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2021年7月

2021年7月30日 (金)

竹下信雄さん-訃報

 シバラボさんから、竹下さんの訃報が伝えられました。なんでも、シバラボさんは竹下さんの弟子だそうです。
 竹下さんは、6月9日に急逝されたとのことで81才。最近、お会いした安西英明さんからは、お元気だったと報告を受けたばかり、急な知らせに驚いています。
 日本野鳥の会が1970年に財団法人になって、はじめて事務局ができて職員を置くようになりました。この事務局の最初の職員3名のうちのお一人でした。当時の青山通りには、ビルはなくあっても木造2階建てのしもた屋が並んでいました。国連大学や青山劇場は、都電の車庫の跡地で広大な空き地が広がっていました。
 第一園芸もプレハブのような造りで2階建て。その隅に日本野鳥の会の事務所かありました。今思えば、倉庫に机と椅子を置いたような感じでした。
 ここに夕方になると、学生をはじめとする若者たちが集まって、議論をしたり野鳥誌の発送を手伝ったりしていました。私もその一人でした。狭い事務所に10人も入ると床がギシギシいって、竹下さんが「床が抜ける」と心配していたのを覚えています。また、若者たちが議論で盛り上がりつい大きな声になると竹下さんに「電話が聞こえない」とよく叱られたものです。学生たちからみれば、10才年上ですから大人から叱られた子どもの感じで、シーンとなったものです。ちょっと怖い存在であったと思います。
 竹下さんは、私たちがTシャツにGパンなのに、いつもスーツにネクタイをしていたのも竹下さんのイメージです。いちばんのお仕事は、中西悟堂会長との連絡役で秘書的な役割を果たしていたと思います。悟堂さんとのやりとりは『野鳥』誌の編集に関わることで、悟堂さんにとっては『野鳥』誌が命でしたから、さぞ神経をつかったことでしょう。竹下さんの辞めた後、事務局と悟堂さんの関係が劣悪になったことを考えると、竹下さんの存在が大きかったのではないかと想像しています。また、常務理事の奈良部博さんと企業周りをしていたのを覚えています。夕方、2人が事務所に戻ってきて「今日は大丈夫だ」「たぶんだめだろう」と反省会を開いていました。
 日本野鳥の会の事務局の黎明期、社会保障も不十分な事務所で、ご苦労されたことでしょう。日本野鳥の会の事務局がいまこうしてあるのも、竹下さんのような方がいたからこそ。大恩人のお一人であると思います。
 竹下さんが、あるとき「平家物語に出てくる渡辺綱が退治したのは、ヌエではないのを知っているか」と言われました。たしかに、怪物は「頭が猿、身体はは狸、尾は蛇、手は虎の姿。鳴く声ヌエにぞ似たりける」とあります。「あの怪物には名前がない、正体のわからないものを”ヌエ的存在”という言葉が、間違いを広めてしまった」とのこと。その後、野鳥誌のコラムにこのネタを書かれていたと思います。その前になっとくできるか、私にネタを披露してくれたことになります。
 それまで、てっきりヌエ=怪物だと思っていたので、びっくりです。それ以降、私のトラツグミの解説では「渡辺綱が退治した名無しの怪物の声」と書いています。いまだにトラツグミの解説で、怪物の名前だったと書かれているのを見ると、竹下さんのことを思い出しほくそ笑みます。

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 たぶん著作権のない写真ですのでアップします。もし、問題がありましたら削除いたします。1977年の日本野鳥の会全国大会・茨城です。後列右から3人目が竹下さんです。田久保晴孝さんと園部浩一郎さんの間に挟まれています。
 思い出はつきませんが、竹下信雄さんのご冥福をお祈りいたします。

2021年7月20日 (火)

