話してくれた数少ない役人でした。
 その後、一般財団法人自然公園財団の職員となり、日光湯元ビジターセンターの所長、さらに日光地区の総括となり、日光市霧降高原キスゲ平園地の運営にも関わっていました。戦場ヶ原やキスゲ平に行くと、よくお会いしたものです。立場上、デスクワークが多いはずなのですが、フィールドによく出ていました。その辻岡さんが、5月にお亡くなりになっていたとのこと。残念です。私と同じ1950年生まれ、ショックでもあります。
 ちょうど去年の今頃、霧降高原レストハウスでお会いした時には、おやせになりお疲れの様子だったので心配はしておりましたが、まさかお亡くなりになるのとは思ってもみませんでした。ご冥福をお祈りいたします。
 辻岡さんは、日光に関わる著書を書いています。最近のものをご紹介いたします。
 気象予報士でもあるので、天気のことも詳しく『日光の気象と自然』というタイトルで、2年前に出版しています。日光に行くと、同じ関東地方でも東京とはまったく異なる気候とめまぐるしく変わる天気に驚きます。そして、日光特有の豊かな自然が、この気候にあることがわかる本です。日光の自然に関わる方は、ぜひお目通ししていただきたい本です。
Tujioka190907
『日光の気象と自然』
随想舎
2017年発行
1,944円
アマゾンのURL
https://www.amazon.co.jp/%E6%97%A5%E5%85%89%E3%81%AE%E6%B0%97%E8%B1%A1%E3%81%A8%E8%87%AA%E7%84%B6-%E8%BE%BB%E5%B2%A1%E5%B9%B9%E5%A4%AB/dp/488748349X/ref=sr_1_1?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&keywords=%E8%BE%BB%E5%B2%A1%E5%B9%B9%E5%A4%AB&qid=1567839937&s=gateway&sr=8-1

 辻岡さんの最後のお仕事となってしまいました。辻岡さんのフィールドのガイドブックです。数名の筆者が関わっていますが、辻岡さんの絶筆となりました。現場を知り抜いた方々が書いたガイドブックです。軽装本ですが、中味は濃いです。
『パークナビ奥日光・霧降高原』
自然公園財団
2019年発行
540円
アマゾンのURL。
https://www.amazon.co.jp/%E3%83%91%E3%83%BC%E3%82%AF%E3%83%8A%E3%83%93%E5%A5%A5%E6%97%A5%E5%85%89%E3%83%BB%E9%9C%A7%E9%99%8D%E9%AB%98%E5%8E%9F-%E6%97%A5%E5%85%89%E5%9B%BD%E7%AB%8B%E5%85%AC%E5%9C%92-%E8%87%AA%E7%84%B6%E5%85%AC%E5%9C%92%E8%B2%A1%E5%9B%A3/dp/4908007136/ref=sr_1_1?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&keywords=%E9%9C%A7%E9%99%8D%E9%AB%98%E5%8E%9F&qid=1567840051&s=gateway&sr=8-1

2019年9月 2日 (月)

夏鳥最後のさえずり、メボソムシクイ-日光

 関東地方の山なら、夏鳥で最後までさえずっているのは、メボソムシクイではないでしょうか。
 日光市内から日光連山を見上げると、キスゲ平がかろうじて雲の下にありました。さっそく行ってみると、雲が目線くらいにありキスゲ平の高い所と頭の上は黒い雲に覆われています。その雲の下をノスリが2羽飛んでいきます。雲が低いため、ノスリとの距離は近く翼の模様がよく見えます。この他の鳥たちはアカゲラ、ビンズイ、カケス、ホオジロ、シジュウカラ、ヒガラ、ウグイス、アカハラなどの姿や声に出会いました。そして、メボソムシクイがさえずっていました。
 PCM-D100で録音、ボリュームの増幅、2,000Hz以下のノイズの軽減、ノイズリダクションをかけています。

 5月に渡って来たばかりの頃の元気なさえずりとそう変わりないように聞こえます。もう1羽、遠くでさえずっていて、鳴き合っています。
 同じように遅くまでさえずるウグイスは笹鳴きになっていたので、本日聞くことができた唯一のさえずりです。
 以前、9月15日頃に雛に食べ物を与えるメボソムシクイを見たことがありますので、このシーズンは、まだ子育て中でなわばりを守るためにさえずっているかもしれません。
 こうしたメボソムシクイのさえずりを聞くと、今年も夏鳥のさえずりとはお別れ、また来年のお楽しみと実感します。

2019年9月 1日 (日)

コジュケイの鳴き声-日光

 雨間をぬって日光に行って来ました。3泊4日のうち1日はほぼ雨、それ以外の日も雨雲レーダーを見ては隙間を見て出かけました。
 雨が止んでいる時間が短そうなので、近くの大谷川の川原を歩いてみました。日光では、数えるほどしか出会いのないカワセミが目の前を飛んでいったり、オオタカが飛び出し気が抜けない散歩となりました。河畔林のなかを歩くと、葉陰を小鳥が数羽飛び交っていました。姿が見えたのは、翼が青いオオルリの雄の若鳥、それ以外は褐色に見えたものがいて、オオルリの群れのようです。足下には、ミズキの実が落ちているので、これを食べに集まっていたようです。
 鳴き声を録ろうと録音機を向けていると「コココ・・」となにかを打ち付けるような音が聞こえてきました。どこかで、工事でもはじまったのかと思っていると、どうも草むらから聞こえてきます。
 鳴かないオオルリをあきらめて、音のするほうに向かうと「チョットコイ」と1声、「コココ・・・」は、コジュケイでした。
  PCM-D100で録音、ノイズリダクションをかけています。

 この鳴き声で、すくなくとも5分くらい鳴き続けていました。
 「チョットコイ」と何度も鳴き続けるときは、音が重なっているので雌雄でのデュエットだと思います。「チョットコイ」はラブソング兼なわばり宣言でしょう。では、このココ鳴きは音が重なっていないので1羽が鳴いていることになり、どんな意味があるのでしょう。また、鳴いているのが雄か雌か藪の中なので姿が見えず確認することができないのが残念です。
 そういえば、日光に通いはじめた頃は車の前をコジュケイの群れが横切ったり、春になると近くの山から鳴き声が聞こえたりしたものです。ここ10数年は久しく、コジュケイの声を聞いていませんでした。雨の日光で、久しぶりの出会いとなりました。

 

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