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2019年12月

2019年12月31日 (火)

チュウヒの鳴き声を発掘

 大晦日は、六義園は休園ですし、どこに行っても混んでいますので、録りだめした音源の整理をしていました。
 蒲谷鶴彦先生は、ご自身の過去の録音から新たな種類の鳴き声を見つけ出すことを発掘すると言っていました。膨大な先生のコレクションの足下にも及びませんが、長時間録音でただただデータ量の多い私の音源も発掘甲斐があります。
 ということで本日、発掘できたのはチュウヒの鳴き声です。
 2011年12月31日、まさに今から8年前の今日です。場所は、埼玉県芝川第一調節池です。このときは、29日から31日までタイマー録音を仕掛けました。YAMAHA W24は午前5時~8時、OLYMPUS LS-7は午前5時~8時と午後15時30分~16時30分の2パターン。20時間を超えるデータがあります。そのため、ざっとしかチェックしていませんでした。また、名前のわからない鳴き声は「不明」としたままで調べていませんでした。
 今日、不明とされたなかのひとつを聞くと、どうも聞いたことがある声がありました。
 猛禽ぽいことから芝川名物のチュウヒにあたりをつけて『鳴き声ガイド日本の野鳥』に収録されている竹森彰さん録音のチュウヒの声を確認すると、ぴったり一致しました。さらに確認のためにバードリサーチのサイトにある「鳴き声図鑑」、xone-contoでも同じように聞いてみると、間違いなく同じに聞こえます。声紋も、同じようなパターンを見てとれました。自己弁護をしますと、2011年当時はチュウヒの声が公表されていたものはなかったはず。わからないのも無理ありません。蒲谷先生も「チュウヒは何となくのだろう。録って名前の由来になったか確認したい」とおっしゃっていました。
 OLYMPUS LS-7で録音、ボリュームの増幅、2,000Hz以下のノイズの軽減、ノイズリダクションをかけています。 


 チュウヒは何度も見ていますが、鳴いているのを聞いたことはありません。竹森さんからは、ネグラ入りする時に鳴くことがあると教えられていました。しかし、冬の夕方の寒い中、そして今日のように風の強いことが多いので録音できないだろうと、チュウヒはあきらめていました。
 今回、発掘したチュウヒの鳴き声が録音されていたのは午後4時です。日没まで30分ですから、夕方の雰囲気の中、ねぐらに戻ってきたところで鳴いたことになります。また、鳴き声は4分にわたり15回鳴いています。教えられたとおりネグラ入りのときに、よく鳴いていました。
 来年は、ぜひとも生でチュウヒを鳴き声を聞いてみたいものです。

追記;録音仲間の「野原から」さんが、正月早々にチュウヒの鳴き声を聞きに行ってくれました。彼のブログの記事してくれましたので、ご覧ください。
下記のURLからどうぞ。
http://blog.livedoor.jp/gnohara/archives/9441655.html


 

2019年12月30日 (月)

一度に2つの声を出せる-クロツグミ

 以前から気になっている野鳥の鳴き声についての課題があります。
 たとえば、『鳥類学』(2009・Frank B. Gill)の「鳥類は2つの独立した声をもつ」というコラムには、鳴管の左右の筋肉を別々に動かすことで異なった音を同時に発声して、よりさえずりを複雑にすることができると書かれています。翻訳本なので、具体的な例としてアメリカのモリツグミの声紋が載っています。
 日本の鳥で一度に違う音を出している例はないか、探してみました。
 ウグイスなど単純な節でさえずる鳥の声紋は見慣れていますが、声紋が重なって見えることはありません。おそらく、複雑なさえずりをするタイプの鳥が怪しいとオオルリやクロツグミに、あたりをつけて探してみました。
 音源をチェックすると、ヒヨドリやセンダイムシクイなどほかの鳥の声と重なっていたり、遠いために声紋が明瞭に出ないなど、思うようなサンプルを見つけるのは、たいへんでした。オオルリもクロツグミも、音が重なっているさえずりはなかなか見つかりません。基本、このような鳴き方をするタイプは少ないことは間違いなさそうです。
 最近のものから、チェックしていったのですが、昔に録音したクロツグミにそれらしい鳴き方をするものを見つけました。
 栃木県日光で1997年5月29日に録音したもので、まだDATの時代に外付けしたステレオマイクで録音しています。録音は23分28秒あり、この間休みなく鳴き続けていました。録音する前から鳴いていましたので、30分以上はさえずり続けていたと思います。
 このクロツグミは、節のパターンが10以上あり、これを不規則に繰り返していました。その節のなかにときどき声紋が重なっている部分がありました。なお、黄色の濃い部分と同じパターンで、上に出る色の薄いものは倍音で重なっている音ではありません。違うパターンで、同じ濃さの黄色が2つめの音です。
 以下、声紋とその部分の節の音源を上げておきます。なお、天地は0~24,000Hz、左右はそれぞれ違いますが、5秒程度です。
 1パターン。