西船橋のオオコノハズク-記憶

 オオコノハズクといえば、思い出すことがあります。
 それは、西船橋でオオコノハズクが鳴いているという情報です。
 まだ、東西線が西船橋まで開通したばかりの頃(1969年)、私の学生時代(1968~1972年)のことだったと記憶しています。
 情報元は、高野伸二さんです。当時の状況から私が学生で日本鳥類保護連盟の雑誌「私たちの自然」の発送のアルバイトに行ったときに聞いたことだと思います。
 たぶん「西船橋駅の近くのお寺でオオコノハズクが鳴いている。松田君は毎日、西船橋を通っているのだから行ってみたら」というようなことを言われたと思います。「どうやって聞き分けるのか」と聞くと「アオバズクは2声、オオコノハズクは1声の連続だからわかる」と言われたと思います。
 当時の総武線沿線は、本八幡駅から先は田んぼやヨシ原が線路際まで、広がっていました。下総中山駅では、オオヨシキリの鳴き声を電車の中から聞くことができたほどです。ですから、西船橋も今とは違って閑散とした駅でした。電車の中から見ると北側に小高い丘が続きマツの大きな木が続いていて、この林のなかにオオコノハズクがいるかもと思ったものです。
 記憶では、法華経寺と聞いたと思います。法華経寺が近くにあるにはあるのですが、下総中山駅のほうが近く、最寄りの駅は京成中山駅となります。ですから記憶違いかもしれません。この西船橋の丘の上にあるのは、春日神社となっています。神社とお寺では、大きな違いですが、50年以上前の記憶なのでご勘弁を。
 私は、高野さんの言うとおり毎日通っているのだから「いつか行けばいいや」との思いと、厳密にはいつの季節に何時頃行ったら良いのか、当時の知識ではわからず結局行かずじまいでした。
 また、いっしょに聞いたか私が話したか思い出せませんが、後に日本野鳥の会の職員となった柚木修さんが「それなら、行ってみる」か「行く」と言っていたのも覚えています。ライファーを稼ぎたい年頃でしたので、熱心な柚木さんのこと、行ったのではないかと思っています。
 残念ながら、高野さんも柚木さんもお亡くなりなり、今となっては確認のしようがありません。
 またその後、千葉県には日本野鳥の会の千葉支部や千葉県野鳥の会が発足しますが、西船橋のオオコノハズクの記録を見つけることはできませんでした。
 高野さんが言ったアオバズクとオオコノハズクを2声鳴きと1声鳴きで区別する方法は、他の人からも聞いたことがあります。「小さく低い声」というのが、オオコノハズクの鳴き声の特徴ですから、高野さんも聞いたことがなかったのでしょう。
 本来、里山の鳥のオオコノハズクですから、まだまだ里山や谷津田が残っていた1970年代の西船橋周辺にオオコノハズクがいてもおかしくありません。いずれにしても、オオコノハズクが身近な鳥であった時代にかろうじて私は生きていたことになります。今でも西船橋を通ると、このエピソードを思い出します。
 

2021年7月15日 (木)

『やばすご鳥伝説-鳥たちのビックリ生活』-ご紹介

 ♪鳥くんの『やばすご鳥伝説-鳥たちのビックリ生活』をいただきましたので、ご紹介いたします。奥付を見たら8月20日が、発行日でした。最新の野鳥の本ということになります。
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 野鳥のトリビアネタの本です。見開きで1種、あるいは一つの仲間をあつかっています。多くは生態、習性に関係したネタで、初心者はほとんどが新鮮な知識として一見開き「1ヘエ」になると思います。もしバードウォッチングの10年選手で「ヘエ」が多かったら勉強不足、野鳥との関係を考え直したほうが良いと思います。など、野鳥の知識の確認ができます。
 また、たくさんの写真が収録されています。ぜいたくな感じです。初心者にとっては、イメージをとらえやすくわかりやすい構成になっています。
 本文は、ルビ付き。やさしい文章で解説されていますので、いっきに読むか、出会った鳥について熟読するか、読み方はいろいろあると思います。
 いずれにしても、野外で出会った鳥のネタを読めば親しさもひとしおです。野鳥との距離は知識があることで、縮まります。

 アマゾンのURL.
https://www.amazon.co.jp/%E3%82%84%E3%81%B0%E3%81%99%E3%81%94-%E9%B3%A5%E4%BC%9D%E8%AA%AC-%E9%B3%A5%E3%81%9F%E3%81%A1%E3%81%AE%E3%83%93%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%AA%E7%94%9F%E6%B4%BB-%E2%99%AA%E9%B3%A5%E3%81%8F%E3%82%93-%E6%B0%B8%E4%BA%95/dp/4074489309/ref=sr_1_1?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&dchild=1&keywords=%E3%82%84%E3%81%B0%E3%81%99%E3%81%94%E9%87%8E%E9%B3%A5%E4%BC%9D%E8%AA%AC&qid=1626317046&s=books&sr=1-1

2021年7月14日 (水)

『朝の小鳥』スタジオ収録-8月は南牧村黒瀧山

 本日は、文化放送の『朝の小鳥』のスタジオ収録でした。リモートでの監修です。
 先日、Birder誌に「謎の木魚鳥」を寄稿したのを機会に、群馬県南牧村の黒瀧山での取材を中心に構成してみました。こうして使っていない音源がけっこうありますので、緊急事態宣言下で県境をまたいで取材ができなくても、とうぶんはなんとかなりそうです。
 私の記事を読んだ録音仲間のF野さんは、さっそく黒瀧山に行ったそうです。報告では、私が話をした和尚さんはすでにお亡くなりになっていたとのこと。代替わりしていたそうです。葬儀の日には、さぞ木魚鳥が鳴いたことと思います。また、ここ2年ほどは木魚鳥は鳴いていないというお寺の関係者の話もあり、オオコノハズクも代替わりしているかもしれません。F野さん、貴重な情報ありがとうございました。
 私も掲載誌をお寺宛にお送りしたところ、ていねいな礼状とお線香をいただき恐縮いたしました。新型コロナが収まったら木魚鳥の本場をゆっくりとたずねたいと思います。
 ということで、木魚鳥は恐らく電波に乗るのは初めてでしょう。本当に木魚のように聞こえるか、ぜひお確かめいただければと思います。

