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2019年9月30日 (月)

TASCAM DR-07 & DR-05 試用リポート5

バッテリー
  ディスプレイが大きくて見やすい分、また録音中は「録音中」の赤いランプが点灯することで、単3電池2本の割には、バッテリーの消耗が早いです。昔の録音機に比べれば十分なのですが、YAMAHA W24が単3電池1本で30時間録音可能であることと比較すると見劣りしてしまいます。
 いろいろな条件で思わぬ、バッテリーの消耗がありました。たとえば、一晩録音ではDR-07で12時間50分可能でした。しかし、同じDR-07でタイマー録音3時間を2回できた程度。DR-05では3時間1回のみでした。
 録り続けると12時間以上できるけれど、タイマー設定だと3時間ということになります。タイマー録音は、設定して10数時間放置されていることになります。その間、ディスプレイが表示され続けられているためバッテリーが消費されてしまうためでしょう。あるいは、私のエネループは1年物なのでその影響を受けやすいのかもしれません。
 ところで、DR-05、DR-07ともUSB端子(Mini-Bタイプ)があり給電が可能です。タスカムからは、単3電池6本を入れ、USB接続できるバッテリーケース(BP-6AA・実売価格4,000円)がオプションで用意されています。これで録音時間を3倍に伸ばすことができます。
 それならば、USB給電できるモバイルバッテリーが利用できないか、考えてみました。手持ちのAnker PowerCore 10000(2,599円)を使ってみました。10,000mAhの容量がありますから、理論上はエネループ5本以上のエネルギーがあるはずです。
 その場でスイッチを入れ録音を開始させる長時間録音は可能でした。しかし、タイマー録音はできませんでした。
 S木♂さんが、この原因を解明してくれました。多くのモバイルバッテリーは、オートパワーオフの機能があって、本体の電源が切れると自動的に給電されない仕組みになっているそうです。微弱のでパワーを長時間使うような機材では、使用できないことになります。タイマー録音の待機中は、電源が切れている状態になるのでタイマー時間になっても起動しないとのことでした。
 そのため、S木♂さんはオートパワーオフの機能のないモバイルバッテリーを探してくれました。紹介されたのは、 サンワダイレクト700-BTL039M(2,980円)です。10,000mAhの容量がありますので、理論上は20数時間録音可能で、1回3時間のタイマー録音ならば1週間は可能なことになります。ここまでは検証していませんが、すくなくともタイマー録音でも使用可能なモバイルバッテリーであるところまで確認しています。

P1080285
 DR-05にサンワダイレクトのモバイルバッテリーをつけてところです。バッテリーのほうが大きいのがちょっと・・・

DR-07かDR-05か

 前回、記事にして以来DR-07かDR-05か、どちらが良いかの問い合わせをいただいています。マイクに指向性があるけれど録音ボリュームの低いDR-07、指向性がないけれど録音ボリュームが比較して大きなDR-05、どちらがよいかということになります。
 ただ、録音ボリュームが低いDR-07を増幅させて同じレベルまで音を大きくしても、音の質は変わらない印象があります。また、タイマー録音をしてDR-05のそばに鳥が来て鳴いてくれた時の音の響きは、なかなかのものです。
 カメラのレンズで例えるならば、DR-07は画面のなかで鳥は小さいけれど、トリミングして拡大して見れば良い。DR-05は広角レンズの撮影で、すぐそばに鳥が来て大きく撮れたときの感動を味わえるということになります。
 結果、甲乙付けがたいのですが、よりステレオ感のある音で癒やし系の音を録りたい、目的の音源を中央に持っていくことのできる手持ちでの録音が多いならばDR-07、周辺で鳴いている野鳥たちの種類を確認するデータ収集が主のタイマー録音が多ければDR-05といったところでしょうか。

価格
 2019年9月26日現在の価格コムの最安値は、DR-07MKII-JJが14,179円、DR-05VER2-JJが12,153円と、どちらも1万円台で実売されています。タイマー録音では、野外に少なくとも一晩、場合によっては数日間放置しておくことがあります。そのため高額の機材では、万が一のことを考えるとためらいます。
 万が一とは、大雨などによる損傷から、タヌキなどの野生動物にいたずらされるなど、経験しています。
 人によって価値観は異なると思いますが、1万円台ならばゆるされる人は多いのではないでしょうか。それでも、いつも1万円札を置いているつもりで設置しています。

ご注意:念のためにお買い求めの場合は、型番を確認してください。現在タイマー機能があるのは、TASCAM DR-05 VER3、 TASCAM DR-07MKII VER2の2機種です。(終わり)

 

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コメント

たいへんご無沙汰しております。

初代DR-05(VERなし)を、2012年に7800円台という値段に魅かれて購入して以来、愛用しています。
近所での夜間の録音が多いのですが、夕方設置して録音を開始すると朝までニッケル電池でも十分可動してくれるので、DR-05は主力機種となっています。

タイマー機能がついたということをお聞きしたので、VER3も購入して家のベランダから早朝のタイマー録音を試していたところです。

今更ながら知ったのですが、VERなしの古い機種でもTASCAMのWebサイトから最新のファームウェアをダウンロードしてインストールすると、VER3にアップデートが出来ます。日本語表示でタイマー機能が使えるようになったので、徳をした気分です。

A部♂様
 ご無沙汰です。
 今年の野鳥のベストシーズンはなかったものと諦めています。
 DR-05のベースって、8年も前の機種だったのですね。
 フォームウェアをバージョンアップするとタイマー録音が可能になったのは、去年の10月からです。去年の秋に行われたジャパンバードフェスティバルでのTASCAMのブースでは、無料でバージョンアップしてくれました。
 新機種にタイマー機能を盛り込んでくれると良いのですが。
 
 
 

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