ツバメの録音の試み-日光
野鳥録音で、いちばん録音の難しい鳥は?
私は、ツバメだと思っています。身近な鳥でありながら、なかなか思うように録音できません。ツバメは、コロニーぽい繁殖のしかたをするのでなわばり宣言でさえずることが少ないのです。いつもさえずっているように思いますが、意外と少ないのです。それ以前に、人間依存の鳥のため人為的なノイズが多い環境にいます。このノイズをいかに避けるかが課題となります。今までの録音で満足できたのは、新潟県粟島の集落でのツバメです。それでも、遠い車の音、人声などのノイズが録音されていました。これらを削除して音として成り立たせることができました。
今回、日光のJR日光駅の近く施設でツバメが巣作りをしているのを見つけました。まだ、制作中で5、6羽のツバメが出入りしていました。多くて3ヶ所で巣ができそうです。これに加えて、イワツバメが2個の巣をつくっていました。
巣のそばならば鳴くだろうと思いました。また、タイマー録音を仕掛ければ、車通りの少ない早朝のノイズの少ない状態で録音できるかもしれないと考えました。
さて、録音機をどこに置いたら良いか、かなり悩みました。人通りが少ないと言えゼロではありません。駅前のオープンな施設なのですから、録音機を隠すところがないのです。
巣のあるところから20mは離れますが、植え込みがありましたので、このなかに置くことにしました。少なくとも設置は、暗くなってからと午後9時に置きに行きました。そして、午前4時からタイマー録音を行い7時に回収しました。
ツバメはもう4時には鳴いていました。録音以前から鳴いていた可能性があり、かなり早起きです。最初に車が通ったのは、4時30分でそれまで人為的なノイズはありません。ただ、風が強かったようで、風音を削除しなくてはなりませんでした。
YAMAHA W24で録音。ボリュームの増幅、1,500Hz以下のノイズの軽減、ノイズリダクションをかけています。
夜明け前の鳴き始めたばかりの頃の鳴き声です。にぎやかすぎて癒やされる音になりませんでした。しかし、このあとウグイス、キジ、コジュケイなどが遠くで鳴いてくれ日光らしい音になっています。
あまり鳴かないと思っていたツバメですが、日の出前にはかなりにぎやかに鳴いていることがわかりました。この日の日の出前の時刻は4時30分ですから、日の出30分からのゴールデンタイムは、ツバメにも通用いたしました。
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