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2021年5月

2021年5月31日 (月)

エゾハルゼミのつぶやき-日光

 ずうっと気になっていたけれど、録音できかった音があります。
 録音をする以前のこと、戦場ヶ原を歩いている時に聞いた音です。木の上の方から聞こえて来ましたので、枝がこすれる音に聞こえました。それにしては風はないのでおかしいと思いました。しばらく聞いていると、あちこちで音がします。
 しばらく様子を見ていると、音はエゾハルゼミの鳴き声になりました。枝がすれる音に聞こえたのは、エゾハルゼミの鳴き始めの声、いわばつぶやきだったのです。
 ということで録音を始めたら、いつかこの音を録ってやろうと思っていたですが、今まで15年以上、録音のチャンスはありませんでした。
 今回、霧降高原に仕掛けたタイマー録音に入っていましたので、アップします。なにしろ15年以上前の記憶です。この音で良いと思います。
もし、違っていたらコメントをいただければと思います。
 YAMAHA W24で録音。エゾハルゼミの部分のボリュームの増幅、500Hz以下の低音の軽減、全体にノイズリダクションをかけています。
 ホトトギスの声のあとの「ギーッ」という音です。
 鳥ならば、コゲラの濁った声がいちばん近いです。
 最初の音が1,4秒、2回目が1,0秒間です。
 声紋を見ると 音は1,400~3,000Hzまであり、1秒間に34回振るえるように鳴っています。面白いのは、ちょうどホトトギスの鳴き声の音域とほぼ同じです。
 

2021年5月30日 (日)

ジャマーをつつかれた-日光

 週末は、日光でした。
 カッコウ、ホトトギスがそろい野鳥たちのコーラスに厚味がましたところをじっくり録ろうというのが目的です。ところが、晴れの予報が急に雨予報になったりで、チャンスは1回だけでした。そのため、4台の録音機をフルに配置して万全の体制で臨みました。
 いつもの霧降高原のお気に入りポイントに午前3時30分~3時間、6時30分までの設定で録音しました。
 そこに入っていた音です。
 YAMAHA W24で録音。wavからmp3に変換しただけで、編集加工はしていません。

 どうも、マイクにかぶせてあるスポンジ製のジャマーをつついているようです。緑色をしているので大きな芋虫、あるいは暖かそうなので巣材にしようとしたのか、とにかくつついています。1分20秒にわたってつついていました。
 あとで、ジャマーを見たら可愛い噛み跡がついていました。

Jama
 ところで、つついたのは誰でしょう。ときどき「ツッ」という高い鳴き声が聞こえます。この高い声は、8,000Hzあります。いずれにしても、高い声を出す鳥であることは間違いありません。ヒガラかエゾムシクイあたりが、怪しいです。    

2021年5月27日 (木)

やっとキビタキ-六義園

 今日の東京地方、雨が降りだしたのは午前6時頃でした。そのため、早朝の録音に雨の音はありませんでした。また風もなくコンディションはまずまずでした。
 遠い上にメジロのさえずりとかぶっているもののキビタキのさえずりが、録音されていました。
 YAMAHA W24で録音。キビタキ音域のボリュームの増幅、2,000Hz以下の低音の軽減、ヒスノイズリダクションをかけています。  

 午前4時15分から鳴き始めて、24分にわたって鳴き続けていました。途中、途切れるところはあるもののほぼ連続していました。
 キビタキの六義園における春の記録は5月上旬が多く、中旬が少し。もっとも遅い記録が5月21日(1989年)ですから、さらに1週間ほど遅い記録となりました。6月だと渡りの遅いマミジロキビタキを疑いますが、このさえずりからキビタキでよろしいかと思います。
 キビタキは、北海道でも繁殖しています。この季節は、原野は枯れ野、森は場所によってやっと芽吹が始まった頃です。ゆっくりと渡って行くキビタキは、きっと北の大地まで行くのかもしれません。

2021年5月26日 (水)

ケモノの鳴き声?-六義園

 今朝の録音にも、トラツグミが遠くでかすかに鳴いていました。
 そして、比較的はっきりと鳴いていたのは、今まで聞いたことのないケモノと思われる声です。
 時刻は、午前4時10分。本日の日の出時刻は4時30分ですから日の出前のおよそ20分前、かなり明るくなっています。
 YAMAHA W24で録音。ボリュームの増幅、1,500Hz以下のノイズの軽減、ノイズリダクションをかけています。

