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2021年8月10日 (火)

音はどこから出ているのか

 暑さとコロナの蔓延、腰痛の3重苦のなか、読書と資料整理をしています。
 その間、面白い質問を受けたので考証してみました。
 「鳥は、くちばしを閉じても音が聞こえるが、どこから音を出しているのか」です。
 先日の芝川のオオヨシキリは、巣材をくわえたままさえずり、ふだんと変わらない節と音量で鳴いていました。私の過去の経験では、オオルリがさほど大きな口を開けていないのに、しっかりとさえずっていたのを観察したことがあります。また、ハシブトガラスも食べ物を口にくわえながら、大きな声で鳴いていたことがあります。
 人間は唇や舌、口腔をコントロールして音を出すのですから口にものが入っていたら、音を出しにくいことになります。鳥は、喉にある鳴管を震わせるのですから、くちばしや舌を使わないことになりますから、音を出せるということではないでしょうか。
 鳥がさえずっているシーンというと、大きな口を開けている動画や写真です。こうしたシーンを見慣れていると、この口がふさがっていたら音がでないと思ってしまうことがあるかもしれません。
 小鳥で言えば、皮膚の数mm下にある鳴管を震わせるのですから、喉から直接音が響いてくるのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。また、ミソサザイなどがさえずっている様子を見ると、身体全体を震わせて鳴いています。いわば、全身で音をまき散らしているように見えます。
 このあたりの検証のしようがありませんが、音が出てくるのは口という先入観念は、鳥には通用しないのかもしれません。

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考証」カテゴリの記事

コメント

わたしも鳴管の音が直接聞こえてくると思っています。キビタキが虫をくわえたままきちんとさえずるのを見たことがあります。さえずり以外の声だともっと頻繁に見られるように思います。親がヒナに餌を渡す前に呼ぶような声はむしろクチバシがふさがっていることが普通だし、人間と違って口内で共鳴させる意味があまりないのかなあと思っています。

松田様
いつも興味ある話題をありがとうございます。
鳥の鳴き声の仕組みがよくわからないので「鳴管-コトバンク」で検索しました。鳴管は鼓室と振動膜よりなり、発声は呼気とともに振動膜が振動することによって行われる旨の記述がありました。
発声の為には、先ず閉じている様に見えている口か鼻孔から外部へ空気の流れ(呼気)が必要と思われます。それにより鳴管で声が出れば、あとは呼気による外部への音の伝わり或いは皮膚下からの直接的な音の伝わりで聞こえてくるのかなと思いましたが、いかがでしょうか。       
                                            コムクドリ

鳴管についての詳しい資料を見つけられないでいます。
ひとつは、カモ類ですが鳴管の形は種によって違いミイラ化した死体でも鳴管から種の識別ができるというものがあります。それだけ、硬い材質でできていることになります。
また、左右5対の筋肉でできているという記述があります。しかし、この筋肉がどのように気管に付いているのか、また種によって違いがどれだけあるのか、鳴き声との関係は・・・となると五里霧中です。
解剖学の世界、基礎だと思うのですがこうした基礎が遅れていますね。

松田様

早速のご返答ありがとうございました。
鳴管については、まだ説明が定まっていないのですね。

不明の鳴き声-六義園の声は、キセキレイの鳴き声が似ていると思いますが、いかがでしょうか。
eBirdでキセキレイの鳴き声を検索した結果、似たような鳴き声がありました。

                                            コムクドリ

コムクドリ様
 ありがとうございます。
 キセキレイの可能性はあります。六義園にいることはいます。
 ただ環境的にキセキレイらしくない場所です。しかし、翼のある鳥のことですからなんとも。
 

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