Japanese-thrush1_20191230111901
 なかほどの「チュイーッ、チュイーッ」と聞こえる部分で、音が重なっていました。

 2パターン。

 Japanese-thrush2

  後ろのほうの「チーッ」という短い声の部分で、重なっています。

  3パターン。

 Japanese-thrush3

 後ろ部分の「チューチチ、チーッ」と2つの句で、重なっています。

 このような2つの音が重なった節は、ときどき出てくるだけです。また、5,000Hz前後、あるいはそれ以上の高い音の場合にやっている傾向がありました。いずれも、野外で聞いて「今、重なった音で鳴いた」とわかるものではないと思います。
 よりさえずりを複雑にする手段として鳴管の左右別々に器用な雄がもてるのか、次の課題です

2019年12月25日 (水)

カワセミのシルバーブローチ

 日本野鳥の会はいろいろな形で寄付を募っています。
 寄付をするとピンバッチや銀製のブローチがもらえるシステムは、好評をいただいています。
 今年の5,000円以上寄付をしてくれた方へのプレゼントは、カワセミをモチーフとしたブローチです。
 じつは、担当者がまだカワセミをしっかりと見たことがないという新人のT田さん。それならば「カワセミをたっぷり見せてやる」と、大見得をきって安請け合いをしたのは9月のことでした。T田さんは、話の出た翌日に六義園に来てくれました。
 ところが、ご案内するとカワセミがいつもの止まり木にいません。安請け合いをしてしまったことを後悔していると「チーッ」と鳴いてカワセミが目の前に出現してくれました。一同、しっかりとカワセミを見ることができて、感動の一瞬でした。私は、顔を立ててくれたカワセミにはひたすら感謝です。
 というかかわりで、寄付をしてカワセミのブローチをゲット。純銀製なので高級感があり白いため、紺ジャケに合いました。

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 詳しくは、日本野鳥の会の下記のURLへ。
 https://www.wbsj.org/support/kifu/index.html#silver-brooch

2019年12月21日 (土)

デジスコ通信に投稿-自然は癒やされるか

 野鳥のさえずりは、癒やされるというのが”売り”です。
 こうした売りで少しでも野鳥ファンが増えて、自然に関心を持ってくれる人が増えればと思って活動しています。
 しかし、私は自然のなかに入ると、ちっとも癒やされません。どちらかというと、緊張感を強いられることの方が多いのです。気の小さな私は、怖くてしょうがないこともあります。それなのに、山や森の中をまた歩きたくなります。自然の魅力は、自然の脅威を知ってこそ、楽しめるのかしれません。
  という話をデジスコ通信に投稿いたしました。ご高覧いただければ幸いです。
 http://www.digisco.com/mm/dt_115/toku1.htm

 過去に投稿したコラムを下記のURLで、読むことができます。
 http://www.digisco.com/library/yacyo/index.htm

2019年12月17日 (火)

