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2020年12月29日 (火)

スズメのいっせい鳴き止み

   野鳥録音を始める前、荒川の川原で1,000羽以上はいると思われるスズメの大群に出会ったことがあります。大群ですから、とてもにぎやかに鳴き合っていました。ところが、近づいて写真を撮ろうとすると、いっせいに鳴きやみました。1羽くらい「チュン」と鳴きそうですがありません。1,000羽の群れが少なくとも数10mにわたって広がっているのですから、1羽の警戒の声が隅から隅まで聞こえるはずもありません。また、行動動作であれば見えないスズメに伝わらずフェードアウトするように鳴きやむはずです。いったいどのような合図を送っているのか不思議でした。
 このスズメの一斉鳴き止みについては、何度か質問を受けたこともあり、身近な鳥をよく観察している人やスズメをよく知っている人は知っている謎です。
 先日、カミさんが実家に行ったときに庭に来るスズメの群れを録音してくれました。実家には、大きなソメイヨシノの木があってスズメが多いときで50羽はやって来ます。水盤のそばに録音機を置いて2時間3分の放置録音です。この日は、30羽程度の群れだったそうですが、2時間の間にいっせい鳴き止みが、5回ありました。そのうちの1例です。
 YAMAHA W24で録音、1,500Hz以下の低音の軽減、ボリュームの調整、ノイズリダクションをかけています。

 聞くかぎり特別な鳴き声が聞こえることも声紋で表示されることもありませんでした。他の4回についても同じで、今まで鳴き合っていたものが突然、鳴きやんでいます。
 もちろん、スズメと私たちヒトが感じる時間の感覚に違いがあるはずですから、私たちとは違うように聞き、感じている可能性大です。ただ、声紋表示では見つけることができないだけかもしれません。将来、音の解析方法が開発されれば解明できるかもしれません。
 野鳥たちから与えられる不思議の課題、今年もいくつか巡り会いあいました。また、来年もこうした発見に出会えることが楽しみです。

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