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2021年10月

2021年10月28日 (木)

鳴き続けるホンセイインコ-六義園

 午前11時45分頃、六義園のクスノキからホンセイインコの鳴き声が聞こえました。
 ホンセイインコの鳴き声というと、するどいイメージがあります。しかし、今日の鳴き声は声量も少なく、やさしげに聞こえました。また、一声ずつ間を開けず短い声を続ける鳴き方を断続的にしていました。
 ホンセイインコは長く鳴くことは少なく、すぐに移動していってしまいます。ですから、どうせ録音の準備をしてもダメだろうと思って聞いていました。それに、六義園の人声から周辺の生活音がにぎやかなのでクリアな録音が難しい状況です。
 ところが、30分たっても同じ所で、同じように鳴き続けています。これは、録音してくれと言っているに違いないと思い、録音機をセットしました。
 PCM-D100で録音、2,000Hz以下のノイズを軽減、ボリュームの増幅をしています。


 録音は18分あり、16分までこの調子で鳴いていました。少なくとも、45分間は同じ場所にとまって鳴いていたことになります。
 本日は、秋らしい日和。暖かく風もない良い天気でした。この陽気に誘われて、ホンセイインコも気持ちよさそうに鳴き続けていたことになります。

2021年10月13日 (水)

アオバズクの鳴き声-倍音の課題

 日本野鳥の会事務局のT岡さんから
「(アオバズクが)日の出近くで、ぼちぼち泣き止むというタイミングで、鳴き方が変わり、倍音?の入った声に変わりました。ややかすれた、色っぽい声になり、メスを誘っているのか?と勝手に想像してしまいます。一般的に、アオバズクは倍音が入った声で鳴くのでしょうか?」
 という質問をいただきました。だんだん、質問の内容が高度になってきて、そう簡単には答えられないものになってきました。
 ということで、倍音、またアオバズクの鳴き声について、調べて見ました。
 倍音の質問、かなり難問です。私自身、付け焼き刃の知識しかありませんので、間違っていたらごめんなさい。今までの知見からのコメントです。
 鳥の鳴き声によって倍音の有無、強弱があると思っています。蒲谷先生の時代の声紋表示では、倍音まで表示されませんでしたので、あまり語られることがありませんでした。しかし、コンピュータの発達により精密な分析が可能になった鳴き声の要素です。
 倍音があることで深みのある音、柔らかい音に聞こえますから、鳴き声の分析には重要な要素でもあると思っています。また、倍音の有無や強弱が、種類の識別の目安、個体識別の要素になると思います。
 アオバズクに限らず、近くで録音できると倍音が録れます。倍音がないと思っていたトラツグミも近くでクリアに録れたら倍音がかすかにありました。ですから、倍音は音が小さいため、音が大きく録れた場合、あるいは近くで録れた場合に得られると思っていました。しかし今回、アオバズクの倍音をチェックすると音の大きさより、鳴き方にあるかもしれないことがわかりました。
 私が録音できたアオバズクの音源をチェックしてみました。
 いずれも、新潟県粟島で録音。音声は、300Hz以下のノイズを軽減、ボリュームはそのまま、ノイズリダクションなどの加工はしていません。また、声紋は天地が0~3,000Hz、左右は0秒~約15秒です。
 粟島でアオバズクが鳴いている木の下に置いた録音機、これがいちばん大きく録れていた(-9db)には、1条の倍音が録れていました。

Brown-boobook1

 