 六義園にいる可能性のあるケモノは、ネコ、タヌキ、ハクビシン、そしてアライグマがいるかもしれないという状況です。
 少なくとも声を聞く限りネコではないと思います。タヌキは、いろいろ鳴き声を出すようですし、ハクビシンもアライグマもいろいろ鳴くと思います。ただ、資料は少なく照らし合わせる音源がないのが困りものです。
 いずれわかるときがくることを祈ってアップしておきます。

2021年5月25日 (火)

トラツグミと猛禽幼鳥か-六義園

 このところ天候が許す限り、六義園に向けて録音しています。
 なかなかめぼしい音が録れないなか、今朝は成果がありました。
 まず、トラツグミのさえずり。
 YAMAHA W24で録音。ボリュームの増幅、1.500Hz以下の低音の軽減、ノイズリダクションをかけています。音と音の間を詰めています。

  午前3時55分から鳴き始めて、4時8分まで鳴き続けていました。本日の日の出時刻は4時28分ですから、日の出前のおよそ30分前で明るくなり始めた頃です。鳴いている間に、シジュウカラもさえずり始めるゴールデンタイムになりました。
 5月5日に同じくトラツグミのさえずりについて記事にしました。
  http://syrinxmm.cocolog-nifty.com/syrinx/2021/05/post-c9b653.html
 5月上旬ですから通過のトラツグミが鳴いているものだと思っていました。現在は、5月下旬。多くのトラツグミは、繁殖地にたどり着いてなわばりを構えているはずです。
 しかし、今日のトラツグミは5日のトラツグミと同じように間を開けて鳴いていること、音の高さが1,400Hz~1,500Hzと同じことから、同じトラツグミが鳴いている可能性が高いと思います。六義園で、なわばりを構えていることになります。
 つぎの鳴き声がありました。
 同じくYAMAHA W24で録音。ボリュームの増幅、1,500Hz以下の低音の軽減、ノイズリダクションを強くかけています。 

 この3声だけです。鳴いた時刻は、午前4時41分です。
 音の高さは1,500~2,500Hz、声紋はこの1,000Hzの差に向けて尻上がりのパターンを示しています。
 はじめは、クイナの鳴き声に似ていると思いましたが、同じ鳴き声を見つけることができませんでした。また、六義園には池があるもののクイナが姿を隠せるヨシなどの植生がありませんので、可能性は低いと思いました。
 つぎに思いついたのは、猛禽類です。可能性としては、オオタカが高いです。そろそろ、幼鳥が飛び回るとき、あるいは去年生まれの若鳥が六義園にやって来た可能性があるのではと思いました。幼鳥と若鳥とも成長過程によって鳴き声が変わると思いますが、そこまでの資料がありませんので、なんともいえません。あくまでも、可能性ということで今後の課題といたします。

2021年5月22日 (土)

中西悟堂はオオコノハズクの声を聞いたか?-その2

 紹介した中西悟堂の「オオコノハズクの鳴き声について」は、メインタイトルが「随筆四題」であったため見過ごしていた記事です。
 最初に見つけたのは、藤原広蔵さんの「オオコノハズクの鳴声について」です。同じ年の6号に掲載されています。実は、このタイトルは『野鳥大鑑』執筆のおりの参考文献としてリストアップしたあった記事です。『野鳥大鑑』では、主立った雑誌の12月号に載っている総目録をすべてコピーを取り鳴き声に関するタイトルを探して、私がマーカーで印をつけ編集者のM形さんがコピーを取ってくれました。それを、分類順にファイルケースに入れて執筆のさいに目を通すという作業をしました。
 タイトルとしては追認した記事にあたるこちらのほうをコピーしてあったのです。ですから、元の記事を読んだのは今回がはじめでした。
 しかし、藤原さんの記事も興味深いので、ご紹介いたします。
 藤原広蔵さんは、日本野鳥の会大阪支部の2代目支部長を務めた方です。前身の阪神支部は、京都支部に次いで昭和12年に創立された老舗です。野外識別の開祖ともいえる榎本佳樹や中西家書生岡田康稔らが幹事であり、その指導を受けています。支部の思い出のなかに、飼っていたオオコノハズクで木菟猟を実際に試した話があり、飼育をしていたようです。
 本題です。
 藤原さんは、
 一年通じて「フー」あるいは「ホー」と一声づつ鳴いた。
 「ホッ、ホッ、ホッ、ホッ」は、1年半ほど飼った間に1回だけ聞いた。
  「ポスカス」については、警戒したときに「フッ」とか「ホッ」とか聞こえる音を出し、続いて嘴を「カス、カス」と鳴らす。これを離れて聞くと「ポスカス」と聞こえる。
 ということで、ポスカスは鳴き声と嘴を叩く音の誤認ではないかと書いています。
 「中西註記」があり「(前略)『オーォ、オーォ』(尻が上がる)という優しい声があって、これは仲間に話しかける声である。さらに機嫌のいい時には、咽喉で声をころがすようにして『クルルルル、クルルルル』と鳴くことがあった。」と書かれています。残念ながら、ポスカスについてのコメントはありませんでした。
 私が聞いた嘴を叩く音は、「パッチ」という感じの音で鋭い印象がありました。このあたりはオノマトペの感覚の違いがありますので、なんとも言えません。ただ、当時のバードウォッチャーが関心を持っていた鳴き声であることは、間違いありません。