ジョウビタキの課題

 気になっているけど、なかなか確かめられないことがいくつかあります。
 場所によってジョウビタキの雌と雄の出会いの頻度の違いです。私は、東京で六義園、栃木県の日光でバードウォッチングをする機会が多いのですが、この2ヶ所を比較しても雌雄の偏りがあると感じています。いずれもカウントしての比較ではなく、あくまでも個人の印象です。
 たとえば、都心の文京区にある六義園では、ジョウビタキは雌のほうが多いのです。もちろん、雄もいないわけではないのですが、ざっと印象として雌3~4羽に対して雄1くらいの割合です。現在、六義園には1羽のジョウビタキがいます。中之島を中心になわばりをかまえているのは雌です。
 それに対して、日光の所野の住宅地や大谷川の川原で会うジョウビタキは雄の方が多いのです。先週末の日光では、大谷川の川原であった2羽はいずれも雄でした。写真は、そのうちの1羽です。
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  1984~1991年の六義園のセンサスデータをチェックしたら、ほぼ毎年ジョウビタキを記録しているものの雄はわずかの2例しかありませんでした。7年間ありますので、ざっと雌5:雄2で、実感に近い比率となります。
 日光では、センサスをしていないのであくまでも印象となりますが、数字的には逆となります。日光以外の東京周辺の記憶をたどると、北本自然観察公園では雄が多かったと思います。葛西臨海公園や芝川第一調節池は、5:5の印象です。観察記録と写真記録をざっと見た感じです。ただ、写真記録はきれいな雄のほうが熱心に撮っていますので、あくまで参考です。
 なぜ、都心に雌が多く郊外から地方は雄が多いのか。勝手に推測します。
 実は、雌が強く暖かくて食べ物の多い都会を占領しているためで、雄は追い出されて都心に入ってこられないというのはいかがでしょうか。
 もう一つ考えられるのは、警戒心の薄い雌が人の多い都心でも生活できるけれど、警戒心の強い雄は入ってこられないということも考えられます。というのも、六義園と日光では、ジョウビタキとの距離に違いがあります。日光で出会うジョウビタキは雌雄に関わらず警戒心が強く近づかせてくれません。また、六義園で見られる雄は近くまでやってきてくれます。
 などなど、まだいろいろな推論が考えられると思いますが、ご参考にしてください。
 ということで、日本野鳥の会では「見つけて!”ジョウビタキ”」キャンペーンがはじまりました。URLです。
   https://www.wbsj.org/activity/event/dr-campaign-201912/
  ジョウビタキを探して、寄付をすると可愛いジョウビタキのバッチがもらえます。ジョウビタキ好き、ピンバッチ好きにはたまらないキャンペーンです。
 私は、ジョウビタキの声紋表示で協力いたしました。ちなみに、動く声紋です。是非ご覧ください。

2019年12月12日 (木)

『朝の小鳥』スタジオ収録-来年1月は江戸の鳥たち

 蒲谷鶴彦先生から文化放送の『朝の小鳥』を引き継ぐ時、先生から「松田さんは、江戸のことも詳しいからシナリオに盛り込むと良い」と言われました。しかし、番組のコンセプトと流れから、頭の片隅にあったものの江戸の話で番組を構成したことはありませんでした。
 番組を担当して15年目にして、やっと江戸の鳥たちで番組を構成してみました。もちろん、江戸時代に行って録音できませんので、たぶん江戸に住む人たちが聞いたと思われる鳴き声です。
 1月5日は、まだ松の内ですから、めでたくタンチョウです。かつてのディレクターのS木さんからは、正月はぜったいにツルでお願いしますと言われ、必ずその年の最初はツルの鳴き声ではじめました。ディレクターが交代して5年、久し振りのタンチョウの鳴き声で新年を迎えます。
 この他、都鳥として親しまれたユリカモメ、トキは家の近くの文京区六義園で繁殖していました。そして、春の到来を知らせるウグイスです。どうぞお楽しみください。

2020年1月 放送予定
1月 5日 タンチョウ
  12日 ユリカモメ
  19日  トキ
  26日  ウグイス

2019年12月 8日 (日)

カモ類の変遷を絵はがきから探る-上野不忍池

  六義園では資料となる絵はがきの点数が少ないので、説得力にかけます。
  ということで、絵はがきの多い上野不忍池で調べて見ました。
  まず、私が撮った1974年2月9日の写真です。

