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2021年1月15日 (金)

『朝の小鳥』スタジオ収録-2月は万葉集の鳥

 昨日は『朝の小鳥』のスタジオ収録でした。リモートでの監修です。
 スタジオが水曜日から木曜日になりました。かつて蒲谷先生の収録日は木曜日でしたので、昔のようです。
 2月のテーマは、今までとは少し趣を変えて万葉集に登場する鳥です。万葉集には、およそ4,500件を超える和歌などが収録され、そのうち鳥が登場するのは589件あるといわれています。中西悟堂さんが調べたところでは、いちばん多いのはホトトギスで156件、2位がマガンで63件、3位ウグイスが51件、4位ツル46件だそうです。この4種類について、鳴き声を聞きながら代表的な和歌を紹介して解説いたしました。
 実はかなり簡単に考えていたのですが、和歌に合った音源を探すのがとてもたいへんでした。「鶴鳴き渡る」のイメージならば餌場で群れているにぎやかな音では雰囲気が違います。飛びながら鳴くようすでなければなりません。などなど、おかげで音源の整理ができました。
 おかげで鳥の登場する和歌をいつか精査することができました。気が付いたのは、和歌の作者は鳥の鳴き声を聞いて歌を詠んでいるものが多いことです。
 たとえば「鶴鳴き渡る」も餌場の干潟とネグラの内陸の湿地へ移動していく鳴き合うツルです。夜明け、あるいは夕暮れ時です。寝床、または家のなかで手作業をしながら聞いている感じがします。マガンの渡りは「雲隠り鳴く」ですから、雲の上から聞こえて来る鳴き合うマガンの声となり、高い空を飛ぶ渡りの群れであることがわかります。
 ホトトギスが多いのも鳴き声がはっきりして寝床でもわかることが、大きな要因でしょう。
 万葉集の鳥たちは鳴き声で、歌人たちを魅了していたことになります。


2021年2月 放送予定
  1月 7日 ホトトギス
     14日 マガン
      21日 ウグイス
     28日 ナベツル

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