 2021年8月 放送予定
   8月1日  キセキレイ
       8日 ヒヨドリ
       15日  アオバト
      22日  クロツグミ
        29日  オオコノハズク

2021年7月 8日 (木)

セグロカッコウとヤイロチョウは普通種だ

 「セグロカッコウとヤイロチョウは普通の鳥だ」と言ったら、ごうごうたる非難をあびそうです。
 でも、このところの野鳥録音の情報から、そんな印象を得るようになりました。
 ここ2週間ほど、福島県、神奈川県、山口県の野鳥録音を始めた方とメールのやりとりをしています。いずれの方もバードウォッチングの造詣は深く、野鳥録音を行い、もっと野鳥との関係を深めたいという意欲を感じる方々です。
 面白いことに、まず「セグロカッコウが録音できた」と報告がありました。「それでは、次はヤイロチョウですね」と半分冗談でメールの返事を送ると、なんと3名ともヤイロチョウも録音できていました。
 私自身、最初のセグロカッコウの録音は、粟島でアオバズク狙いの一晩録音に偶然入っていたものです。ICレコーダーのバッテリーとメモリのバランスがよくなり長時間録音が可能になったばかりの頃です。
 ですから、長時間録音が可能なICレコーダーで野鳥録音を始めると、昼間の録音ばかりでなく夜の録音もやってみたくなります。すると、セグロカッコウはもとより、ヤイロチョウも録音できてしまうことになります。
 以前のこの2種が録音できたと報告のあったのは東京都や栃木県などです。セグロカッコウだけ、ヤイロチョウのみという報告もあります。
 これらを加えれば、特定の地方に偏ることなく全国にばらついています。私に連絡をしてくる人は、ごくわずかだと思います。そのなかの3名が3名とも同じように録音できてしまうということは、ひょっとすると全国的にはかなり多い鳥になっているかもと思ってしまいます。
 ということで、野鳥録音の世界ではセグロカッコウとヤイロチョウは普通種と言うわけです。さらに、野鳥録音が普及すれば、これが常識になるとかもしれません。

2021年7月 2日 (金)

録音機をどこに置くか-芝川第一調節池

 一昨日の芝川第一調節池のネタに T_ohiさんから「ブログのお写真の位置は人工音の一番入らない場所と感じました。」とコメントがありました。広い調節池とはいえ、もっともノイズが少なく鳥のいるところとしては、昼間のベストポイントの一つです。さすが地元の方のコメントです。
 10年ほど前にO村さんとここで待ち合わせをしたことがあります。一度記事にしていますが、芝川のベストポイントの話として思い出しましたので、再度記事にします。
 O村さんはプロの音楽家でCMなどにつける音楽や効果音を作る音の仕事をしています。それだけに、彼と話をしているといかに自分がアマチュアであるか思い知らされます。また、鳥にも造詣が深く、松戸のフクロウを案内してくれたときは、見事に見つけてくれ録音できました。フクロウの気持ちになって探すのですから、見つかります。
 芝川第一調節池は、周囲およそ3kmあります。見晴らしがきくので双眼鏡で探せば見つかるはずですし、携帯電話を鳴らせば巡り会えるはずと、場所を決めないでの待ち合わせです。芝川は写真のとおり、広いです。
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 私は、この前日の夕方に芝川第一調節池を訪れ、一晩録音を仕掛けておきました。
 ですので、O村さんを探しながら録音機を回収に行きました。土手の上の人影が見えると、彼ではないかと双眼鏡で確認しますが、いません。それならばと携帯電話を鳴らすと、なんと手前のヨシ原から彼が登場。
 思わず「どうしてそこにいるの?」と私。「松田さんが録音機を置くとしたら、ここしかないと思って、ここで待っていました」とO村さん。
 確かに私が録音機を置いた場所は、南を走る武蔵野線からいちばん遠い辺です。また、昼間は車の多い463号線も夜は交通量が少ないはず、また土手の内側に置くことでかなり車の音は軽減されるはず、さらにすぐそばに採石場があり昼間はパワーシャベルがうなりを上げていますが、夜は動いていません。それに、なにより池の水面とヨシ原が良い感じに入り交じったところで、水面とヨシ原の鳥の両方が狙える場所ということになります。
 さすが、音のプロが鳥の知識を得たら最強、見事な推理です。私も彼が考えと同じだったことで、少しプロに近づいた感じになりました。

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