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 当時は、オナガガモがこのように多かったのです。上野動物園の飼育係の人がボートを出して餌を撒いていました。その時間をあらかじめ聞いての撮影でした。こうして、集まるのはほとんどがオナガガモで、少し離れたところにオシドリが数10羽いて入園者が与える餌をもらっていました。この他、キンクロハジロとホシハジロは池の真ん中に集まり寝ているというのが不忍池の風景、当時は池中がカモであふれているという印象です。
 1970年代の不忍池は、カモ類が多かっただけにトモエガモ(1973年)、アカハジロ(1973年)、クビワキンクロ(1977年)などの珍鳥も記録されています。
 ということで、絵はがきを調べて見ました。「不忍池 絵はがき」で画像検索すると、今度はたくさんありすぎて見るのがたいへんでした。横書きの文字が右から書かれていますので、少なくとも戦前、紙質や印刷の具合から昭和初期ではないかと思います。写真製版が一般的になり、絵はがきも普及した時代ということにもなります。
 博覧会などのイベントや蓮が茂った夏の風景をのぞき、雪景色やバックの木々の枯れている風景を探しました。
 それでも、かなりの点数になるのですが、カモの群れは写っていませんでした。

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 蓮池の東側の北端から、弁天堂をのぞんだ風景です。現在、いつも屋台が並んでいるところです。蓮が枯れていることから冬から春ですが、カモは見当たりません。

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 かろうじて、カモが写っていたものです。タイトルも「不忍雪の鴨」です。弁天堂あたりだと思います。右手手前にいるのはマガモのように見えます。中央は背中まで白いので、ホシハジロでしょうか。マツの頬杖の根元にいるお腹の白い小型のカモは何でしょう。この他は、特徴がわかりにくいカモの雌のようです。この1枚が、いちばんカモが写っていた絵はがきとなります。
 不忍池のカモの増減については、上野動物園による餌撒きの影響がかなり大きいと言われています。小宮輝之さんの『動物園ではたらく』(2017)によると、カモへの給餌は戦後の古賀忠道さんが園長の時代にはじまったそうです。1958年からはじまり、10年ほどでオナガガモが集まりはじめたとのこと。ということは1968年頃にオナガガモが集まり始めて、1970年代にかけて多かったことになります。
 ですので、絵はがきのように戦前の不忍池は、それほどカモは多くはなかったと推測されます。
 話は、いっきに江戸時代に飛びます。

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 歌川広重の『絵本江戸土産』の「不忍池」です。『絵本江戸土産』は、1850(嘉永3)年から1867(慶応3)年にかけて制作されていますから、江戸後期の風景です。当時、流行った鳥瞰図で上から見たように描かれています。以前、池之端の料理屋の5階から見たら、同じように見えました。江戸時代は、見ることのできないアングルのはずですが、見事に描かれています。
  池の中には、弁天堂に続く道があるだけで、現在のように池が3分割されていません。上に書かれた文字には「(前略)冬は鴨雁蝿の如く水に戯ぶれ、浪に遊ぶ(後略)」と書かれています。カモやガンがハエのようにいたことになります。水面の点々は、ガンやカモなのでしょう。「浪に遊ぶ」という粋な表現と「蝿のごとく」のミスマッチが、江戸風なのでしょうか。
 いずれにしても、江戸時代の文献を見ると、江戸市中の赤坂の溜池などの池には、ガンやカモ、そしてハクチョウが多数渡来していたように伝えられています。
 ツルやトキが乱獲されていなくなった明治から大正の狩猟の暗黒時代は、ガンカモ類にまで及んでいたのかもしれません。
 わずかな資料からいろいろ推測する楽しみに、このところ惹かれています。
 おつきあいありがとうございます。

2019年12月 7日 (土)

