アブラコウモリの初認-六義園
六義園に向けての一晩録音を続けています。
昨夜の成果は、アブラコウモリの鳴き声です。
時刻は11時56分頃です。17秒間にわたって29回鳴いています。一晩で、これだけしか録音されていませんでした。多少の遠近、音の高い低いがありますので、もしかしたら2匹が鳴いているのかもしれません。
音は、19,000~21,000Hzにあるため、mp3に変換したら失われる音域ですし、普通のスピーカーでは再生が難しい音の高さです。無理矢理、増幅させてヘッドフォーンで聞くと「ビュッ」とか「ジュッ」と聞こえます。
ここでは、声紋で表示します。TASCAM DR-05で録音、モノラルに変換してします。左右は12秒、天地は0~24,000Hzです。
六義園に向けての一晩録音は、4月7日より開始しています。この間、アブラコウモリの鳴き声を記録していませんので、これが初認となります。例年、アブラコウモリの姿の確認は梅雨入り前の5月下旬です。録音のほうが、少し早く記録できたのかもしれません。
以前、コウモリを研究している方が、アブラコウモリは冬眠から覚めた3月から飛んでいるはずといわれました。ですから、六義園での初認が遅いのは人の問題、私がビールを飲むためにベランダに出るようになってから見つけるいるものだと思っていました。
今回の音の記録から、4月は少なくとも飛んでいなかったことになり、ほぼ例年と同じ時期の出現であることがわかりました。
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アブラコウモリの鳴き声は45KHzと記憶していたのですが、こんなに低い声でも鳴くのを知って驚きました。
あらためて「コウモリ識別ハンドブック(改訂版)」をみると、コウモリの鳴き声は定位のためのエコーロケーション・コールだけでなく、個体同士のコミュニケーションで発するソーシャル・コールやコミュニケーション・コールがあるとのことです。
日本産のコウモリではあまり研究が進んでいないそうですが、アブラコウモリでは少なくとも9つのコミュニケーション・コールがあり、可聴域の周波数の声も確認されているとあります。
まつ様の録音されたのは、まさにこの可聴域の鳴き声の一つと思います。バットディテクターで観察すれば、もっと早い時期にアブラコウモリを確認できるのかもしれません。
日光でもまれに「チッ、チッ」という声を聴いたり、20KHz前後の周波数の鳴き声が録音されていることがあります。これらの主は、ヤマコウモリではないかと思っていたのですが、その他のコウモリのコミュニケーション・コールの可能性が高そうです。とは言え、日光市では16種類ものコウモリが確認されているそうなので、特定は難しそうです。
投稿: A部♂ | 2020年5月30日 (土) 22時58分
A部♂様
お元気そうでなによりです。
そうですね。コウモリの声のなかで、もっとも低い部分となると思います。この程度の音は、東京でも日光でもときどき入ってくる音です。
また、手持ちの録音機では192kHzでの録音が可能ですから、理論上96kHzの高さまで録音できるはずですので、45kHzあたりまでもフォローできると思います。ただ、マイクの性能がこの高さまで録音できるかどうかによりますが。
あと、高い音なので遠くまで届かないと思いますので、近くで録音する工夫が必要かと思います。
コウモリの声による識別は、海外のほうが進んでいますが、日本はまだですね。これからの楽しみということでしょう。
投稿: まつ | 2020年6月 1日 (月) 08時47分