2021年5月19日 (水)

『朝の小鳥』スタジオ収録-6月は浮島湿原

 本日は、文化放送の『朝の小鳥』のスタジオ収録、リモートでの監修です。
 以前、龍ヶ崎野鳥倶楽部の皆さんに案内してもらった茨城県霞ヶ浦の浮島湿原です。
 かつて、コジュリンを見たくて霧ヶ峰の八島ヶ池に、後輩のM瀬さんに連れて行ってもらったことがあります。20才台の頃ですから1970年代です。当時は、浮島湿原のコジュリンの生息はまだ未知の頃で、関東地方のバードウォッチャーは霧ヶ峰でコジュリンを見るというのが定石でした。
 免許取り立てのM瀬さんの運転でしたが、無事にコジュリンを見られて大満足。その後、松本の彼の家に泊まりました。このとき、はじめてオクラ、馬肉を食べたのを覚えています。しかし、もう霧ヶ峰のコジュリンはいなくなって、だいぶ経ちます。
 昔、見た野鳥から、いろいろなことを思い出す年頃になりました。ご勘弁ください。
 龍ヶ崎野鳥倶楽部では、講演を頼まれたり日光のグループと共同で自然観察会をやったり親しくさせていただいております。彼らの案内で田んぼや湿地を巡ると、一見同じ環境なのにちゃんと鳥のいるところがわかっていて案内してくれる不思議です。地元の強さを言うか、観察の蓄積のたまものです。
 浮島湿原の鳥を4種選んだらはからずも、数が少なくなった鳥たちになってしまいました。それだけ、日本の草原環境が減少し、鳥たちに影響を与えていることになります。

2021年6月 放送予定
  6月 6日 コジュリン
      13日 セッカ
      20日 ヨシゴイ
     27日 オオセッカ

2021年5月18日 (火)

中西悟堂はオオコノハズクの声を聞いたか?ーその1

 野鳥の神様といわれる中西悟堂が、オオコノハズクの鳴き声をどのように聞いていたか気になり、調べてみました。
 『野鳥と共に』(1935・巣林書房)には、オオコノハズクを飼育した話が載っていますので、少なくとも飼育下の記録があるはずです。ただ、飼育していたオオコノハズクは『虫鳥と生活する』(1932・アルス)によると、最初はコノハズクだと思って飼っていたようで、まだ野鳥の識別の知識が普及していない時代の話として割り引く必要がありそうです。
 なお、『野鳥と共に』には、オオコノハズクが鳴いたという記述はありませんでした。また、悟堂は彼女と言っているのですが、雌雄の判別をどのように行ったのかも不明です。
 また戦前、悟堂が住んでいた善福寺周辺は武蔵野の雑木林が広がり、オオコノハズクが繁殖していた時代です。『武蔵野』(1941・科学主義工業社)の鳥の章を悟堂が担当しています。これには「善福寺風致地区の鳥」のリストがあり、オオコノハズクは一年中いる鳥になっています。この本には、樹洞から顔を出すオオコノハズクの写真が載っていて「オオコノハズクの営巣せる樹洞(井荻にて)」とキャプションが付いていますので、野外で鳴き声を聞く機会はあったはずです。ちなみに、井草は現在の23区内、杉並区の地名でです。
 ただ、面白いのは悟堂は「コノハズクは霊鳥だが、オオコノハズクは当たり前の鳥で、あまり価値がない」と思っていたようです。そのため、記録はぞんざいになっているかもしれません。
 今回、Birder誌への寄稿するに当たって、再度調べたら日本野鳥の会の雑誌『野鳥』の1953年5/6月号に中西悟堂の「オオコノハズクの鳴き声について」という小文があるのを見つけました。これは、「随筆四題」というタイトルで、宮古島のサシバ猟、旧友・鹿野忠雄博士のこと、ミルウォーム(ママ)が、他の3題です。
 1953(昭和28)年は、終戦から8年経っています。私が3才の頃で、まだお米は配給、復員してきた人が町にあふれ、戦後の混乱が続いたと思います。にも関わらず、野鳥誌が発行されています。もちろん、わずか36ページ、紙も悪く私の蔵書は茶色に変色しています。しかし、表紙のジョウビタキは川合玉堂です。数ある野鳥誌の表紙のなかで、1、2を競う素晴らしい絵です。