 別の年に録音できた音の小さい音源ですが、倍音は4条ありました。

Brown-boobook2

 聞く限り倍音の多い方が少しこもった音に聞こえますが、大きな違いは感じません。
 別個体なのか、あるいは成長して声に張りがでるようになったのか不明ですが、音の大きさではないことになります。
 人間でも、甲高い声の出川哲朗と深みのある森本レオの違いがあり、声の魅力が異なるといったらわかりやすいでしょうか。
 これ以外、アオバズクの音源はたくさんありますが、倍音が表示されるほど大きく録れたことはなく、2例のみでした。
 なお、メインの音が-15dbの場合、1条目の倍音は-33dbでした。dbの計算は難しいのですが、ざっと10分の1のエネルギーしかない言えると思います。
 わずか2例ですが、T岡さんの録音のように倍音が出る鳴き方と出ない鳴き方をしている可能性もあるかもしれません。
 以前、日本鳥学会のポスター発表で、ツミの鳴き声で個体識別ができるというのがありました。いろいろな鳴き方の声紋が並んでいましたが、倍音はまちまちで、倍音の有無、強弱で個体識別の要素になるのではと指摘したことがあります。
 今のところ、同じ個体が倍音の有無、あるいは強弱の鳴き方をする、あるいは同じ種類でも倍音の有無や強弱があるという指摘は聞いたことがありませんので初知見になるかもしれません。
 倍音は意外と意外、大きな課題になるかもです。

2021年10月11日 (月)

ダーウィンが来た-取材メモ

 昨夜のNHKテレビの『ダーウィンが来た! ~街に大進出 青い鳥の謎~』に出演いたしました。イソヒヨドリの鳴き声についてのコメントです。
 プロダクションの方からメールがあったのが、5月中旬。今見たら、10回以上メールのやりとりをしていました。なんでも、樋口広芳さんが監修ということで安心してお付き合いさせていただきました。
 その後、6月中旬にzoomで打ち合わせ、さらにインタビューと4ヶ月も前のことでした。その間、プロダクションの方が実験をしたり、データを集めたりしていましたが、使われたのはほんの一部。いくつかの実験とデータは、紹介されず。もったいないです。
 私としては、動く声紋が売りだったのですが、意外と反応が薄くて残念でした。
 数回前のダーウィン、秋の虫が取り上げられていました。詳しく鳴き声について言及していましたが、このとき声紋がでたらちょっと困るなあと思っていたら、波形表示のみ。少しほっといたしました。ちなみに虫の声の声紋もとてもきれいです。
 今回、いろいろな鳥の鳴き声を声紋を制作して思ったのは、鳴き声のきれいな鳥は声紋もきれいです。自然の造形の美といっても過言でありません。造形に音がついて動くのですから、もっと見事です。今後、機会があったら声紋で遊ぼうと提案したいと思います。

2021年10月 7日 (木)

『朝の小鳥』スタジオ収録-11月は大阪城公園

 昨日は、文化放送の『朝の小鳥』のスタジオ収録でした。リモートでの参加です。
 以前、訪れた大阪城公園をイメージして構成しました。
 大阪城公園は、樹木が多いことに加えて城壁が複雑に重なりあっていますので、段差があります。そのため、上から木を見下ろすことができるポイントが多いのが特徴です。だいたい、公園というと平かなだらかな地形が当たり前で、木の上にいる鳥はしたから見上げることになります。しかし、大阪城公園は上から鳥を見下ろせることができて、鳥を見つけやすいのが新鮮でした。
 今回、シナリオを書いていて、アナウンサーの鈴木さん、デレクターの門馬さんから”カスミ網”って、どんなもの?と聞かれました。ツグミのところで、カスミ網猟でツグミが減った話があったのです。
 考えてみると私の子どもの頃(1960年代)、東京都板橋区赤塚あたりの雑木林にカスミ網が張ってありました。学生時代(1970年代)の千葉県印旛沼の丘陵地でも張ってあって警察に通報したことがあります。1980年代後半、日本野鳥の会の職員時代にはカスミ網の反対署名運動を組織を挙げて行われ、私は寄付集めのためのテレフォンかカードを制作したことを思い出します。
 ところが、もはや若い人はカスミ網を知らない時代になってしまったのです。カスミ網は、鳥業界の専門用語に近い存在になっていました。これはある意味、良いことだと思います。カスミ網が死語になってツグミが増えた、うれしいことです。
  
 2021年11月 放送予定
   11月7日 キビタキ
    14日 エナガ
    21日 ツグミ
    28日 ジョウビタキ

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