司馬江漢はセンカクアホウドリを見たか-続報
一昨日、江戸時代の絵師・司馬江漢が平戸で見たのは、アホウドリに違いない。それも、もしかしたらセンカクアホウドリかもしれないという記事を書きました。
さっそく、これを読んだS崎さんより、すごい情報をいただきましたので紹介させていただきます。
S崎さんは、この鳥をどこかで見た記憶があり蔵書を調べたところ、京都府古書籍商業協同組合の『第21号京都古書籍・古書画資料目録』(令和2年6月発行)に司馬江漢≪水鳥図≫が載っていたとのことでした。添付された画像は、版画ではなく1点物の作品で表装されていました。
江漢の著作権はありませんが、現在の持ち主の所蔵権はありますので、クレームがあった場合、削除いたしますので、あらかじめ了承ください。
さて、大きく描かれている鳥は、肉をくわえたくちばしはピンク、頭から首の黄色、翼の白に黒い斑があることから、これもアホウドリに見えます。この鳥の左奥、遠くに3羽の同じ鳥が小さく描かれていますが、アホウドリが浮かんでいる姿そっくりです。
例によって、添えられた文字を読むと大意は「名前は知らず、(略というか読めません)俗にダイ鳥、人の足元に来て肉を食らう、大きさ白鳥ほど有り、足鴨のごとし」ということで水かきのあることを示しています。
この絵からもアホウドリであることは間違いないと思いますが、センカクアホウドリどうかの識別は難しいです。ただ、『江漢西遊日記』に描かれた絵が下絵で、これが本画である可能性もあり、平戸のアホウドリならばセンカクアホウドリかもしれません。
S﨑さんによると、カタログでは120万円の価格が付いていたそうです。江漢が120万円は安いどうか微妙なところです。願わくば、博物館に所蔵されて欲しい資料です。
S﨑さん、貴重な情報ありがとうございます。おかげさまで、情報を発信することで新たな情報を得ることができるネット時代の素晴らしさを実感することができました。
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