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2020年10月23日 (金)

キビタキがまだいた-日光

 雑木林に置いた3台の録音機のなかでも、タスカムDR-05は成績がよくいろいろな小鳥の声が入っていました。50m離れて置くと、こんなにも違うかと思うほどです。
 入っていたのは、キビタキの地鳴きと思われる鳴き声です。タスカムDR-05で録音、2,000Hz以下のノイズの軽減、ノイズリダクションをかけています。

 「ヒッ、ヒッ」と連続する声を1分7秒間にわたって鳴いています。この間、なぜかイカルが同調して鳴き、この地鳴きいっしょに鳴くのをやめていました。
 最初は、季節柄ジョウビタキの地鳴きではないかと思いました。しかし、音域はジョウビタキは5,000~6,000Hzですが、この鳴き声は 3,500~4,000Hzと低く、キビタキの音域に一致しました。声紋パターンは、ジョウビタキは山型の波形、この鳴き声はボートのような波形で、キビタキのパターンでした。いずれも、ジョウビタキの「カッ、カッ」、キビタキの「グリグリ」という特徴のある節を入れない時の識別ポイントです。
 まだこの季節にキビタキが山のなかにいるのかという疑問があります。六義園あたりでは、はやければ9月にさかんに渡って行ってしまうのですから、男体山が冠雪しているこのシーズン、夏鳥のキビタキがいる不思議です。
 過去の経験からですと、中軽井沢の別荘地で11月3日にキビタキ♂を見たことがあります。この雑木林より標高500mは高いでしょう。かなり寒かった思い出があります。また、六義園でもっとも遅い記録は12月5日(1987年)があります。他の夏鳥に比べてキビタキの渡りの中には、遅いタイプのものがいるのは知られています。理由をうまく説明できると良いのですが、なっとくできる説には巡り合っていません。

 

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