音源を聞いていて「ウッ」と、思わず声が出ることがあります。
暑いしコロナ蔓延という2重苦のなか、引きこもりがちです。「朝の小鳥」のために、時間のあるうちにと思って音源を整理しているときでした。
2006年4月25日、石垣島の宿での録音です。宿の庭には、リュウキュウアカショウビンがいて、良く鳴いてくれました。もう15年前になってしまいました。当時は、DATにステレオマイクで録音していた頃です。2度目の石垣島で1度目は早すぎて、まだリュウキュウアカショウビンが来ていませんでした。半月ずらしたことで、やっと録音できたことを思い出しました。そのときの音源を聞いている時のことです。
ボリュームの増幅、ノイズリダクションをかけています。
カノコバトでよろしいかと思います。かなり遠いうえに低い声のためノイズに埋没していました。右チャンがボリュームが大きいので、左チャンをカットして右チャンをペーストしています。増幅とノイズリダクションをかけているために、優しい感じが損なわれています。また、再生環境によっては、的確に再生できないかもしれません。この鳴き声以外は、断片的なもので、わずか3声だけでした。
その後、台湾の金門島に行ったときに録音したホテルの前で鳴いていたカノコバトの声紋と一致。音は600~800Hzにあり、一声鳴いたあとに伸ばした音を続けます。
カノコバトは、ハワイなどでは外来種としてはびこっています。実は、六義園でも1993年1月10日にカゴヌケと思われる1羽を記録しています。
ただ、石垣島や西表島の記録は自然分布とされ、数例の記録しかありません。録音時にカノコバトとわかったらもっと真面目に録音したと思います。当時は、リュウキュウアカショウビンを録るのに夢中でした。
カノコバトは、台湾に行けば日本のキジバトのようにいるハトですから、珍鳥というのはおこがましい種類です。ただ、日本における記録数からは大珍鳥になってしまいます。ベニバトも同じように1度見つかったあと、記録が多くなりました。いると思って探せば、見つかるのでしょう。同じように、この鳴き声が知られればカノコバトの記録も増えるかもしれません。いずれにしても、参考記録としてアップしておきます。
こうした思わぬ発見があるのですから、野鳥録音はやめられません。
最近のコメント