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2021年9月

2021年9月22日 (水)

「野鳥」誌はカラス特集

  日本野鳥の会の雑誌「野鳥」の9・10月合併号の特集は、カラスです。
 上田恵介会長によるカラスの基礎、杉田昭栄さんのカラスの脳と知能、松原始さんのカラスの観察、中村眞樹子さんの札幌のカラスの最新事情。そして、私はカラスの本の出版の傾向を書きました。読み応えがあります。

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 日本野鳥の会の会員の方々には、そろそ ろお手元に届くと思いますので、じっくりとお読みいただければ幸いです。
 私としては、理事退任後のはじめての投稿となります。実は今まで、これでも神経を使って書いていたのです。理事の肩書きがある以上、私の書いたことや言ったことは日本野鳥の会の公式な意見ととらえる方がいるので言葉のはしばしにもかなり神経を使って書いてきました。とくに、公式な機関誌の記事ですから、なおさらです。私から編集部に「これでよろしいか」という相談をし調整をしたことはありますが、編集部からアドバイスはあるものの自由に書かせてもらってきました。
 今回のカラス記事は、より自由に書いてみました。
 

2021年9月19日 (日)

司馬江漢はセンカクアホウドリを見たか-続報

 一昨日、江戸時代の絵師・司馬江漢が平戸で見たのは、アホウドリに違いない。それも、もしかしたらセンカクアホウドリかもしれないという記事を書きました。
 さっそく、これを読んだS崎さんより、すごい情報をいただきましたので紹介させていただきます。
 S崎さんは、この鳥をどこかで見た記憶があり蔵書を調べたところ、京都府古書籍商業協同組合の『第21号京都古書籍・古書画資料目録』(令和2年6月発行)に司馬江漢≪水鳥図≫が載っていたとのことでした。添付された画像は、版画ではなく1点物の作品で表装されていました。

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 江漢の著作権はありませんが、現在の持ち主の所蔵権はありますので、クレームがあった場合、削除いたしますので、あらかじめ了承ください。
 さて、大きく描かれている鳥は、肉をくわえたくちばしはピンク、頭から首の黄色、翼の白に黒い斑があることから、これもアホウドリに見えます。この鳥の左奥、遠くに3羽の同じ鳥が小さく描かれていますが、アホウドリが浮かんでいる姿そっくりです。
 例によって、添えられた文字を読むと大意は「名前は知らず、(略というか読めません)俗にダイ鳥、人の足元に来て肉を食らう、大きさ白鳥ほど有り、足鴨のごとし」ということで水かきのあることを示しています。
 この絵からもアホウドリであることは間違いないと思いますが、センカクアホウドリどうかの識別は難しいです。ただ、『江漢西遊日記』に描かれた絵が下絵で、これが本画である可能性もあり、平戸のアホウドリならばセンカクアホウドリかもしれません。
 S﨑さんによると、カタログでは120万円の価格が付いていたそうです。江漢が120万円は安いどうか微妙なところです。願わくば、博物館に所蔵されて欲しい資料です。
 S﨑さん、貴重な情報ありがとうございます。おかげさまで、情報を発信することで新たな情報を得ることができるネット時代の素晴らしさを実感することができました。

2021年9月17日 (金)

司馬江漢はセンカクアホウドリを見たか

 最近の鳥を巡る話題でセンセーショナルだったのは「アホウドリは2種いて、鳥島のアホウドリと尖閣諸島を繁殖地とするセンカクアホウドリがいる」でした。

 http://www.yamashina.or.jp/hp/yomimono/albatross/13two_spieces.html

 尖閣諸島にアホウドリが繁殖しているという報告は、領土問題が顕著化する以前にいくつかの報告があり気にはなっていました。それが別種であり、それもDNAから調べられたのですから間違いのない報告です。
 江戸時代には、鳥島と同じように尖閣諸島にもアホウドリのおびただしい数が繁殖していて、近世になって鳥島と同じように羽毛のために取り尽くされた歴史があります。鳥島については、動画記録があるなど、昔の栄華を知ることができますが、尖閣諸島についてはほとんど記録がないため、大きな問題にわりには知られていないのは残念です。
 江戸時代にセンカクアホウドリが記録されていないか、記憶をたどりました。『江戸のバードウォッチング』(1995)の執筆のおり、江戸東京博物館の図書室に通い、文献をあさったなかに司馬江漢(1747~1818)の『江漢西遊日記』(1815)があったのを思い出しました。
 江漢は、江戸時代の絵師です。西洋の画風を取り入れたり、当時としては型破りの芸術家だったと思います。私としては、たくさんいたはずのトキが浮世絵に描かれることがなく、江漢のみが描いているのを見つけています。
 『江漢西遊日記』の”西”は、江戸から見た西で、江戸から長崎までの旅行記です。 今では、ネットですべて読むことができます。

  https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1194191/5

 このなかに、センカクアホウドリと思われる鳥が登場します。時は天明9年(1789)の冬、場所は平戸あたり。ここでの鯨漁のことが、詳しく壮絶に描かれています。そのページの挿絵に「らい鳥」があります。