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 後記を読むと編集は、後に神奈川支部の支部長となった鈴木秀男さんでした。「思いがけない印刷所の事故のため」発行が遅れたことをわびています。当時は、そんなことがあったのですね。
  前置きが長くなってしまいました。悟堂が聞いたオオコノハズクの記述を要約します。
 オオコノハズクの鳴き声は、従来ポスカスとかフーッーが多い。
 私は、いずれも聞いたことがない。
 飼っていたものがヴォウ、ウォウ、ウォウ、ウォウ、ウォウしか鳴かなかった。
 しかるに最近、偶然知ったところでは、ホッ、ホッ、ホッともオッ、オッ、オッ、オッとも聞こえる声。
  アオバズクより低く、ホーとは声を引かず、4,5声続ける。
 「ホッ、ホッ、ホッ、ホッと区切って、4,5回つづけるその声は、私の受け取り方では、少しも不気味ではなく、優しい声だがやはり明らかにフクロウ類のタイプである。」
 と結んでいます。
  ホッホッ系であること、優しい声、ホーとは伸ばさないなど、記述を総合すると悟堂は、実際のオオコノハズクの鳴き声を聞いたことになります。お坊さんの悟堂が、木魚の音、あるいはリズムを連想しなかったことは気になりますが、よほど近いか飼育個体の可能性があります。また、小さな声、音であることが強調されていないことも室内で聞いた可能性を裏付けます。
 加えて「しかるに最近、偶然知ったところでは」では、いつどこでどのような状況で聞いたのか書いていないことも、飼育下の個体であるためかもしれません。
 いずれにしても「ポスカス」は、悟堂も聞いたことがなく、はたしてオオコノハズクなのか、それとも他の生き物の誤認なのか、謎の鳴き声です。
 
中西悟堂 1953 随筆四題 オオコノハズクの鳴き声について 野鳥 Vol.18,No.3,p18-19

2021年5月15日 (土)

