『Raven Liteを用いた鳥声分析入門』
日本鳥学会では、鳴き声関連の発表が多くなりました。パワポで使われている声紋を見ますと、アプリはRavenを使っている方をお見受けします。
先日、アマゾンでいろいろ検索していたら『Raven Liteを用いた鳥声分析入門』(石井直樹・自費出版)という本が出版されることがわかりました。さっそく、予約して入手しました。
Ravenは、ワタリガラスのこと。それだけに、鳥の分析には使えることになります。また、仲間内ではAudacityと並んで無料の音声解析ソフトとして知られていると思います。
1980年代に蒲谷鶴彦さんが購入した声紋解析の機械は数100万円、小さな机くらいのサイズがあり、分析できるのはわずか10秒ほどでした。私が録音をはじめた頃も、音関係のソフトは100万円の時代で、スタジオとセットになっている仕様でした。それが、今やタダ。自宅のラップトップでも分析できるようになったのですから、これは分析を楽しむしかありません。
私もときどきこれらのソフトを使うことがありますが、使い込んではいません。それだけに知らないことが多く書かれていて、たいへん勉強になりました。また、Ravenで何ができるのか基本が書かれているので、音声解析とは何かを知ることができます。とくに、声紋の表示から分析の方法、またそこから何がわかるのかなど、詳しく書かれています。この他、簡単な編集方法も解説されています。
また、有料(50ドル)のRaven Proには「鳴き声の自動検出」という機能があるとのことで、どれだけ有効なのか気になりました。
いずれにしても、録音機が1万円の時代です。無料の音声分析ソフトとセットで、野鳥の鳴き声の世界をより深めていただきたいと思います。そして、より野鳥の鳴き声を楽しめる本だと思いました。
« コルリの長い前奏 | トップページ | オオヨシキリを聞く-葛西臨海公園 »
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 奥入瀬のきのこ図鑑-紹介(2023.05.09)
- 鳴き声のモノサシ鳥-Birder誌(2023.04.15)
- 『朝の小鳥』スタジオ収録-5月は日光25年間の録音(2023.04.12)
- フォノシート『信州の野鳥』(2023.02.09)
- 『鳥屋の本読み』卒業(2023.01.24)
松田様
拙著のご購入・ご紹介ありがとうございます。
同書で、「オーストラリアのPalumaで囀っていた鳥」の声紋を紹介しました(p.80)が、この鳥は「ハバシニワシドリ」であることを、ケアンズ在住の鳥見案内人である松井淳さんに教わりました。 念のため、お知らせします。
投稿: 石井直樹 | 2020年7月21日 (火) 09時11分
石井直樹様
コメント、ありがとうございます。
松井さんとは心強いです。一度、仕事したことがありますが、たよりになります。
ブログ記事は、Facebookとリンクさせていますが、今までなくコメントが付きました。少なくとも4冊は買ったという方がいて、少しはお役に立てたようです。
投稿: まつ | 2020年7月22日 (水) 19時49分
松田様
いつもお世話になっています。
2021/05/06『奥入瀬渓流シダハンドブック』の記事を読んでいましたら、
ブログの書籍・雑誌の関連からこの本にたどり着き、購入しました。
少しずつですが、野鳥の鳴き声について学んでいきたいと思います。
今後ともよろしくお願いします。
投稿: T_Ohi | 2021年5月 7日 (金) 21時47分
T_Ohi様
Ravenは、声紋表示もできる無料ソフトですから、ファンも多いです。
それになにしろ、鳥の鳴き声を分析するために作られたアプリなのですから、使いやすいと思います。さらに本書を読むと、使い込めば奥の深いソフトであることがわかると思います。
これからが楽しみですね。
投稿: まつ | 2021年5月 8日 (土) 17時47分