カモ類の変遷を古い絵はがきから探る-六義園

 今年は、六義園に渡来するカモ類は、ここ数年では多いほうです。
 写真は、昨日の吹上浜から見たようすです。キンクロハジロが優占していて、ホシハジロが混じり、マガモが多めでハシビロガモもいます。カルガモは、紀ノ川のほうに10数羽いて、合計で100羽前後になります。
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 これでも、かつてのキンクロハジロの最多数2,570羽(1989年12月2日)に比べれば、寂しい感じがします。そのときは、この水面がキンクロハジロで真っ黒となり、マガモやオナガガモは芝生の上に追いやれていました。
 当時は、キンクロハジロが多かった上に東京湾での銃猟が行われており、狩猟解禁の11月中旬より急激にふえるために内陸に避難してくるのではないかと推測していました。
 鳥の記録のある戦後だけでも、優占種がヒドリガモ→オナガガモ→キンクロハジロ→カルガモ、そして現状のキンクロハジロと変化しています。
 戦前の状況は、どうだったのか記録がないだけに推測するしかありません。
  以前、六義園の開園当時の古い絵はがきをネットオークションで手に入れました。
 岩崎家から東京市(当時)に寄付され開園したのは、1938(昭和13)年10月16日ですから81年前のこと。開園を記念して作られたとされている絵はがきは、現在3種類見つかっています。写真は、開園当時のものと考えて良いでしょう。いずれも池を中心に撮影されていますので、カモが写っていないかチェックしてみました。
 
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 1枚目は、昨日撮影したところの反対側から写した吹上茶屋を中心にしたアングルです。今もある大イチョウは空が透けて見えますから、落葉しているので秋から冬です。しかし、カモの群れは写っていません。ちょうど、吹上茶屋の前あたりに2つ水面に浮かんだものが見えますがカモでしょうか。少なくともカモの群れはいません。

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 2枚目は、昨日撮影したところとほぼ同じところからやや左にアングルをふって撮影されています。奥の建物は心泉亭ですが、建物は今より小規模です。多くの木々が茂って見えるほか、手前のヨシが芽吹いてきているのがわかります。現在ですと、4月下旬から5月初旬の感じです。キンクロハジロの終認は比較的遅く、連休過ぎのこともありますので、いれば写っている可能性があります。しかし、それらしい姿はありません。

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 3枚目は、出汐湊から中之島に渡る仙禽橋を中心した風景です。手前や右奥にある何本もの頬杖で支えられたクロマツは、今はありません。この風景から季節を推し量るのは難しいですが、木の茂り具合、芝生に落とすクロマツの影の濃さから初夏から夏の印象です。もし、カモがいたら繁殖の可能性のあるカルガモですが、残念ながら写っていませんでした。
 たった3枚、冬らしい風景は1枚ですから、そこから戦前の六義園にはカモ類はいなかったと結論つけることはできません。しかし、当時の東京のカモは少なかったのではないという話を次回は上野不忍池で検証してみます。(つづく)

2019年12月 5日 (木)

日本野鳥の会神奈川支部の「BINOS 第26集」

 日本野鳥の会神奈川支部より、研究論文集「BINOS 第26集」が送られてきました。
 Binos1
 毎年のことながら、ありがとうございます。
 論文4編、観察記録8編、調査記録3編が収録されています。この他、神奈川支部の行事や活動報告もあります。A4版112ページ、立派なものです。
 4編の論文のうち2編が、タイマー録音を駆使してのデータ収集を行っています。とくに、巻頭を飾ったこまたんと吉村理子さんの「行徳野鳥観察舎に保護されているアオバトのタイマー録音による鳴き声調査-はじめての繁殖期を迎えた前年生まれの個体の鳴き声」は、飼育下のアオバト幼鳥の鳴き声を8ヶ月にわたって録音しています。同じようにこまたんの「多摩動物公園におけるアオバトのタイマー録音による鳴き声調査-飼育下における鳴き声の季節推移とのその機能についての考察」では、雌も鳴くことを知りました。そして、それほど雄も鳴かないことも確認されました。どうりで、なかなか録音できないわけです。
 この他、観察記録の牧野田節子さんの「神奈川県大磯町高麗山におけるコウライウグイスの観察記録」は、録音データから声紋による確認をしています。これには、私もアドバイスをしたために謝辞を賜りました。
 この他にも興味深い発表が収録されています。
 どうぞ、詳しい内容、お申し込みは下記のサイトでご確認いただければと思います。
  http://wbsjk.blogspot.com/
  なお、2019年12月5日現在、まだ26集の内容、申し込みについての情報はアップされていませんが、いずれアップされると思います。

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