『昭和の怪鳥・木魚鳥』-「野鳥」誌

 黒瀧山の木魚鳥の話を聞いた2009年当時、ネット検索したらヒットしたのは黒瀧山のある南牧村のサイトだけでした。その後、ときおり検索しましたが、拙ブログのタイトルが加わるだけ。今回、Birder誌からの原稿依頼を機会に検索したら、「野鳥」誌バックナンバー 1975年がヒットして『昭和の怪鳥木魚鳥』というタイトルが出てきました。ここ数年で日本野鳥の会の雑誌のタイトルがアップされたようです。
 『昭和の怪鳥木魚鳥』は、1975年1月号(No.340)の影山豊さんの記事でした。当時の野鳥誌は、樋口広芳さんの「鳥学講座」と高野伸二さんの「識別講座」の2本柱で、充実した内容でした。珍鳥情報も多く、この年の12月号には現会長の上田恵介さんの「大阪にシロハラクイナ」がありました。熱気が伝わってくる誌面です。
 財団法人になって5年、事務所と職員がいて活動が本格的になった頃です。ただ、職員は国民健康保険などに自前で入っていた頃で、今ならばブラックの烙印を押されたかもしれない事務所でした。
 そんな時代の誌面に、木魚鳥が載っていたのです。
 幸いにしてバックナンバーが手元にありましたので、記事をアップいたします。なお、蒲谷剛彦さんにお願いして影山さんの消息を調べてもらいましたが、すでにお亡くなりになっていました。そのため、掲載の承諾を得ることができません。もしご異存のある方がおりましたら削除いたします。 
Syouwanokaityou
 掲載誌面は「れたあず」、いわば雑誌の会員コーナーです。タイトルは「昭和の怪鳥木魚鳥」ですが、木魚鳥には「ポクポクドリ」のルビがふってありました。
 内容は、昭和49(1974)年の4月、影山さんのご近所の樹齢300年のケヤキの木から毎夕7時頃になるとかならず「ポクポクポク」という不気味な音がするようになった。近所のお寺の木魚の音かと抗議をしたが、お寺ではない。鳥の声らしいいうことになり、影山さんにお鉢が回ってきた。
 日本野鳥の会奥多摩支部の先輩・岡薫高さんもわからない。NHKに依頼して番組で取り上げられ新聞や週間誌に載ったために、毎晩2~300人の人が集まる騒動になった。警察は来るは、ゴミの始末に苦労する上に屋台が出る始末。
 高野伸二先生と蒲谷鶴彦先生にも来てもらったが、あいにくその夜は聞かれなかった。両先生に録音を聞いてもらったが「一度も聞いたことがない声だ」とのこと。
 この声は5月末頃まで聞かれ、6月になるとパッタリと止んだ。
 野鳥の会の方々で、正体を知っている方がいらしたら教えて欲しい。
 以上が、概略です。
 鳴く時期、時間、環境からかなりオオコノハズクの可能性が高いと思います。
 ただ、オオコノハズクの鳴き声は、かなり小さいので、話題になるほど聞こえるかという懸念もあります。影山さんが高野さんと蒲谷さんに聞かせたテープが残っていれば、確認できるのですが、今となっては無理でしょう。
 この記事を読んで、かすかに思い出しました。「謎の鳥の声がして屋台が出た」くらいの記憶です。当時、私は日本鳥類保護連盟の職員でした。高野さんは編集委員でほぼ毎月、蒲谷さんは企画委員で年1回、会議でお会いしております。お二人、あるいはどちらからか、聞いたのでしょう。たぶん、当時はそんなこともあるんだくらいの認識で、今となっては、もう少し詳しく聞いておくのだったと後悔しています。

参考文献
影山豊 1975 昭和の怪鳥木魚鳥 野鳥 Vol.40,No.1,p6-7

2021年5月13日 (木)

「謎の木魚鳥」-Birder誌6月号に寄稿

 以前より拙ブログでたびたび記事にしているオオコノハズクの鳴き声の発見について、Bider誌最新号に寄稿いたしました。

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 きっかけは、A部さんらと行った黒瀧山不動寺の和尚さんの話。ここから木魚のように鳴く鳥がいることがわかり、謎解きが始まりました。
 その後、日光におけるE村さんの録音、S木♂さんの井の頭文化園での飼育個体の録音と皆さんのご協力で、謎が解けたことになります。また、全国の録音仲間が裏付けてくれる録音をしてくれたことも感謝です。
 いわば、木魚鳥は野鳥録音の発展によって解明され、野鳥録音の魅力を深め広めてくれた鳥といえるでしょう。
 めぐるエピソードは本1冊くらいあると思うのですが、わずか2ページに凝縮しての掲載です。ぜひ、「特集アオバズクとコノハズク」の6月号をお買い求めいただき、その面白さの片鱗を味わっていただければと思います。
  

2021年5月12日 (水)

ウグイスが鳴いた-六義園

 このところ夏鳥のさえずりをとらえようと、六義園にむけてタイマー録音を仕掛けています。本日、録音されていたのは次の鳥です。
 YAMAHA W24で録音、ボリュームの増幅、1,500Hz以下の低音の軽減、かるくノイズリダクションをかけています。

 ウグイスです。
 六義園で越冬して初鳴きしたウグイスは、4月中旬にいなくなっています。ですから、およそ1ヶ月ぶりに飛来したことになります。
 ただ今日のウグイスは、午前4時31分から6分間、21声さえずっただけでした。その後の2時間の録音にははいっていません。また、在宅中に鳴き声を聞くことはなく、夜明けとともに数分六義園に滞在し、また移動をしていったという感じです。
 多くのウグイスが定位置について子育てをしているなか、このウグイスはなわばりと雌を求めて、うろついていると言ったところでしょうか。
 過去の六義園の記録を見ると、5月(1984年5月9日)の記録がありました。しかし、今日はわずか6分たらずの滞在ですから午前9時の開園時間とともに行っていたセンサスでは記録されることはなかったでしょう。タイマー録音ならではの記録となりました。

2021年5月11日 (火)

