不明の高音-染井
六義園が開園して、やっと森のなかでバードウォッチングを楽しめるようになりました。
六義園の休園中、通った染井墓地で録音した音源のおさらいをしました。
6月1日、染井墓地に行くと、オオムシクイが鳴いていたとのこと。一隅にあるよく茂ったサワラのなかです。私が来るまでは、よく鳴いていたそうです。
ときどき、ムシクイ特有の小鳥が姿を見せてくれます。30分ほど録音しましたが、とうとう一声も鳴いてくれませんでした。しかし、音源をチェックしてみたら、2声とても高音の鳴き声が入っていました。
まず、声紋を表示します。左右が30秒、天地は0~13,000Hzです。
下の段の音は9,000Hz、上の段の音は11,000Hzに広がっています。私には聞こえない高い音です。音が変化していることから機械音ではないと思います。また2節目は、だんだん小さくなっているので移動している可能性があります。
もっとも高いといわれているヤブサメが8,000Hzが中心ですから、それよりも高い音です。パターンははっきりしていますので、澄んだ音です。下と上では、微妙にずれていますので、下の倍音が上にあるのではなく、2種類の音を出していることになります。
mp3に変換しないとアップできません。
TASCAM DR-05で録音、ボリュームの増幅、8,000Hz以下の音の軽減、ノイズリダクションをかけています。
「チッ、チッ、チッ」と聞こえると思います。
この時、見えた鳥はオオムシクイだけですから、オオムシクイの可能性があります。また、シジュウカラ、ヤマガラがいるところですので、これらのカラ類が出す可能性も捨てきれません。
あちこちで録音をしていると、こうした不明の高音がとらえられることがよくあります。デジタル録音の普及によって、見つかるようになったことだと思います。低い音から、オオコノハズクなどのフクロウ類の発見、高い音から小鳥類の発見につながることになると思います。
« 夜鳴くホトトギス類と鳴かないホトトギス類 | トップページ | 早いヒヨドリの幼鳥-六義園 »
「観察記録」カテゴリの記事
- ジョウビタキの威嚇の声-芝川第一調節池(2023.02.02)
- アオサギの威嚇の声-六義園(2023.01.29)
- ミソサザイのさえずりか?ー六義園(2023.01.21)
- ウグイスの真似をするガビチョウ-日光(2023.01.14)
- オオカワラヒワの地鳴き-日光(2023.01.13)
拝聴したところ、エゾムシクイのヒーツーキーのキーが無い「 ヒー・ツー」というロングトーンで、ツーで上がる、耳が痛くなるような高音でした。幼鳥というより、いかにも囀りという声。未知の声に刺激されますね!
投稿: のびひよ | 2021年6月11日 (金) 07時54分
のびひよ様
コメント、ありがとうございます。
エゾムシクイも鳴き声が高いですね。
このとき、カメラマンが3人狙っていましたので、写真は撮れています。
エゾムシクイとオオムシクイは、背中の色などで区別できますから、見せてもらいます。
実は、各地で録音していると謎の高音ってけっこう録れます。謎の低音は、比較的主がわかることが多いのですが、高音は不明のままが多いです。私には聞こえづらいことがあります。録音する若い人が増えてくると、この謎の解明は多くなると思います。
投稿: まつ | 2021年6月11日 (金) 17時42分