トラフズクが飛んだ-六義園
今シーズンの六義園では、初記録のタヒバリが見つかったり記録の少ない鳥が見られてコロナ禍のなかにも関わらずバードウォッチングを楽しんでいます。
今日の六義園では、ドバトが落ち着きがなく上空を飛び回ったり、カモたちが岸辺に寄っていたりして、なんとなき緊張感が漂っていました。しかし、ハシブトガラスのモビングコールはなくオオタカがいるときの緊張感に比べて緩さも感じました。
オオタカ出現を期待して空が開けている池のほとりにいると、森の中からハシブトガラス数羽に追われて1羽の大きな鳥が飛び出しました。丸い翼の先と尖っていない頭、フクロウの仲間であることがわかりました。森の中から出てきたので、フクロウかとも思いましたが、翼の下に黒い大きめの斑があり、コミミズクと判定しました。常連さんたちに連絡して、ほとんどの方が写真を撮ることができて皆さん満足のごようす。
ところが、家に帰ってきて自分の撮った写真を見て確認をすると、なんとトラフズクのようです。
せっかく飛んでいるハシブトガラスといっしょに撮れたので、翼開長の数値を比較して見ます。下記の通り。ハシブトガラスと比べてより小さいのはトラフズクですが、距離や個体差の違いで差がでそうな数値です。
フクロウ 94~102cm
コミミズク 94~104cm
トラフズク 91~102cm
ハシブトガラス 100cm
だいたいトラフズクはとまっての出会いが多く、そういう時は光彩の色で識別しています。しかし、飛んでいるシーンでは不可能です。なんとか画像を加工して翼の裏側パターンの違いをチェックしてみます。まずフクロウは全体に一様なので排除できます。大きな黒い斑点のあるのはコミミズクとトラフズクということになり、翼の先の黒いパターンの違いでコミミズクとトラフズクの区別ができるようです。コミミズクが黒く、トラフズクはまだら、あるいは黒い部分が小さいでの区別することになります。アップした写真を見る限りトラフズクのパターンに近く、トラフズクではないかと思います。
今思えば、最初に森の中から飛び出してきたことからトラフズクらしい行動でした。
いずれにしても六義園でのトラフズクの記録は、お初となります。
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