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 絵を見る限りキジの仲間のライチョウではなく水鳥に見えます。絵の横には「くちばしはうす赤、頭はうす黄色、全身白、少し黒斑あり、沖カモメとも言う」とあり、これらからアホウドリであることは間違いないでしょう。
 また、このアホウドリは鯨漁の残飯を求めて集まって来たようです。私のつたない読解力で書かれていることを要約すると「この鳥、常に見る、鯨漁のときにどこからともなく来る。鯨を解体するとき重なるように来て、肉を食らうことしきりなり。陸を歩かない。大きさは白鳥のごとし」とあり、これらの記述からもアホウドリを想起させられます。
 センカクアホウドリは、アホウドリよりくちばしが細く短いという違いがあります。この絵の鳥も短めですが、全体のタッチからは区別は難しいかもしれません。
 なお、平戸は九州北部の長崎県ですから、太平洋側に繁殖地のある鳥島のアホウドリとは思えず、尖閣諸島などに繁殖地を持つアホウドリではないかと推測できます。クジラの解体とともに集まって来たのですから、もっと近くにある尖閣諸島以外の繁殖地から来た可能性もあります。
 いずれにしても江漢が見たアホウドリは、センカクアホウドリの可能性が大きいと思います。

2021年9月15日 (水)

『朝の小鳥』スタジオ収録-10月はユネスコ自然遺産に登録された南西諸島の鳥

 本日は、文化放送の『朝の小鳥』のスタジオ収録でした。リモートでの参加です。
 今年の5月、ユネスコは、鹿児島県から沖縄県の南西諸島に続く「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」を世界自然遺産に登録することがふさわしいとし、今年の世界遺産委員会で世界自然遺産に登録される見通しになりました。
 それを記念して急遽、登録される地域に生息している特産種、特産亜種を取り上げました。現在、沖縄県は新型コロナの蔓延で深刻な状況にあると思います。バードウォッチングツアーも中止される現状のなか、取材は控えるべき地域となっています。そのため、過去に何回か訪れたときに収録した音源です。それに、鳥を取り巻く最新情報をくわえて解説しました。
 昨日、届いたBirder誌には、奄美大島のオオトラツグミが、将来的にはミナミトラツグミという和名になる可能性があるという記事がありました。さすがに、今回のシナリオには間に合いませんでしたが、蒲谷鶴彦さんがこれだけ鳴き声がちがうのだから別種にすべきと、おっしゃって何年たったでしょう。次回の日本産鳥類目録の改定で、ようやく種としてみとめられる見通しつきました。ミナミトラツグミという和名も私は違和感がありませんので、気に入っています。
 
 2021年10月 放送予定
   10月3日  オオトラツグミ(奄美大島)
    10日 ヤンバルクイナ(沖縄本島やんばる)
    17日 アカヒゲ(沖縄本島やんばる)
    24日 リュウキュウアカショウビン(西表島)
       31日  リュウキュウコノハズク(西表島)

2021年9月11日 (土)

入院していました

 8月15日より入院しておりました。予定の2週間が3週間となり一昨日、退院いたしました。
 コロナではありません。6年来の造血細胞のガンの治療で、新しい抗がん剤に変更するための監視観察のための入院でした。思った以上に過酷で、年寄りにはきつい治療もありました。
 そのため、ブログの更新やメールのご返事が滞り、ご心配をおかけし申しわけございませんでした。
 コロナ禍のなかの病棟は隔離状態で面会もままならず、独房に入っているようなものでした。一般病棟とはいえ、医師、看護師など医療従事者の方々の緊張感は、入院患者にもひしひしと伝わってまいりました。
 ですので、家に帰ってきて窓の外から聞こえるハシブトガラスの鳴き声やツクツクボウシの声が解放されたと実感いたします。
 今後も通院で治療を続けますので、ここしばらくはブログも事務連絡のみなるかも思います。どうぞ、あらかじめご了承いただければ幸いです。

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