キビタキ雌の長い地鳴き-日光

 早朝録音の午後、前日に仕掛けたタイマー録音の機材を回収に行きました。
 午後の森は、静かで遠くで鳴くキジバトくらいです。
 急に近くで小鳥が、鳴き始めました。キビタキの地鳴きに聞こえます。姿を探すと、雌のキビタキが鳴いていました。
 PCM-D100で録音、1,000Hz以下のノイズの軽減、ボリュームの増幅、ノイズリダクションを軽くかけています。 

 4,500Hz前後の高さの鋭い鳴き声です。2分40秒鳴き続けていたものの一部です。
 一度鳴きやんでも、また同じように鳴き続けていました。じつは、前日に録音機を置きに来たときも鳴いていました。さらに、10日前の早朝のタイマー録音にも入っていた鳴き声です。この時の記録では、2分35秒の長さにおよび、この季節はキビタキの雌がこのような鳴き方をよくするようです。
 なお、キビタキの地鳴きは、途中に「グリグリッ」という濁った声を交えるのですが、いずれもありませんでした。
 地鳴きの多くは仲間同士の合図、存在の確認しあう鳴き方が多いのですが、それにしては長すぎます。また、あくまでも個人の印象ですが、私を中心として半円くらいは鳴きながら移動していきました。警戒というより威嚇を感じました。
 雌もなわばりを守ろうとする意欲があると思いますので、それを伝えようとしてしていたのかもしれません。

 

 

2021年5月10日 (月)

ヤブサメの長鳴き-日光

 ヤブサメのさえずりは、聞こえづらくなったとは言え、魅力的な鳴き声です。
 先日の早朝録音では、随所にヤブサメのさえずりが入っていて、こんなにもたくさんいるのかという驚きました。また、単純な節にもかかわらず微妙なバリエーションの違いがあって興味深いです。
 また、以前記事にしたように、ふつうは節が3秒ほどの長さのものが渡ってきたばかりは10倍の30秒にわたる”長鳴き”をすることが知られています。
 過去の記事のURLです。
  http://syrinxmm.cocolog-nifty.com/syrinx/2016/04/post-74b6.html
  http://syrinxmm.cocolog-nifty.com/syrinx/2018/04/post-4d14.html
 
 一昨日の録音のなかには、30秒もの長鳴きをするものはおりませんでした。もう普通のながさになっていました。ただ、1ヶ所だけ長めの節で鳴いているのを見つけました。
 まず、声紋です。モノラルに変換しています。左右は20秒、天地が0~11,000Hzです。

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 最初の一声は短め、2声目が6秒でほぼ普通の鳴き方です。そして、16秒ある長めの節で鳴いていました。
 実際に聞くと次のようになります。TASCAM DR-05で録音、300Hz以下の音域のカット、全体にかるくノイズリダクションをかけています。

 高音ですので、再生装置によっては的確に表現できないかもしれません。もちろん、ご自身の耳が遠くなっていると、聞きづらいかもしれません。
 声紋で表示した以上に前後の節を入れています。周辺では、良い感じにメジロの地鳴き、シジュウカラのさえずり、ツツドリの鳴き声がバックに聞こえます。
 おそらく、この日はヤブサメのさえずりの節を100くらい収録できましたが、長かったのはこれだけです。ヤブサメの長鳴きは渡って来たばかりの限定的なものなのかもしれません。   

2021年5月 9日 (日)

キビタキの初めて聞いた鳴き声-日光

 夜明け前録音のよいところは、鳥がとっても近いのです。まだ暗いので鳥からは見えないのか、夜明け前は行動が活発なためなのか、すぐ近くにやってきます。目の前でルリビタキがディスプレイのために脇胸のオレンジの羽毛を拡げたシーンは今でも忘れません。じっとしていると、身体の横を鳥がすり抜けていくことは何回も経験しています。
 今回は、キビタキでした。まだ、薄暗い時刻でしたので、こちらが見えにくかったのか、あるいは追いかけ合うのに夢中になってのことか、1mも離れていないところに来て今まで聞いたことのない声で鳴いてくれました。
 PCM-D100で録音。1,500Hz以下のノイズの軽減、軽くノイズリダクションをかけています。

 雄のキビタキの鳴き声です。この雄が2羽の雌を追って目の前に来て、とまった時の声です。かなり興奮している感じで、あっと言う間にまた追いかけていきました。
 じつは、この日は同時に4台の録音機でタイマー録音をしています。50m離れたところに置いた録音機にも同じような鳴き声が入っていました。どうも、キビタキがあちこちで雌を追いかけていたようです。
 繁殖地に渡って来て今シーズンの伴侶を求めて懸命の行動、そのときの鳴き声なのかもしれません。さえずりと違った緊迫感のある声です。
 いずれにしても、聞いたのは初めて、録音も初めての鳴き声でした。
 

