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2021年6月 6日 (日)

夜鳴くホトトギス類と鳴かないホトトギス類

 素朴な質問ほど、解答が難しいことがよくあります。
 あまりにも当たり前すぎて何の疑問もなかったことが質問を受けて気が付くと大きな課題であることに気が付きます。
 最近では「ホトトギスは、なぜ夜に鳴くのか」です。考えてみれば「ホトトギス類に夜鳴くものと昼しか鳴かないものがなぜいるのか」という疑問になります。
 とにかくこの季節、ホトトギスは良く鳴いています。一晩録音では、たえず鳴いています。ときにヨタカとの競演となり、野宿の目を覚まされます。ジュウイチも同じです。夜の録音をチェックしていて変わった声紋パターンが表れると、ジュウイチであることがよくあります。
 といって、ホトトギスもジュウイチも夜行性の鳥というくくりには入れられることはありません。昼間も鳴いているからです。しいていうならば、全日性の鳥ということになるのでしょう。
 いっぽうカッコウとツツドリが夜に鳴いているのを聞いたことも録音したこともありません。数あるカッコウとツツドリの中には、夜に鳴いた記録があるかもしれませんが、希な例だと思います。たとえば、今年の日光での録音から鳴き始めた記録を拾ってみると。
 ツツドリ 5月7日 午前4時21分。日の出時刻:4時42分(日の出前の21分前)
 カッコウ 5月29日 午前3時56分。日の出時刻:4時25分(日の出前の29分前)
 いずれも、日の出前の野鳥のコーラスが始まる30分前後の前に鳴き始めています。この時間帯は天気にもよりますが、晴天ならば明るくなっている時刻です。ツツドリもカッコウも昼行性の鳥であることは間違いありません。
 では、日本に最近進出して来たセグロカッコウは、どちらでしょう。私は、新潟県粟島での録音が最初です。このときは一晩録音に鳴きながら飛んで行くセグロカッコウをとらえることができました。時刻は午前2時頃、暗いなかです。ですから、セグロカッコウも昼間も良く鳴きますので、全日性の鳥と言えると思います。
 昨日、セグロカッコウの録音でお世話になったW辺さんから撮影に成功したとセグロカッコウの写真が送られてきました。拝見すると、とても可愛いのです。目がくりくりっとして可愛い印象の顔つきをしています。
 そこで気が付いたのですが、夜鳴くホトトギス類は目が大きいです。ホトトギス、ジュウイチも鳴きながら飛んでいます。粟島の渡って行ったセグロカッコウも闇夜のなかを飛んで行ったはずです。ある意味、フクロウ並の視力がなければ、鳴きながら飛ぶことはできないかもしれません。
 そう思ってカッコウとツツドリの顔を見ると、鋭い目つきをしています。顔の大きさに対して、目が小さい傾向があると思いました。
 顔の大きさとそこに占める目の大きさの比率をていねいに測定すれば、面白い結果がでるかもしれません。また、少なくともネットにアップされているこれらの鳥の写真をご覧いただければ、よろしいかと思います。
 この説のつっこみどころとしては、小鳥は夜渡るものが多いけど、目の大きさに違いがあるのかです。
 いずれにしても、なぜ夜も鳴くホトトギス類と鳴かないホトトギス類がいるのかの明快な説明はまだです。食性、托卵相手、それとも・・・。彼らの鳴き声を聞きながら、いろいろ想像してみていただければと思います。

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コメント

松田様

ホトトギス類がいつ鳴くかの記事を楽しく読ませてもらいました。

5月下旬、西丹沢へ車中泊でトレッキングに行きました。
午前3時42分、「ジュウイチ、ジュウイチ」という声がして目が覚めました。
私には幸せな一瞬でした 笑。


まつ様 まさにタイムリーな話題ありがとうございます。一昨日も枕が変わり寝付けないでいると午前2時ころホトトギスがよく鳴いていました。なんでホトトギスばかりが夜中も鳴いているのだろうとぼんやり考えていたところです。
「ジュウイチも一晩中鳴いている」ということは知りませんでしたので、聞けるチャンスがあったら聞き耳を立てて見ようと思います。
夜に強いのはジュウイチとホトトギスの目が大きいから!という答えをチコちゃんが聞いたら、なんと応えてくれるかな?

T_Ohi様
 ホトトギス類4種のうち、ジュウイチがいちばん聞く機会が少ないですね。
 丹沢は健在のようでなによりでした。


つな様
 ジュウイチは、ホトトギスほどではありませんが、夜に良く鳴いています。
 これも録音することで気が付いたことで、それまで昼間の鳥だと思っていました。

松田様
はじめまして、古庵と申します。

松田様と同好のgnohara様には、オオコノハズクの事を知りたくてお世話になっております。そんな関係で貴兄のブログも時々拝見しております。

さて、今回の昼だけと昼夜鳴くホトtギス類の件ですが、素人ながら原点について考えてみました。

一般的に野生動物は、自身が生きるためと子孫を残すのが主たる目的かと思います。前者は食べることと外敵から身を守ることに尽きると思います。
その目的のために、形態や生態を特化して長い年月命をつないで今日繫栄しているでしょう。

かつて夜勤の経験もありますが、ホトトギスが昼夜を問わず飛びながら鳴き続けているのを聞いて、一体いつどうやって休むだろうかと、眠たい自分と比べて羨ましく思ったことでした。
毎晩夕食後犬を連れて散歩に行っていますが、5月6月に遅い日が落ちると外は多くの虫が飛び交っています。喋ると口の中にも入ってきます。

これらの事からホトtギスは空中を飛んでいる虫を食べているのではないでしょうか?
また常に飛び続けるためにより多くのエネルギーを必要とし、常時食べ続けているというエンドレスに嵌っているのでは、などと思ったりします。
食性嗜好性がほかのカッコウなどとは異なっているのではないかと思います。
そして昼間に活動するワシタカなどの猛禽類から身を守る目的も考えられます。

裏付けのない愚考ですが、考えることは無限大です。
これからもよろしくお願いします。

古庵様
 コメント、ありがとうございます。
 また、拙ブログおめにとまり恐縮です。
 夜、飛びながら採餌説、面白いです。
 昔は、鳥を捕まえてお腹をさいて食性を調べるという記録があるのですが、最近は難しいですね。昔の記録も昼間に捕まえていますから、夜の食性は不明です。
 たしかに夜、車で走っているとフロントガラスにビシビシ、虫がぶつかることがあります。佐渡にトキのネグラ入りを見に行ったときは、暗くなったら息を吸えないくらい蚊の仲間が大発生していたことがありますので、空中には相当飛んでいたことでしょう。
 どうやって、これを検証したらよいのか、想像する楽しみがあります。

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