2021年5月 8日 (土)

久しぶりの夜明け前録音-日光

 タイマー録音の方法を知ってから、すっかり寝坊しての録音が身についてしまいました。
 久し振りに夜明け前の野鳥のコーラスを体験したくて、昨日は早起きをしました。
 蒲谷鶴彦さんの初夏の録音は午前2時起きです。このシーズンは、まだ夜明けが遅いのと近いことで1時間遅い3時に起床しました。
 場所は、日光の別荘地のはずれ。私有地ですが、所有者とは顔なじみで「好きなように使って良いよ」と言われている雑木林です。今はヤマツツジが満開、新緑がまぶしい風景がひろがっています。
 午前3時30分に出発して、45分に現着です。日の出時刻は、1時間後の5時42分ですから、まだまっくらです。車の外に出るのは、ちょっと怖い感じです。でも、50分には少し明るくなってきたかなという感じになりました。しかし、静かです。ほんとうに鳥たちが鳴き始めるのか、不安になる瞬間です。
 4時8分 遠くでアカハラが鳴き始めました。
 4時11分 比較的近くでクロツグミ。
 4時15分 ツツドリです。
      この辺りまで、メモをとるのに車のルームランプが必要でした。
 4時25分 キジバトが連続して鳴き始めます。
      かなり明るくなり、林の奥まで見えるようになりました。メモもできます。
      車の外に出る気分になれました。
 4時40分 センダイムシクイが近くでさえずり始めました。
 4時50分 キビタキがすぐ近くに来て追いかけあいました。
      ちょうど、日の出時間がコーラスとピークになった感じです。
 5時10分 コーラスは少し下火になり、撤収しました。
  この日の気象データは、曇り、気温11℃、無風です。
 夜明け前、20分前のコーラスです。クロツグミのさえずりを中心にセンダイムシクイ、シジュウカラ、ツツドリの鳴き声が聞こえます。
 PCM-D100で録音。ボリューム、ノイズも加工していません。そのままの状態です。


 やはり夜明け前の森は最高でした。野鳥たちのコーラスも身体全体で感じることができて、ほんとうに野鳥録音をやっていて良かったと思う時でした。
 ただ、昨日は朝食のあと午前中は寝ていました。午後もぼんやりして、早朝に1日のエネルギーを使い果たした感じとなりました。

2021年5月 6日 (木)

『奥入瀬渓流シダハンドブック』-ご紹介


 学生時代の友人がシダマニアで、屋久島に行ったりしていました。はるかなる屋久島にシダが繁茂しているのを想像したものです。その屋久島に対抗して奥入瀬のシダの図鑑ができました。筆者の河井大輔さんからいただきましたので、ご紹介いたします。
 生き物好きにとっては、コケやシダに手を伸ばす怖さがあります。蛾もそうかな。なにか、底しれない深みにはまってしまうような沼地に足を踏み入れる感じです。いわば、どの中を手探りで歩かなくなくてはならないのかもしれないと思ってしまうからです。しかし、羅針盤となる良い図鑑があれば踏み入れても良い世界かなと思います。
 『奥入瀬渓流シダハンドブック』は、豊富な写真で解説されています。新書版サイズなのですから、手に持って野外で使えます。ということは、わからない種類があったからと言って採集する必要はなく、その場で名前を調べることができます。
 奥入瀬限定のシダの種類ですが、ざっと見たところ関東の産地でも使えそうです。日光との共通種もあってこれからの季節、コケハンドブックといっしょにシダも持って山を歩くのが楽しみです。
 出版社のURLです。お申し込みはこちらへどうぞ。
https://www.oiken.org/%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%83%E3%83%97/new-%E3%82%B7%E3%83%80%E3%83%8F%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%96%E3%83%83%E3%82%AF-1/


2021年5月 5日 (水)

トラツグミの鳴き声か?-六義園

 このところの六義園へ向けて行っている録音にトラツグミらしい鳴き声が入っていました。そのため、午後11時~午前7時までの8時間の長時間を行っています。
 昨夜の録音を見ると、この強風は今朝の6時前くらいからで、夜はそれほどでもありませんでした。そのため、深夜の状況をチェックするとトラツグミらしい鳴き声が録音されていました。
 TASCAM DR-05で録音、ボリュームの増幅、1,000Hz以下のノイズの軽減、ノイズリダクションをかけています。

 これが本当にトラツグミなのでしょうか。
 まず、録音されていたのは午前3時20分です。トラツグミらしい時刻です。
 ただ、19分の間に7声あるだけでした。ふつうトラツグミの間は3秒~4秒、いずれにしても秒単位です。昨夜の鳴き声は、間の長いところは7分24秒、短いところでも31秒の間隔が開いています。この鳴き声は昨夜だけでなく、以前にも録音されています。この長い間がトラツグミらしくないのです。
 ちなみに、ここにアップした音源は間を詰めています。
 夜中に7回高い音を立てる作業を行っているとも思えず、やはりトラツグミの鳴き声なのでしょうか。
 いずれにしても、このように長い間を開けて鳴くトラツグミに出会ったのは初めてです。

2021年5月 3日 (月)

マミジロか?-六義園

 このところの六義園のタイマー録音にトラツグミらしい鳴き声が入っていたので、昨夜は一晩録音を試みました。残念ながら、風の強い夜で風音に紛れたのか遠くで鳴くトラツグミをとらえることはできませんでした。
 夜明けととともにシジュウカラがさかんにさえずり、メジロ、ヒヨドリがにぎやかでした。そのシジュウカラのさえずりとかぶって、ツグミ系のさえずりが録音されていました。
 TASCAM DR-05で録音。ボリュームの増幅、1,500Hz以下のノイズの軽減、ノイズリダクションをかけています。

 遠くでさえずっているので、加工編集でここまで聞こえるようにするに苦労しました。一節ずつ間を開けて鳴いていることがわかります。同じ節の時もあれば、変化を付けているときもあります。音は小鳥のさえずりとしては、低めでアカハラやクロツグミの領域です。
 短い節からマミジロではないかと思いました。とくに、一音の「チュリー」と聞こえる声はマミジロの声に似ています。ただ、この節で鳴くマミジロを聞いたことは始めてです。マミジロは数の少ない鳥のため、録音する機会が多くありません。さえずりにどれだけバリエーションがあるのか、よくわかりません。
 少なくとも、関東と関西では鳴き声に違いがあることは経験していますので、もっと北まで渡るマミジロの違いなのかもしれないと思うと興味はつきません。
 まずは、課題として記事にしておきます。
 

2021年5月 1日 (土)

スマホのノイズ

 先日の日光の取材で、歩く補聴器のカミさんが「ヤブサメが鳴いている」と教えてくれました。さっそく、言われる方向に録音機を向けてイヤーフォンを通して聞くと確かにヤブサメのさえずりが聞こえます。
 さっそく、録音しようとTASCAM DR-05を向けると「ズズズ・・・」という大きな音のノイズが入りました。イヤーフォンの接続が悪いのかと思い、プラグを抜き差ししても同じです。これは、録音機の故障ではと、停止ボタンを押して再度録音モードにすると、しばらくしてまたノイズが入りました。
 こんな音です。TASCAM DR-05で録音。原音そのまま、フェードイン、フェードアウトをかけているだけです。途中からノイズが大きく入りますので、ボリュームの調整に気を付けてください。

 気が付いたのはスマホです。山間のため、スマホのアンテナが立っていません。そのため、スマホが基地局と交信するために強い電波を出しているのではと思いました。ちなみに、録音機は手持ち、スマホは腰のポーチに入っていますから、50cmは離れています。
 スマホを録音機に近づけると、音が大きくなりました。スマホの電源を切ると、ノイズがなくなりました。やはり原因は、スマホでした。
 私のスマホは、アンドロイド系のGalaxyです。あとで、電波の届くところでスイッチを入れて、録音機に近づける実験をしてみました。マイクに接するほど、近づけるとノイズが入りますが、不通のときほどではありません。また、基地局とやりとりが必要となるサイトにアクセスするとノイズは大きくなり頻繁に入りました。
 録音機による違いがあるかと思い、YAMAHA W24で実験すると同じようにノイズが入りました。
 また、Galaxy特有の可能性を考えカミさんのiPhoneをそれぞれの録音機に同じように近づけてると、やはり同じようにノイズが入りました。
 以前、小田代ヶ原でカミさんの録音機に入ったノイズについて記事にしたことを思い出しました。今聞くと同じような音で、これもスマホが原因だったことになります。
 http://syrinxmm.cocolog-nifty.com/syrinx/2019/06/post-aed9b4.html
 これからは、少なくとも自分のスマホの電源を切っておくことにします。

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